カスタマーサポートをしていると、営業時間外のうち特に土日に問い合わせが来たりすることがよくあります。この問い合わせを来週に回すのか、その場で答えられるのかで成約率が変わる事象について考察します。
土日にお試しいただく方 = 前向きに導入検討中の方
貴重な休みを使ってわざわざ私たちのサービスを利用していただいている方というだけで、常に日頃の仕事や生活の改善を試みようとする意欲の高い方だということが容易に想定できます。特に BtoB サービスの場合は顕著です。土日の休みの日に仕事のツールを使っていただいているということは、平日にはなかなか改善を実行に移すことのできない忙しい方であったり決定権のある方である場合が多いです(あくまで個人的な実感値ですが)。
また、土日に返答があるかどうかを試されているということも考えられます。システムはいつ不具合が起きるか想定することは困難です。そんな時に土日でもしっかりとサポートの返信をしてくれる企業は、サービスに対して責任を持っている信頼できる企業であると考えられます。これは"ブラック企業"という訳ではなく、そうした突発な出来事に柔軟に対応できる働き方によるものです。休日の問い合わせとシステムのトラブルは"ある一瞬の出来事をいかに素早く対応できるか"という点で似ています。
土日に問い合わせをしてみて、5分以内に返答が来た場合に送った側はどう思うでしょうか。「すぐには返ってこないだろう」という想定を超えて、むしろ平日よりも返してくれるサポートに一種の感動を与えることだって可能です。そのような感動はサービスへの信頼に変わり、「すぐに使ってみよう」という決定をしていただきやすい環境を作ることができます。
土日サポートの環境づくり
まず、土日でも顧客の問い合わせやシステムのアラートをいつでも通知できる環境を用意する必要があります。ここで最も活躍するのは例えば Slack です。Slack にあらゆる問い合わせやアラート情報を集約することで、土日は Slack を受け取れるようスマホアプリやデスクトップをあらかじめ用意しておけば良いだけになります。Slack にいる誰かが気づけば対応できる環境こそ、土日のどんな状況でもすぐに返答できる環境を用意することができるのです。
また、それぞれのシステムやサービスに対する深い知識も必須です。せっかく気づいたのに誰かに確認をしなければ返答できないような体制は非常に惜しく勿体ないです。日頃から自社の製品についての深い理解を心掛けるとともに、チーム内での情報共有を徹底して行うようにしましょう。
こうしたちょっとの工夫でお客様に想定外の感動を与えることができるのです。土日サポートを手厚くすることをやらない手はありません。労働時間などのお話でできないような企業が多い中、柔軟に働ける環境を用意することが、製品を差別化することにつながるのです。