コールセンターを長期的に運営し続けるためには、適切な人員配置やオペレーターの教育などを行い、日々生産性を高めていくことが重要です。本記事では、コールセンターが抱えがちな3つの無駄と、それを解消するための方法をご紹介します。
その1 人員配置の無駄を減らす
日によってコール数にバラツキがあるのに、オペレーターの配置が固定的になっていませんか? ピークオフの際、コール数に対してオペレーターが過剰であれば、電話待機の時間が長引き、人件費が膨らんでいきます。もちろん、ピークの際に、人員が足りない状態も好ましくありません。
ピーク・ピークオフに合わせて適切な人員配置をすることで、無駄なコストを抑えることができます。
そのためには、曜日別や時間別、年間を通してのピークオフ(ピーク)の傾向を導き出していく必要があります。
平日と土日でコール量は異なるのか、時間別で異なるのか、また、その裏にはどのような原因があるのかを明らかにしていきましょう。例えば、支払期日のタイミング、商品発送のタイミングなどのイベントを一覧にします。ピークオフ(ピーク)に影響を与えているものには、どんなものがあり、それらがどの程度影響しているのかを明らかにすることで、コール数の予測精度を高め、人員配置に活かしていきましょう。
その2 稼働の無駄を減らそう
コールセンターのオペレーターは、顧客との通話以外にも準備、片付け、資料作成、移動、報告といった業務を日々行っています。 オペレーターの1日の業務を観察すると、資料作成や報告など電話以外の業務に多くの時間を使っていることもあります。
オペレーターの業務をカテゴライズすることで、改善点を見つけましょう。例えば、日常的にコミュニケーションを取るオペレーターとスーパーバイザーの席が離れていて、物理的に会話しづらい。ナレッジの共有にITツールが活用されておらず、情報共有に余計な手間がかかっていることもあります。 日々の細かい無駄を潰し続けていくことで、コールセンターの生産性が向上します。
その3 スキルの無駄を減らす
メンバーのスキル向上やマネジメント方法の改善によって、無駄を減らしていくことができます。
改善の方法としては、コールの種類別に個人の応対時間や後処理時間のバラツキがないかをチェックします。
例えば、同じ問い合わせ内容に対して応対時間とモニタリングのスコアをそれぞれ、縦軸・横軸にプロットすると、多くのオペレーターの最頻値ラインがでてきます。大きく逸脱したオペレーターがいる場合は、通話の内容を見直し、知識などに問題があれば教育していくことで改善していけます。
プロットが大きくばらついてしまう場合は、コールフローやナレッジDBに不備があるなど、対応のための準備が不足していることが原因です。コール種別ごとに標準応対時間を設定していくようにしましょう。
まとめ
コールセンターの運営においては、適切な人員配置やそのための調査/分析、オペレーター一人ひとりの応対スキルの向上など、考慮すべき内容がたくさんあり、一筋縄ではいきません。
しかし、生産性向上を意識していかなければ、人件費も増え、顧客の期待にも応えられなくなってしまいます。
ぜひ本記事で触れた3つのポイントを意識し、一つ一つ改善していくことを心がけてみてください。
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