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人手不足・採用難時代のコールセンター運営|乗り切るためのポイントを解説

2024年現在、コールセンターの現場では、人手不足が再び深刻になっています。いくら求人を出しても人が集まらず、頭を悩ませている管理者の方も多いはずです。

そこで本記事では、近年の採用市場の傾向やコールセンターの人手不足・採用難を乗り切るポイントについて解説します。

 

2020年からのコロナ禍を経て変化した「働き方」を柔軟に取り入れながら、求職者はもちろん、現職のオペレーターたちにも「長く働きたい」と思われるコールセンターを目指しましょう。

近年の採用市場

厚生労働省の発表によると、2023年平均の有効求人倍率は1.31倍で、前年に比べて0.03ポイント上昇しています。(有効求人は前年に比べ0.9%増、有効求職者は1.4%減)

<有効求人倍率とは>
求職者1人に対し何件の求人があるかを示す数値。
ハローワークに登録されている有効求人数÷有効求人登録者数で算出される。

有効求人倍率が「1」を上回る場合、求職者に対して求人数が1件以上あるということなので、企業は採用が難しくなります。つまり2023年は、企業の求人数に対して求職者が不足している「売り手市場」でした。

一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について | 厚生労働省|厚生労働省

同じく2023年の有効求人倍率の推移を、コールセンター集積地に注目してみると以下のとおりです。

<コールセンター集積地の有効求人倍率>

コールセンタージャパン・ドットコム | 2024年3月号 <DATA FILE/今月の就業データ>

コールセンターでは人手不足が慢性的な問題になっていましたが、コロナ禍の2020年に飲食業や旅行業など他業種から人材の流入が増加。一時的に採用難が緩和されました

しかし、2022年後半から元の業界に人が戻り始め、再び有効求人倍率が上昇。
2023年も各エリアで1を上回る有効求人倍率を保ち、人手不足や採用難が、コールセンターの深刻な課題になっています。

コールセンターにおける人手不足が及ぼすデメリット

では、コールセンターで人手不足が続くとどのような問題が起きるのでしょうか。
主なデメリットは以下の5点です。

コールセンターにおける人手不足のデメリット
  • 待ち時間の増加
  • 応対品質の低下
  • 企業イメージの低下
  • 労働環境の悪化
  • 離職者の増加

待ち時間の増加

人手不足によって顧客への対応が遅延し、電話をはじめ各チャネルで待ち時間が増加します。
J.D. パワー ジャパンの調査によると、電話も有人チャットも、顧客満足度が大きく低下する待ち時間のラインは「3分」。人手不足により3分以上待たせてしまうと、不満や不信感を抱かせてしまい、顧客離れにつながる危険性があります。

応対品質の低下

人手不足だと問い合わせへの対応に追われ、経験の浅いスタッフの育成に十分な時間を確保できません。その結果、顧客が求めるサポートや情報を提供できず、サービス品質が低下する恐れがあります。
また、オペレーターの一次解決率が低下したり、不適切な応対でクレームが多発したりすると、1件の問い合わせに要する時間が長くなり待ち時間も増加。悪循環に陥ってしまいます。

ブランドイメージの低下

コールセンターにつながらない状態や応対品質が低い状況が続くと、企業のブランドイメージの低下につながります。
競合他社の製品やサービスに乗り換える顧客も出てくるため、早急に手を打つ必要があります。

労働環境の悪化

人手が足りない状態だとスタッフ一人あたりの業務量が増え、長時間労働や休憩・休暇の不足といった労働環境の悪化につながります。また、常に待ち呼が溜まっている状態で忙しなく応対を続けるのも、オペレーターにとって大きなストレスです。

厳しい労働環境に身を置き続けると、肉体的・精神的な疲労が蓄積され、健康や家庭生活に悪影響を与える可能性があります。

離職者の増加

過重労働や過度なストレスが続くと、離職者が増加します。
先述の通り、近年の日本は社会全体的に人手不足のため、採用は「売り手市場」。特に若者は転職もしやすいため、離職しやすい傾向にあります。

コールセンターの人手不足・採用難を乗り切るポイント

コールセンターが人手不足・採用難の時代を乗り切るポイントは、以下の3点です。

コールセンターの人手不足・採用難を乗り切る3つのポイント
  • 採用戦略の見直し
  • 早期離職の予防
  • 業務効率化

採用戦略の見直し

採用では「働き方」や「雇用条件」を見直し、採用の対象を拡大しましょう。

例えば、短時間勤務やリモートワーク、フレックスタイム制度を導入することで、育児や介護といった事情を抱える方も応募しやすくなります。時短勤務で採用されたオペレーターが、数年後にライフステージの変化に伴いフルタイムに転向する可能性もあるため、働き方の選択肢を増やすことは長い目でみて効果的です。

求職者が魅力を感じるの求人情報の出し方は、是非以下の記事を参考にしてみてください。

www.callconnect.jp

また、人事部と連携し、コールセンターを「社内における人材教育機関」と位置付けるのも有効です。
様々な問い合わせを受けるコールセンターは、顧客や自社の製品・サービスについて理解を深めるのに絶好の部署です。そうした認識が広まれば、優先的に新入社員を配属してもらえます。

このように、中長期的な視点から採用戦略を立てることが重要です。

早期離職の予防

早期離職を防ぐには、以下のようなポイントを押さえましょう。

  • 待遇(休暇・報酬・研修など)の見直し
  • 選考段階で、現場の具体的かつ現実的なイメージを伝える
  • 職場環境の改善
  • 働き方の選択肢(短時間勤務・リモートワーク・フレックスタイム制度など)を増やす
  • 定期的な面談やヒアリング

離職率が下がり、人材が定着すれば応対品質も向上し、採用にかかる費用も削減できます。定期的な面談やヒアリングを通してオペレーターの不満や希望を正しく理解し、長く働き続けたいと思える職場環境を整えましょう。

業務効率化

人手不足による待ち時間の増加や応対品質の低下を防ぐには、業務効率化も欠かせません。業務効率を上げるには、以下のような方法があります。

  • AIによる業務自動化
  • FAQによるナレッジの充実
  • アウトソーシングの活用
  • VOC活動の徹底

2022年11月に生成AIが登場して以来、業務効率化のためにAIを活用するコールセンターは増え続けています。
以下のような活用用途によりオペレーターの業務量を軽減する動きは、今後ますます強まっていくでしょう。

<生成AIの活用用途>
・FAQの自動生成
・チャットボットやボイスボットによる応対の自動化
・オペレーターと顧客の会話の要約
・メール対応文章の生成 など

オペレーターの負担を減らすために、一部の業務をアウトソーシング(外部委託)するのも効果的です。

同時に、VOC活動による自社製品やサービスの改善を徹底することで、問い合わせやクレームの発生件数を減らしましょう。

まとめ

人手不足に対する採用力の強化や離職防止は、コールセンターの応対品質に直結する大切なミッションです。採用市場は経済状況に大きく左右されるものの、職場環境の改善にポジティブに取り組み、その内容を発信している企業が優秀な人材を確保しやすい傾向にあります。

まずは、本記事でご紹介した施策の中で、「取り組みやすそう」と感じたものからチャレンジしてみてはいかがでしょうか?