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長期的なコストを下げるために、まずはサポートの質を向上させる。

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カスタマーサポートには人件費をはじめとした多くのコストがかかるため、少しでも安く抑えたいと考えるのが一般的でしょう。本記事では、そういった考えがある中でもコストをかけてサポートの品質向上に取り組むことでどういった効果が得られるのかについての考察を書きました。

理想は問い合わせがないこと

自社で何かしらの製品やウェブサービスをリリースした後、一切顧客からの問い合わせがないということはありえるのでしょうか。仮に、そういった場合があるとしたら、誰が使っても完璧に使い方を理解できるほどの完全無欠な製品/サービスであるか、はたまた誰からも一切認知されていない製品/サービスであるかのどちらかでしょう。

多くの場合は、機能に関する質問や利用方法などについて日々様々な質問が寄せられ、それらにサポート担当者が懸命に対応することになります。 顧客からの問い合わせがくることは、ビジネスを行う上では当然のことといえます。

しかし、だからといって顧客からの問い合わせが多い状態を良しとしてはいけません。なぜなら、そういった状態を良しとしてしまえば、それに対応するために人材を多く雇用しなければならず、恒常的にコストがかかります。これでは、顧客増加に伴ってサポートコストがかさんでいくだけでなく、現場スタッフも日々の顧客対応に追われ、疲弊していくばかりです。

そのため、顧客からの問い合わせがこない完全無欠な製品を作ることは非常に困難ですが、出来るだけそれに近い状態(問い合わせ0)を作れるように努力する必要があります。

では、そういった状態を作るためにはどうしたらいいのでしょうか。

まずコストをかけて、サポートの質を向上させる

最初にコストをかけてサポートの品質向上に取り組むことができてこそ、長期的なサポートコストの削減に成功できるのだと私は考えています。出し渋っていては、いつまで経っても顧客からの問い合わせ数は減らず、だらだらとコストがかかり続けるだけです。

どういうことかというと、最初にコストをかけてでもカスタマーサポートに取り組むことで、製品改善のための有益な情報が手に入りやすくなり、一層使いやすい製品に改良していくことが可能になるということです。結果として、顧客からの問い合わせの数も減り、顧客が増えたとしてもそれに伴ってサポートコストがどんどんかさんでいくといったことも起きにくくなるのではないでしょうか。

中途半端なサポート体制で顧客と向き合っているだけでは、より使いやすい製品開発にはつなげられず、サポートにかけるコストがいつまで経っても下がらないでしょう。

製品改善速度を高め、長期的なサポートコストを下げるために大切にしたいこと

1.コールセンターなどにサポート業務をアウトソーシングしない

コールセンター業務などを外部に委託した場合、委託先のスタッフはあらかじめ用意された台本に沿って、顧客対応することとなります。これでは表面的な顧客対応しか実現できず、製品を利用する上でどこでつまづいているのかなどの情報を得ることは困難です。また、委託先スタッフというフィルターを通して、どういった声が顧客から上がっているのかを聞くため、情報に委託先スタッフの主観が混ざってしまうリスクも考えられます。これでは、いつまで経っても本当に使いやすい、わかりやすい製品の開発はできないでしょう。やはり、コールセンター業務をはじめとしたサポート業務は内製化し、自社スタッフが積極的に顧客と向き合うようにしたほうがいいでしょう。

2.製品開発担当者がサポートを行う

自社スタッフの中でも、誰がサポート業務を行うべきか考えてみましょう。それは間違いなく製品についてあまりよく知らないスタッフではなく、よく知っているスタッフ、つまり製品開発者でしょう。その製品について社内の誰よりも知っているスタッフが顧客対応することで課題の解決スピードも向上するでしょうし、何より今後の使いやすい製品の開発にもつながりやすくなります。

まとめ

最初にコストがかかったとしても、カスタマーサポートの質を向上させ、より使いやすい製品の開発を早期に実現できれば、長期的にかかるサポートコストは減っていくでしょう。そのためにも、サポート業務はアウトソーシングせず、誰よりもその製品のことを知っているスタッフが積極的に行うべきでしょう。顧客の声を製品開発に生かしやすい体制でサポートを行えない限り、いつまで経ってもわかりやすい製品を開発することはできず、半永久的に莫大なコストをサポートに費やすこととなります。

長期的なサポートコストを下げるためにも、現在のサポート体制を見直し、素早い製品改善を実現できるようなサポート体制にしてみてはいかがでしょうか。