はじめまして。株式会社ODKソリューションズの河内と申します。私は、同社でカスタマーサポートツールの Zendesk 導入を支援する部署にいます。
いろいろなお客様と接点を持つ中で、多くの課題をご相談いただきますが、今回はその中でも特に多い「カスタマーサポートの業務効率化」をテーマに、サポートタイムズさまに寄稿させていただくことになりました。
「カスタマーサポート部門の業務効率化が進まない!」とお悩みの方にとって、いいヒントを提示できると思っています。どうぞ、最後まで目を通してみてください。
カスタマーサポートの業務効率化とは何を指すのか?
カスタマーサポートの業務効率化を端的に表現すると、「問い合わせ数の削減」です。問い合わせ数が多いと、スタッフの負担は多くなりストレスを感じさせてしまうことになってしまいます。また、多忙を極めると、顧客対応が雑になってしまうことも考えられます。これでは、カスタマーサポート業務の効率化とは程遠い、といわざるを得ないでしょう。
購入前・購入直後は顧客にとって「疑問」が多いタイミング。さらにいえば、その質問内容はほとんど同じようなものでしょう。顧客の寄せる「同じ問い合わせへの対応」の積み重ねが、業務効率を悪化させる原因ということも珍しくはないのです。
皆様の会社では、次のような、通常業務を中断させられる問い合わせに困っていませんか?
- 購入(導入)したいけれど、具体的な使い方がイメージできない、費用がわからない
- 購入(導入)したけれど、うまく使いこなせない
購入前・購入直後の顧客の問い合わせは、購入(導入)してもらえるか、利用し続けてもらえるかを決める重要な段階です。顧客からの問い合わせには、しっかりと対応しなければなりませんよね?しかし、すべての質問に一つひとつ対応していては、本来の業務に支障をきたしてしまうでしょう。
通常の業務への影響を最小限に留める仕組みがあれば、カスタマーサポートの業務効率化につながります。よくある質問はある程度定型化していますので、それに対する回答を即座に提示する仕組みがあれば、同時に顧客満足度も高くなります。
カスタマーサポートの業務効率化が進まない理由
カスタマーサポート部門では、なかなか業務効率化を進めることが難しいといわれます。それは、「仕事の属人化」が原因です。
- 以前問い合わせた人がこれまでの経緯を知ってくれているので、また同じ人に問い合わせをしたい
- 営業担当者なら、我が社の状況を知っていてくれるはず
顧客(見込み客)側では、このような心理が働いています。これは、当然のことでしょう
しかし、仕事と担当者がいつまでも結びついたままなら、業務効率化は目指せません。また、担当していた人材が退職してしまったとき、「ほかのスタッフがその顧客(見込み客)の情報を全く持っていない」という問題を引き起こしてしまうこともあるでしょう。
業務効率化を目指すためには、仕事の属人化の解消に重点を置かなければなりません。
カスタマーサポート部門の属人化を解消する方法
仕事の属人化を解消するためには、仕事の見直しと改善が重要です。顧客の問い合わせに対応する誰もが同じ情報を持ち、同じ回答ができるなら、カスタマーサポート業務は、「担当者ひとりのもの」ではなくなります。
仕事の属人化を解消するには、
- 仕事を見える化する
- 個々のタスクを仕組み化する
- 運用してみる
- 運用結果を分析、改善する
というステップを踏むとベストです。順を追って説明します。
仕事を見える化する
スタッフの仕事をタスク一つひとつにまで分解しましょう。どうしても特定のだれかにしか任せられないもの以外、タスクからフロー図を作りましょう。これが仕事の属人化解消の第一歩です。
個々のタスクを仕組み化する
フロー図ができたら、マニュアルを作成してください。次のステップの運用レベルに耐えられるだけの精度になるよう、何度も見直してください。
運用してみる
作成したマニュアルに沿って、運用をはじめてみてください。いきなり全社的に行うのでなく、テスト的に少人数から、期間を決めてはじめましょう。そうすれば、仮に問題が起きても大きくならずに済みますし、トラブルに対しての振り返りもスムーズに行えます。
運用結果を分析、改善する
少数のスタッフで仕事の標準化(属人化の解消)を進めた結果、何かの問題が生じれば、マニュアルの見直しをしましょう。このタイミングでの問題分析と改善はとても重要です。
テスト期間中に起きた問題は、社内の問題なのか、外部の問題なのかを切り分けてください。社内の問題なら、何がボトルネックになっていたのかを明らかにし、その問題を解決する方法を探し出しましょう。そして、マニュアルを書き換えてください。
上記の一連の流れを繰り返しながら、仕組みを確定して、対応する人数を増やしていきましょう。
システムを活用すれば、より効率的に
属人化を解消するツールにはいろいろとあります。例えば、「FAQシステム」「コールセンター向けCRM」などです。FAQシステムは顧客自ら疑問を解決するのを助けます。それによって、問い合わせ数の削減が期待できます。
一方、コールセンター向けCRMは通話中の顧客の情報が閲覧できます。だれがいつどのような対応をしたか履歴を追うことができれば、顧客対応の属人化が解消されます。
ちなみに、弊社では Zendesk というツールのソリューションプロバイダーとして導入支援をしています。 Zendesk には、いくつかの製品があり、それぞれできることは異なりますが、組み合わせ方によって次のようなことができます。
- 顧客情報の共有=電話がかかってきたとき、電話番号に紐づいたデータ(顧客情報)がパソコンに表示される
- 過去の対応内容の確認=これまでの問い合わせ内容や、だれがどのような対応をしたかが一覧できる
- チケット発行・ステータス確認=電話やメールなどの問い合わせ行為が発生したとき、「チケット」が発行され、「対応済み/対応前」など対応状況のステータスが理解できる
- ナレッジの共有=社内用/社外用(顧客向け)を問わず、「よくある質問(FAQ)」を簡単に作成できる
など。
Zendesk の商品は、組み合わせ方によって、貴社に最適な業務効率化の仕組みづくりが可能です。
コールセンター業務、チャット対応業務、メール対応業務…。カスタマーサポートといっても、今では顧客が問い合わせるチャネルは多種多様です。どのチャネルからの問い合わせへも、ばらつきのない回答をスピーディーに返すことができるようになれば、「カスタマーサポート業務の効率化成功」への足掛かりを得たも同然です。
まとめ
貴社のカスタマーサポート部門の業務効率化を進めるためのヒントは得られましたでしょうか?業務効率化のカギは、「属人化の解消」です。「自社のブログ」でも情報発信をしていますので、よろしければ覗いてみてください。
株式会社ODKソリューションズ 事業開発部 所属/カスタマーサポートシステムの Zendesk のソリューションプロバイダーとしてさまざまな企業のカスタマーサポート担当と向き合ってきた。自社ブログでも情報を発信し続けています。