「商品の問い合わせ窓口として」「カスタマーサポートとして」などなんらかの目的を持って、立ち上げるコールセンター。 とはいえコールセンターの立ち上げを経験したことがない人がほとんどでしょう。
コールセンターを立ち上げるにはどうすればいいのか?どんなことに気を付ければいいのか?わからず困られているかもしれません。 今回はコールセンターの立ち上げを考えている方に向けて、主に必要な4つのタスクと気を付けるべき点を解説します。
コールセンターの立ち上げに必要なタスク
まずはコールセンターを立ち上げるにあたって、主に必要な4つのタスクについて解説します。
- KGIを含め目標・ゴールを明確にする
- 業務プロセスを設計する
- マネジメント方法を考える
- スタッフ採用・育成方針を設定する
タスク①KGIを含め目標・ゴールを明確にする
コールセンターを立ち上げる際には、「目標・ゴール」を明確にしておきましょう。
具体的にはKGI(Key Goal Indicator)、日本語でいうと重要目標達成指標の設定を行うようことをおすすめします。
つまり、コールセンターを置くことにより最終的にどのようなゴールにたどり着きたいのかを明確にする必要があるということです。
例えば、冒頭で述べたように商品の問い合わせ窓口としてなのか?カスタマーサポートとしてなのか?何のためのコールセンターなのかによって、その目標は大きく異なるはずです。
「顧客満足度の向上」や「売り上げの向上」など、企業としての運営方針を明確に定めましょう。
この方針は全スタッフレベルで浸透させる必要があります、なぜなら、明確なビジョンが共有されていないとコールセンターの運営方針がブレてしまうからです。
運営方針が二転三転、右往左往するようでは顧客満足度が下がるのはもちろん、振り回される従業員に不満が溜まり定着率の低下を引き起こすことも考えられます。
タスク②業務プロセスを設計する
コールセンターの方向性が定まったら、オペレーターの業務フローなど想定される様々な業務プロセスを洗い出しましょう。
例えばオペレーターの業務フローであれば、どのような担当の割り振りが必要なのか、1日のスケジュールはどうするのか、具体的に何人くらいスタッフが必要なのか、トラブル発生時にはどのように対処するのかなど、想定できるあらゆることを細かく検討する必要があります。
「既存のお客様からの入電の場合」「新規のお客様からの入電の場合」などパターンに分けて、それぞれどのように対処していくのか考えていくとわかりやすいでしょう。
また、コールセンターはお客様の声をいかに他部署へ届けるかというのも重要な役割です。営業や商品開発などへどのようにフィードバックするか、アウトプットの方法も考慮しなくてはなりません。
タスク③マネジメント方法を考える
業務プロセスを設計できたら、実際にどのように運用していくのかマネジメント方法を考えます。
例えばオペレーターの業務プロセスが適正になされているか、コールセンターの運営が順調かなど、どのような方法・体制でマネジメントするのが適切なのかを決めましょう。
この際にKPI(管理指標)を設定しておけば、順調か否かの判断基準となるためマネジメントしやすくなります。
例えば、1日何件の問い合わせ対応をするのか、1か月で何件の成約に繋げるのかなど具体的な数字を盛り込んだ目標設定をしておくと良いでしょう。
問題なくコールセンターの運営ができているか、軌道修正が必要なのか確認できるようにしておくと運営しやすくなります。
タスク④スタッフ採用・育成方針を設定する
コールセンターにおいて最も重要だと言っても過言ではない「人材」の採用・育成プランを明確にしましょう。 これには通常の業務フローに加え、トラブル時を想定したオペレーションも必要です。 オペレーターはマニュアルに沿って対応しますが、時にはイレギュラーな対応を迫られる場合もあります。 トラブル時でも慌てずキチンと対応ができるように、「対応に困った場合は管理者に報告する」など対応を明確に決めておきましょう。 そうすることでトラブルやミスの発生を防ぐことができます。
コールセンターを立ち上げる時の注意点
コールセンターを立ち上げる際に、覚えておくべき注意点がいくつかあります。自社の状態や予算などによっては、コールセンターを立ち上げずにアウトソーシングする方が適切な場合もあるため、注意点をしっかり覚えておきましょう。
注意点①人材確保・人材教育が難しい
お客様と直接関わるオペレーターによって、コールセンターの品質は大きく左右されます。そのため人材の確保・教育は重要で難しい要素です。
この人材には電話対応を行うオペレーターに限らず、人材教育・管理を担うマネージャーなども含まれます。
コールセンターのノウハウがなくては、こうした人材の確保や教育、マニュアル化は難しい問題です。
例えば、宿泊施設の予約用のコールセンターを設置するとします。予約内容を聞いて、名前・住所・電話番号・予約日など必要な情報を正確に聞き取る力が必要と思われるかもしれません。
しかし、それだけでは不十分です。
- まだ予約を決断していないが、詳細を聞きたい人に施設の魅力を伝えて決断を促す
- 予約がいっぱいだった場合に空きがある別施設を案内する
このように成約のチャンスを逃さず捉えることも、コールセンターには必要となります。
ただお客様からの「情報を聞くだけの人材」と、「情報を聞いたうえで更なる売上に繋げる人材」では、後者の人材の方が明らかに企業の売上やイメージ向上に繋がります。
そのためオペレーターの教育は単なる受け答えだけではなく、どのような意識で応対するかといった「意識面」や、お客様を納得させる説明ができる「商品知識」といった要素も非常に重要です。
オペレーターには、「相手に合ったコミュニケーションがとれるか」「受け答えに問題がないか」といった素養に加え、企業の目的を達成するための教育も必要不可欠です。
このようにコールセンターは人材確保・人材教育の両面で難しさを抱えていることを覚えておきましょう。
注意点②立ち上げ・運営にコストがかかる
コールセンターの立ち上げを行うと、当然ながら様々な面でコストが発生します。
例えば、コールセンター事務局を設ける費用、パソコンや電話の設備費用、人材・教育費用、光熱費や通信費、お客様情報を扱うためセキュリティ対策の費用も必要となります。
立ち上げ時にこうした費用がかかるのはもちろんですが、人件費や光熱費、家賃などのランニングコストがかかるというのも重要な点です。
社内対応でコールセンターを24時間365日運営するには、コストが大きくなりやすく経営的に体力が必要不可欠です。
社内で行うのか、アウトソーシングに任せるのか費用面で負担が小さい選択肢を模索しましょう。
注意点③品質の維持が難しい
コールセンターはオペレーターごとに差が出やすく、品質の維持が難しいという面があります。
マニュアルを徹底するのはもちろんですが、教育資料にできるよう通話時間や通話内容などをデータとして蓄える施策も検討しましょう。
また、ミステリーコールで適度に緊張を与えたり、明確な目標を提示することでやる気を促したりと、オペレーター全体の質を均一に高める必要があります。
しかし、ただ緊張を与えるだけではストレスが溜まる一方なので、長期的に働いてもらえるような環境づくりも同時に行いましょう。
例えば、人事制度の明瞭化、キャリアパスの設定などが挙げられます。
加えて、商品やサービスにもよりますが繁忙期と閑散期で対応に差が出ないようにすることも大切です。
繁忙期にはお客様を待たせすることが多くなり顧客満足度の低下に、逆に閑散期は稼働率が低下して無駄が増えてしまうでしょう。
こうした時期による差を予測して人材やシステム設備を増減するのは難しく、コールセンターの品質維持の難しさは想定しておくべき課題です。
コールセンターの立ち上げをノウハウなしで行うのは難しい
コールセンターを立ち上げるには様々なタスクがあり、さらには注意点として挙げたように考慮するべきポイントもいくつかあります。
例えば人材育成や品質の維持といった問題は、一朝一夕でクリアできる問題ではありません。
なんのノウハウもない状態からでは、順調にスタートを切ることは難しいでしょう。
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