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素晴らしいカスタマーサービスを提供するためのひとつのアイデア

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どんな企業も顧客に素晴らしい体験を与えたいと考えていることでしょう。本記事では、素晴らしい顧客体験を創造するためのひとつのアイデアをご紹介します。

素晴らしいカスタマーサービスを実現する2つの方法

素晴らしいカスタマーサービスを実現するための方法は、2つあります。

ひとつは、顧客の期待に沿ってサービスを提供する方法です。これは、企業が顧客に順応していく方法といえ、現在も多くの企業が試行錯誤しながら実践している方法です。

もうひとつは、顧客の期待を自社に有利なように変えていく方法です。これは、顧客を自社に順応させる方法といえ、自社が高いレベルで提供できるカスタマーサービスを顧客が望むように顧客のニーズを変化させていく方法です。

すでに業界が成熟しており、その業界に属する企業が高いレベルのカスタマーサービスを顧客に提供している場合、スタートアップのような新興企業は前者の方法で勝負しようとしても勝ち目はないでしょう。 なぜなら、競合企業が長期間かけて作り上げた高品質なカスタマーサービスを新興企業が一朝一夕で真似できるわけもないからです。資本力の違いなどから、差は開くばかりでしょう。

つまり、成熟した業界に新規参入して、素晴らしいカスタマーサービスを提供したいと考えるのであれば、同じ土俵で勝負してはいけないのです。 もし、スタートアップのような新興企業が素晴らしいカスタマーサービスを顧客に提供しようと考えるのであれば、これまでその業界のカスタマーサービスで重要視されてきたポイントとは違うポイントで勝負することも考えなくてはなりません。

顧客のニーズを変えたIKEA

顧客のカスタマーサービスに対する優先順位やニーズを自社に有利なように変えた事例として、IKEAの事例をご紹介したいと思います。

今となっては世界最大の家具小売店にまで成長したIKEAですが、家具市場に参入した当時のIKEAのサービスレベルはどれをとっても最低レベルだったそうです。家具の耐久性や設置の簡単さ、店員の丁寧な説明においても、顧客のニーズを満たすサービスは提供できていませんでした。なぜなら、IKEAは組み立て式の家具を安価で売るモデルだったからです。当時、顧客が重要視していたポイントは無視して、サービスを提供したのです。

しかし、現在の飛躍ぶりを見ればわかるように、IKEAは顧客の支持を得るようになります。それは、家具を買うという顧客体験そのものを変化させ、家具は一生ものではないという考え方を世間に提示したからです。店舗に託児所や質の高いレストランを設け、家具を買うという体験を一種の娯楽イベントへと昇華させていったのです。そのため、店員の丁寧な説明がなくても、顧客自らがまるで冒険するかのように店内をカートを押して進み、家具を選んでいくのです。

あえて業界のカスタマーサービスで重要だと考えられてきたポイントを無視して、自社が自信を持つカスタマーサービスを顧客が望むように仕向けていった事例です。

カスタマーサービスに顧客が期待しているポイントを整理する

競合他社のカスタマーサービスを模倣することだけに一生懸命になってはいけません。改めて顧客が期待しているポイントを整理することが重要です。特に、スタートアップのような企業が従来の価値観に合わせたカスタマーサービスを提供しても、抜きん出ることは困難でしょう。 顧客が期待しているポイントを整理することで、自社だから提供出来るカスタマーサービスは何かということを考えるきっかけが得られるはずです。 そして、幸運にも自社ならではの強みとなるカスタマーサービスは何かがわかったら、信念を持って、そのサービスを提供していきましょう。

まとめ

素晴らしいカスタマーサービスを実現する上では、これまで重要視されてきたポイントを自社に有利なようにその重要性を引き下げ、逆にこれまで軽く見られてきたポイントの重要性を高めることも有効な方法だといえます。 これまでの基準で“素晴らしいカスタマーサービスとは何か”を考えない姿勢が時には重要なのかもしれません。

顧客が自社独自のカスタマーサービスを望むように、今日から出来ることはないかを考えてみるのもいいでしょう。