「サポート担当者のモチベーション維持が難しい」という課題を抱えるマネージャーやSV(スーパーバイザー)も多いのではないでしょうか?本記事では、サポート担当者のモチベーションを高める方法について考察します。
サポート担当者に求められること
日々、電話やメールなどで顧客対応を行うサポート担当者。顧客の課題を迅速に解決するだけでなく、会社やサービスへの安心感や信頼感を高める役割も担っています。より良いオペレーションを行うためには、「課題を解決するための適切なスキル」と「目標達成に向けたモチベーション」を持ち合わせている必要があります。
・適切なスキル
一般常識やPCの操作スキル、ITリテラシー、コミュニケーション能力、自社サービスへの深い知識など、サポート担当者は様々なスキルを身につけなければなりません。マネージャー層は、現場で求められるこれらのスキルを明確に定義し、座学やロープレを通して現場教育していく必要があります。
・モチベーション
サポート部門が掲げる目標を達成できるかどうかは、現場のサポート担当者たちがその目標を理解し、それに向けて努力する意思を持っっているかどうかにも左右されます。また、適切なスキルを持っているサポート担当者でも、目標を達成するモチベーションがなければ、思うような成果が出ないでしょう、適切なスキルとモチベーションはセットで必要です。
では、マネージャー層は現場担当者のモチベーションをどう高めていけばいいのでしょうか?
モチベーションを高めるには
今回は、外発的動機付けと内発的動機付けについてご紹介します。
外発的動機付けとは、行動の要因を評価や賞罰などの外部からの刺激で作りだす考え方です。 内発的動機付けとは、行動の要因をその人の興味や関心、意欲によって作る考え方です。
例えば、コールセンターでは、応対件数やアポ獲得件数に応じてインセンティブを払うという取り組みをよく実施しています。これは、外発的動機付けの代表的な例と言えるでしょう。もちろん、このような外発的動機付けによって目標達成に向けたモチベーションが高まることもあります。しかし、その効果は一時的だということを理解しておく必要があります。
そのため、モチベーションを長期的に維持するには、外発的動機付けだけに頼らず、その人の内側から湧き上がる興味や意欲に根ざした内発的動機付けを行う必要があります。 マネージャー層は、スキル教育の過程や日々の業務の中で、サポート担当者たちが以下の3つの要素を感じられるように工夫するといいでしょう。
・有能性
「自分はできる」と感じてもらうことが重要です。トレーニングの内容や日々直面する問題の難易度が高く、達成が困難である場合、サポート担当者は自身の有能性を感じることが難しくなってしまいます。結果として、自信が持てず、モチベーションが低下してしまいます。クリアできるかできないかというギリギリのラインで目標を設定することが重要です。
・自律性
「自分で決めている」と感じてもらうことが重要です。言われたことをただやるだけではモチベーションは低下する一方です。業務の習熟度に応じて権限を委譲し、自律性を持たせるといいでしょう。
・関係性
「自分は理解されている」と感じてもらうことが重要です。マネージャー層は現場の担当者に対して無関心ではいけません。仕事に関する悩みを聞く、習熟度に応じて権限を与えるなど、部下の仕事ぶりを理解するように心がけ、「理解している」ということを行動で示す必要があります。
まとめ
現場のサポート担当者のモチベーションが上がらないのは、サポート担当者自身の問題というより、会社としての教育カリキュラムや仕事環境に問題があるからかもしれません。
サポート担当者が内発的動機付けをしやすい教育プログラム、仕事環境になっていますか? マネージャー層は、現場の仕事を理解し、現場の自律性を尊重していますか?
顧客にどのようなサポートを提供するかによって、顧客満足度や企業に対するイメージは左右されます。マネージャー層はスタッフ教育はもちろん、日々の仕事環境を改善する責任を負っています。そこに積極的に投資することができれば、従業員満足度だけでなく、顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。