サポートツールとして多くの企業で利用されている、ZendeskとIntercom。 どちらも世界中の企業で使われ、サポート担当者であれば一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかしサポートツールといっても、2つのサービスでは用途や導入したいサービスによってサポート側の体制は大きく変わります。
Zendeskはお問い合わせ(受け)の効率化
こちらの記事でもご紹介しましたが、Zendeskの優れている部分はお問い合わせの超効率化です。 Outlookをはじめとした、多くのメーラーは“相手先”ごとにフォルダを分けて管理する仕組みになっています。 しかしながら、Zendeskは“ステータスごと”にメールを管理しているため、対応しないといけないお問い合わせをひと目で把握することができます。
さらにFAQサイトを簡単に構築できたり、
マクロという返信のテンプレートを作ることによって 膨大な数のお問い合わせを少人数でこなしていくことができます。
そして、チケット+マクロ+FAQサイトが相互に関わりあい、(例えばよくある同様の質問は、FAQサイトに追加したり、マクロにテンプレートを用意する。) 正のサイクルでお問い合わせを超効率化していくことができるのです。
Intercomは攻めのサポート
Zendesk はお問い合わせを効率化していくことができるのに対し、Intercom は攻めのサポートツールです。
チャットサポートとして様々なサービスに導入され、Webサービスなどで右下に吹き出しを見たことのある方も多いかと思います。
画面の端にある、吹き出しをクリックするとページの右側にチャットルームのようなものが現れ、製品に関する質問をすれば担当者がすぐに返信してくれます。(担当者がオンラインの場合)
Intercom は、管理画面から相手がどんな状況のユーザーかをセグメントすることができます。 例えば、訪問するのが3回目で、お得意さまのタグのついたユーザーだといったことが分かります。
さらに条件を満たせば、クーポンを発行するなどのマーケティングや、ABテストを行うことも可能です。 サポートといっても、顧客と会うことなく、コンバージョンを目指すことのできる攻めのサポートツールが Intercom です。
基本となるのはチャット部分であり、返信速度という部分に関してはリアルタイムな返答を求められるので、常にスタッフを待機させておく必要があります。 返信が遅くなってしまって、ユーザーをイライラさせることがないような体制づくりが求められます。
まとめ
Zendesk がお問い合わせを効率的に対応するのに対し、Intercom は攻めのサポートということで、どちらも素晴らしいサポートツールであることには間違いありません。毎日のように大量のメール問い合わせが来るような場合には、Zendesk の導入が良いかと思います。サービスなどをローンチした際に、こちらからメッセージを送るなどコンバージョンにもつなげたいような状況では、Intercom で積極的にユーザーとコミュニケーションをとりにいくべきです。 その他にも Freshdesk や Helpscout といったサポートツールもあり、自分達の状況とどういうコミュニケーションの取り方が良いのかを整理してから、導入を考えていくのが良いでしょう。
2017年8月加筆
Zendesk とIntercom どちらも他サービス買収や、機能開発などによって、それぞれになかった機能を補完し、どちらもカスタマーサポートの総合的なプラットフォームとして変化しつつあります。Zendesk はチャットツールの Zopim を買収し、チャット機能を提供していますし、Intercom もヘルプセンターを構築できる機能も提供し始めました。
とはいえ、チケットシステムや洗練されたUI、それぞれの強みは継承されており、各サービスのLPやトライアルの中で自分達に合うサービスを探していくのが良いのではないでしょうか。