サポートタイムズ

サポートタイムズはカスタマーサポートの“今”を届けるメディアです。(Powered by CallConnect)

Twitter Facebook

カスタマーサポートの質を継続的に高めるには?

f:id:sennba3:20160711173318j:plain

カスタマーサポートの質を向上させるためにはどういった取り組みが必要でしょうか。本記事では、日々のカスタマーサポートにおいて素晴らしい活躍をするスタッフに注目し、カスタマーサポートの質を継続的に高めるために必要なことについての考察を書きました。

エーススタッフの功罪

朝早くから夜遅くまで顧客と向き合い、顧客からの難解な問い合わせにもスムーズに解答できるような素晴らしい活躍をするサポートスタッフがいることはとても喜ばしいことです。 他のスタッフにも元気や安心感を与えていることでしょう。

しかし一方で、カスタマーサポート部門に超人的な活躍をするエーススタッフと呼べるようなスタッフがいるとしたら、それは危険信号かもしれません。 なぜ危険信号なのかというと、その人に頼ることでしか現在のカスタマーサポートの質を保てなくなる恐れがあるからです。 そのスタッフが日々奮闘してくれているおかげで、自社のサポート体制の穴がたまたま埋まっているだけかもしれません。

エーススタッフがいることは喜ばしいことですが、そのスタッフに依存したサポート体制となってしまう恐れも大いにあるのです。

果たして超人的な活躍をするエーススタッフに頼りっぱなしのサポート体制で、カスタマーサポートの質を継続的に向上させていくことはできるのでしょうか。

カスタマーサポートの質を向上させるために

継続的に高品質なサポートを実践していくために必要なのは、エーススタッフではありません。

必要なのは、誰もが日々の決まった業務を行うだけで高品質なサポートを提供できるような“仕組み作り”です。

超人的な活躍をしてくれるエーススタッフが、自社でいつまでも働き続けてくれることを前提にサポート体制を構築してはいけません。エーススタッフと呼ばれる人たちには、通常スタッフより多くのプレッシャーがかかっているため、いつ辞めることになったとしても不思議ではありません。 そのため、継続的に高品質なサポートを実践していく上では、サポートの“当たり前”の基準を全社的に引き上げ、意図せずとも誰もが素晴らしいサポートを実践できるような仕組み作りが重要だといえます。

もちろん、サポートが2,3名の時には個々のパフォーマンスに大いに依存することになるでしょう。しかし、人数が増えてきたタイミングでは、仕組み化して誰もが素晴らしいカスタマーサポートを実現できるようにするのが望ましいでしょう。

エーススタッフが、日々献身的に働いてくれているおかげで今はなんとかなっているということを忘れてはいけません。

エーススタッフに頼らないサポート体制を構築する

エーススタッフは、その献身性と能力の高さから多くのことを手際良くこなしてくれます。しかし、それが当たり前になってしまえば、他のスタッフはそのエーススタッフに頼りがちになってしまうでしょう。そして、そのエーススタッフの心の中にも「なんでいつも俺ばっかり...」といった投げやりな気持ちが出てくることもあるかもしれません。

そうはならないためにも、カスタマーサポートにおいて顧客が重要視している要素(返信スピードなど)以外は切り捨てるようにし、サポート業務を簡素化してみるのはどうでしょうか。

誰もが高品質なサポートを行えるような仕組み作りの一環として、まずは顧客が重要視している要素(返信スピードなど)のクオリティを高めることだけに集中し、あれもこれもクオリティを高めないようにしてみるのです。

エーススタッフは自らの献身性や能力の高さゆえ、多くの要素(返信スピード、解答の正確性など)を高いクオリティでこなすことができましたが、いきなり他のスタッフがそれを真似するのは非常にハードルが高く、困難です。

まずは最も重要度の高い要素だけを追求するように、努力するポイントを限定してみてはどうでしょうか。

まとめ

継続的にカスタマーサポートの質を高めるためには、エーススタッフと呼ばれるような“人”に依存しない体制構築が欠かせません。もちろん、カスタマーサポート部門を立ち上げたばかりであれば、人に依存したサポート体制とはなってしまいます。 しかし、サポートの継続的な成長を考えると、どこかで人に依存したサポート体制から、人に依存しないサポート体制へと転換することが求められます。 そういった流れの中では、最初からカスタマーサポートを構成するすべての要素において高いクオリティを求めるのではなく、重要度の高い順にひとつひとつクオリティを高めていくことが大切といえるでしょう。 どうしてもすべての要素を高めたくなるでしょうが、その結果すべてが中途半端なレベルのカスタマーサポートとなってしまっては意味がありません。

顧客が最も重要視している要素だけに集中して、サポートの質を全社的に高めてみてはいかがでしょうか。