デンマーク発の Zendesk は世界140カ国以上、10万社以上で利用されているカスタマーソフトウェアです。日本でもここ最近CS業界を中心に、スタートアップから大手企業まで規模を問わず導入されています。
Zendesk の特長は、メールをチケットという概念で管理することで、お問い合わせ対応を超効率化できることです。また、Zendesk は、メール以外にも2014年に Zopim というチャットサービスを買収することで、チャット機能の拡充を図っています。現在では、総合的なカスタマーサポートツールになっていると言えるでしょう。
記事執筆時点では大きく分けて7つのサービスを展開しています。本記事では、簡単にすべてのサービス概要をご紹介します。
①Zendesk Support
メール対応を効率化
最初にご紹介するのは、基幹サービスであるZendesk Support。一般的に Zendesk と言うと、このZendesk Support のことを指します。こちらの記事でもご紹介しましたが、Zendesk Support はお問い合わせのメールをチケットという概念に置き換え、顧客からの問い合わせを「オープン」「保留中」「解決済」といったステータスで管理することができます。これにより、どのチケットに今対応しないといけないのかが明確にわかるようになっています。
メッセージのテンプレート機能や、その他の機能も組み合わせることで、大量のメールを漏れることなく効率的に捌いていくことができるサービスです。
②Zendesk Guide
ヘルプセンターやオンラインコミュニティで顧客の疑問を自己解決
続いては、Zendesk Guideというサービスです。Guideの中にもヘルプセンター(FAQサイト)、オンラインコミュニティ、カスタマーポータルの大きく3つの機能があります。
ヘルプセンター(FAQサイト)
ヘルプセンターは、多くのサイトで見かけるFAQサイトを簡単に構築できるサービスです。ブログを投稿するような流れで、随時コンテンツを追加していき、顧客が自身の疑問を自己解決できるよう後押しします。モバイルにも対応しており、デザインのテンプレートも複数用意されているので、 誰でも自社ブランドに合ったFAQサイトを簡単に立ち上げられます。
オンラインコミュニティ
顧客同士で質問や対話をすることができるサービスです。オンラインコミュニティでは同じサービスを使用しているユーザーが質問を投げ、ユーザー同士で解決や意見交換をしていくことができます。もちろん、サービス提供側の人間がユーザーのサポートをすることもできますし、コミュニティマネージャーを指定して、議論が脱線しないようにする機能も兼ね備えています。
カスタマーポータル
オンラインコミュニティに続いて、カスタマーポータルもユーザーが直接操作できるサービスです。ヘビーユーザーであればあるほど、普段使っているサービスの運営者に質問をしたり、サービスのオンラインコミュニティで質問を投げかけるなど、様々なリクエストを送る機会があるでしょう。そんな時に顧客がカスタマーポータルを使えば、オンラインコミュニティでの質問は現在どんな状況になっているのか、過去にどんな質問をしてきたかといった履歴を一元管理することができます。
③Zendesk Chat
チャットでリアルタイムのサポート
Zendesk Chat は名前の通り、チャットのサービスです。
あなたの提供しているウェブサービスに、チャットウィジェットを埋め込めば、訪問者とリアルタイムでチャットをすることができます。条件を設定すれば、サイト上で迷っていると思われる顧客にだけ自動でメッセージを送ることも可能です。
④Zendesk Talk
マルチチャネル対応をZendesk上で実現
4つ目は、Zendesk のコール機能、Zendesk Talk。Zendesk Support 上で電話を受発信することができるようになります。通話の内容もチケットとして書き出されるため、電話も含めたマルチチャネルの対応を Zendesk で実現します。通話録音といった機能も利用可能です。
⑤Zendesk Explore
カスタマーエクスペリエンス全体を測定し理解する
こちらは記事執筆時点(2017年11月)で、早期アクセスプログラム募集中の分析ツールです。
顧客との関係性重視が叫ばれる昨今、Zendesk では様々なサービスを提供しています。Zendesk Explore は、Zendeskの各サービスのデータをまとめ、レポートを作成することが可能です。その他、Salesforceと連携させることで売上や収益にどの程度サポートチームが貢献しているかを測定する機能やGoogleアナリティクスと連携させてサービスを最適化する機能などが提供される予定です。
⑥Zendesk Connect +Outbound
顧客ごとに最適なコミュニケーションを
Zendesk Connect
Zendesk Connect は、顧客データを収集し、顧客と効果的にコミュニケーションができるようセグメント化します。例えばキャンペーンを実施した際に、どのような顧客が反応したかなどのデータを蓄積していくことで、キャンペーン内容を改善していくことができます。
顧客と適切なコミュニケーションをとることで、良好な関係を維持したり、問題化する前に注意喚起するなど、プロアクティブなサポートを実現します。
Outbound
Outbound は、新しくZendeskファミリーに加わったサービスで、キャンペーンメッセージを顧客の状況や行動に合わせてピンポイントで送ります。顧客がサインアップ、購入したタイミングでメール送信することができる、イベント駆動のメッセージングサービスです。
⑦Inbox
チームで共有するメールBOX
Inbox はメンバー間でメールを共有し、チームでメールを処理するためのメールツールです。配信されたメールに関係のあるメンバーが、顧客や取引先にどのようなメールを送るかをディスカッションすることができます。2017年11月時点ではβ版のため、全ての機能を無料で利用することが可能です。
まとめ
全7サービスを簡単にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ここまで多くのサービスを提供している Zendesk の価値はもはやサポートの効率化に留まりません。
日本語サイトのTopページに「Zendeskは、 顧客との関係を改善するソフトウェア を開発しています。」とあるように、顧客とのコミュニケーションに関わる多くのツールを提供するプラットフォームとなっています。
日本でも最近ZendeskのユーザーコミュニティのZenlabが立ち上がり、盛り上がりをみせています。Zendeskに興味のある方は、イベントも定期的に開かれるようですので、足を運んでみてはいかがでしょうか。