より良いカスタマーサービスを提供するためには対応スタッフのスキルアップなどが重要ですが、それと同じくらいお客様の問題をお客様自身が自己解決できるようにするための取り組みも重要です。本記事では、自己解決を促すために必要な体制構築についてのアイデアをご紹介します。
欲しい情報に迷わずたどり着けるようにする
問い合わせがまったくないサービスや製品を作るのは現実的には困難でしょう。サービスを受け取る側の理解度や置かれている状況が様々なため、必ず問い合わせは発生します。 だからこそ、顧客の疑問を解消し、製品への理解度や満足度を高めるカスタマーサポートは必要とされ、重要視されているのです。
しかし、問い合わせ数は少ないに越したことはありません。運営コストの問題もありますが、あまりに問い合わせ数が多い場合は製品やサービス自体がわかりにくいということと、お客様の欲しい情報がウェブサイトなどから得られていないということを表しているからです。
では、問い合わせの数を減らすためには何をすればよいのでしょうか?
まずは、製品やサービスをシンプルなものにし、直感的に理解、使えるようにしましょう。 そして、ここでもうひとつ重要なのが、「お客様自身で欲しい情報にたどり着けるようにすること」です。
お客様が自分で自分の課題を解決できれば、問い合わせをする必要はなくなります。お客様は自分が抱えている課題を早く解消したいのです。
そこで、お客様自身で課題を解決できるようにと、FAQを設ける企業も多いでしょう。これは素晴らしい取り組みです。 しかし、そのFAQにお客様が必要とする解答が載っていないケースも見受けられます。
それはなぜでしょうか?
単純に誰が更新するかという運用体制が決まっていないという場合もあれば、FAQを更新するスタッフと問い合わせを受けるサポートスタッフとの情報共有ができておらず、よくある問い合わせに対する解答をFAQページに掲載できていないという場合もあるでしょう。
これでは、顧客満足度を高めることはできません。
自己解決を促進する秘訣は、「社内の情報共有」
お客様の欲しい情報が載っているFAQを継続的に作成していくためには、「社内の情報共有」が欠かせません。 スタートアップなどの少人数で運営している事業者で、電話対応とFAQ更新を兼任で行っている場合であれば大きな問題にはなりません。
しかし、電話対応をするスタッフと、FAQなどを更新するスタッフが分かれている場合、両者間で情報共有がスムーズに行えなければ、あっという間にお客様の欲しい情報が載っていないFAQが完成します。
そうはならないためにも、両者間での情報共有は欠かせません。
スムーズな情報共有ができる仕組みを考えよう
例えば、コールセンターに寄せられるお客様の声を定期的にまとめて、FAQを更新するスタッフへ共有するのもいいでしょう。 しかし、これではまとめる手間もかかりますし、リアルタイム性がありません。
理想は、両者がリアルタイムに「今どういった問い合わせが来ているのか?」ということを知ることのできる体制を構築することです。
そのためには、電話で話した内容がFAQを更新するスタッフの日々利用している情報管理ツールに反映されたり、メールで寄せられた問い合わせとそれに対するサポートスタッフの解答をFAQを更新するスタッフも気軽に閲覧できるようにすることが必要だといえます。
そして、これらの取り組みを通して、お客様の自己解決を促すことができれば、これもまた立派なカスタマーサービスになるはずです。
社内での情報共有体制、一度見直してみるのもいいでしょう。