カスタマーサポートの品質を高いレベルで維持しようと思っても、スタッフの能力などに応じて対応品質にムラができてしまいがちです。本記事では、対応品質にムラができてしまった際の対処法についてご紹介します。
なぜムラが生まれるのか?
スタッフの誰が対応しても、高品質なカスタマーサポートを顧客に提供できるようにしたいと多くの企業が考えることでしょう。しかし、現実的には企業としてムラのない顧客対応を実現するのはそう簡単なことではありません。
では、そもそもなぜこうした対応品質のムラは生まれてくるのでしょうか。 それはつまるところ、“スタッフの能力と業務内容にギャップがある”からでしょう。製品知識や対応スキルが未熟なスタッフにそれ以上の業務内容を任せてしまっているのです。当然、能力と業務内容にギャップがないスタッフの顧客対応に比べたら見劣りします。その結果、企業としてのカスタマーサポート品質にムラが生まれてしまうのです。
多くの企業においてカスタマーサポートの重要性は認識しているものの、CSスタッフのスキルアップ制度がしっかりと整備されている場合はまれでしょう。そのため、CSスタッフはいきなりスキル以上の顧客対応を求められるケースがあるのです。 これでは、顧客はその企業に問い合わせするたびにムラのある対応をされることになり、その企業に対して不信感を抱いてしまうかもしれません。 良い対応をされることもあれば、悪い対応をされることもあるということですから、「この企業はいつも素晴らしい対応をしてくれる」という安心感を醸成することは到底できません。
では、どうすればカスタマーサポート品質のムラを解消できるのでしょうか。
品質のムラをなくすために
以下にふたつのアイデアをご紹介します。
1. 経営者自らが現場体験
品質のムラが生まれる要因として、“スタッフの能力と業務内容のギャップ”をあげました。つまり、品質のムラを解消するためにはこうしたギャップを埋めていく必要があるということです。そのためには、業務内容をより簡潔にするか、スタッフのスキルを向上させるかの2択しかありません。 そこで、まずは決裁権を持った人間が「現場を知る」ことから始めてみるのはどうでしょうか。経営者をはじめとした広い視野を持った人間が、実際に1日、2日という時間を使って、サポート業務を体験してみるのです。すると、普段のカスタマーサポート業務がどれだけ複雑かを知ることができるかもしれません。また、スタッフのスキルアップにはどういった研修や制度が最適かを見極めることにもつながるでしょう。 日々のカスタマーサポート業務が簡潔化され、制度としてスタッフのスキルアップが可能になれば、自ずとスタッフの能力と業務内容のギャップは埋まっていくはずです。そのためにも、まずは現場を正しく把握するということが大切です。
2. 徹底的に話す
品質にムラが生まれる要因をもうひとつ上げるとすると、責任者がスタッフの能力に応じた最適な業務を割り振ることができていないということが考えられます。これは、正しくスタッフの能力や適性を見抜くことができていないから起きる問題だといえます。そこで、こうした事態を改善するためにも、責任者は現場スタッフと徹底的に話す時間をつくりましょう。頻度は、週一でも月一でもいいのですが、現在の業務内容がそのスタッフにとって最適かを定期的に見直す時間が必要です。能力と業務内容にギャップが生まれてしまえば、それは直接的に顧客への対応品質といった形で反映されてしまいます。もし、現場スタッフとコミュニケーションを取る機会が少ない場合は制度として定期的にスタッフと面談するようにしたほうがいいかもしれません。
おわりに
カスタマーサポートの品質が高いレベルで保つことができれば、顧客はその企業に安心感を感じることでしょう。いつ、だれが対応しても、素晴らしいカスタマーサポートを受けられるわけですから、何か困ったことがあったとしても大丈夫だと考えるはずです。こうしたイメージを顧客に持ってもらうことができれば、それは大きな競争優位性になるでしょう。 そういった企業としての強みを獲得するためにも、カスタマーサポートの品質にはムラがないに越したことはありません。部署の責任者たちがスタッフの能力を正しく把握し、それに応じた業務を適切に割り当てることができれば、スタッフは最高のパフォーマンスが発揮できるでしょう。そして、複雑だったサポート業務を簡素化したり、適切なタイミングでスキルアップの研修などを受講することができるようになれば、時間の経過とともに品質の高いカスタマーサポートを実現していけるでしょう。
ムラのない高品質なカスタマーサポート実現するためにも、まずは経営者自らが現場を知ることから始めてみてはいかがでしょうか?