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Web会議システムによるサポートのメリットや注意点は?

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カスタマーサポートをしていると、「画面を見ながらサポートできれば便利なのに」「顧客の顔を見ながらサポートしたい」と思う場合も出てくるもの。一方で顧客は、あらかじめ専用のサポートシステムをインストールしてくれているとは限りません。

そのため、サポートは電話やメール、チャットというように、音声か文字でしかできないと思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、現在ではワンクリックで、さらにはWebカメラがない顧客に対しても、Web会議システムを使えます。これにより、画像や動画、音声を併用したサポートが可能です。本記事では、Web会議システムを使うメリットをテーマに取り上げ、操作の簡単さと活用するメリットを解説します。

Web会議システムを使ってサポートを行うメリット

カスタマーサポートを行う際に、Web会議システムを使うメリットは3点あります。それぞれのメリットを詳しく解説していきましょう。

「百聞は一見に如かず」を実証。言い間違い、聞き間違いによる誤操作や認識の相違を防げる

電話でサポートを行う際、大きな課題となる点は情報が「声」しかないこと。このため、以下の課題があります。

  • 状況の聞き取りや操作説明に時間を要する
  • 顧客の聞き間違いや認識の相違により、誤操作が起こりうる
  • オペレーターの言い間違いによる誤操作も起こりうる
  • トラブルがまだ継続しているのに、オペレーター側では解決したものと認識してしまう

上記のような状況になると、クレームへつながることもあります。

一方でWeb会議システムを導入すると、以下の効果が得られます。

  • トラブルの内容を画面で提示でき、顧客と認識を合わせられる
  • 復旧方法を画面で提示できる
  • 正常に戻ったことを確認できる画面を提示でき、顧客に安心感を提供できる

サポートに視覚情報が加わると同時に、顧客の状況にあわせて必要な情報をリアルタイムに提示できる点は大きなメリットです。顧客は見た通りに操作すればよいため、操作ミスも減ります。正常に戻ったかどうかも自らチェックできるため、安心感を抱きやすいでしょう。「百聞は一見に如かず」を実証できる点は、大きなメリットです。

スピーディーな解決が可能。サポートにかかる時間を削減できる

カスタマーサポートには、メールやチャットなども使われています。文字によるやり取りは言い間違いや聞き間違いが起きにくい一方で、タイピング速度が遅い場合などは迅速な会話のキャッチボールがしにくくなります。そのため、緊急時対応をしにくい点はデメリットといえます。

Web会議システムは会話をしつつ、画面や動画も使ったサポートを行える点が特徴です。電話と文字の良いところ取りができる方法といえるでしょう。緊急の場合でも、スピーディーな解決が可能です。これは顧客だけでなく、運営会社側もサポートにかかる時間を削減することができ、双方にメリットがあります。

顧客満足度の向上にも繋がる

Web会議システムの活用により、問題を正確かつ迅速に解決できます。スピーディーに通常の業務や生活に戻せることで顧客への悪影響を最小限に抑えられるとともに、製品への安心感を与えられることでしょう。

質の高いカスタマーサポートは、顧客満足度や顧客ロイヤルティの向上に寄与します。

いまどきのWeb会議システムは、簡単な操作で利用できる

「ITに詳しくない顧客がWeb会議システムを使うことは、難しいのではないか」そう思われる管理者の方も、いるかもしれません。 しかし、いまどきのWeb会議システムは簡単な操作で利用できます。

ここでは主な特徴を3点取り上げ、活用するメリットを考えていきます。

パソコンならリンクをクリックするだけで、動画によるサポートが受けられる

Web会議システムのなかには以下のように、顧客がユーザー登録を行わずに使えるサービスも複数あります。

特徴 代表的なサービス
招待された側はリンクをクリックすれば、会議に参加可能 ベルフェイス、Calling、Skype、wellcast
作成したリンクを再利用できる Skype、wellcast

もし顧客がパソコンを利用しているならば、顧客は送られてきたリンクをクリックするだけで、動画を使ったサポートを受けられる点は大きなメリットといえるでしょう。

なおスマートフォンを利用する顧客に対しては、アプリのダウンロードを要するシステムが多いことに注意が必要です。

顧客のパソコンにカメラがなくても、Web会議システムを利用できる

顧客のなかには、パソコンにカメラがない場合もあります。その場合はWeb会議システムを使えないかというと、そうでもありません。例えばベルフェイスでは以下の手順を踏むことで、このような状況にも対応可能です。

  1. 顧客に電話をする
  2. 顧客はベルフェイスのトップページを検索し、接続ナンバーを確認する
  3. 表示された接続ナンバーを、電話でオペレーターに伝える

上記の手順を踏むことで音声は電話を使いつつ、資料などの画像や動画はパソコンを使って見せることが可能です。このため、顧客のパソコンにカメラがなくても安心。また、顧客が「部屋の中を見せたくない」という要望を伝えてきた場合でも、対応可能です。

格安スマホなど、回線事情に制限がある場合はどうする?

顧客によってはモバイル回線を使っているなど、月のデータ容量に上限がある場合もあります。例えば格安スマホに代表されるMVNO契約の数は、2020年3月末現在で2,465万契約に及びます。一方で代表的なインターネット回線である光回線の契約数は、3,309万契約(2020年3月末現在)。データ容量などに制約がある通信をお使いの方は少なくありません。

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回線別の契約数(2020年3月末現在)

参考:総務省「令和2年 情報通信白書のポイント 第2部 基本データと政策動向 第2節 ICTサービスの利用動向 2 電気通信サービスの提供状況・利用状況 (1)提供状況」

顧客側の回線速度が遅い場合は動画をスムーズに見せることが難しい場合もありますが、資料だけを共有する手段としてWeb会議システムを活用することもできるでしょう。

Web会議システムをサポートに使う注意点

ここまで解説した通り、Web会議システムはカスタマーサポートにも向くサービスです。ここからは、活用する上で注意したい5つの注意点を取り上げます。

複雑な操作は苦情のもと。ワンクリックや簡単な操作で済むことがベスト

「顧客は困っているから連絡してきている」ことを考えると、サポートのためにさらなる負担を強いることはできるだけ避けたいものです。「Web会議システムでサポートを受けるためには、アプリのダウンロードが必要です」などと伝えてしまうと、苦情につながってしまうかもしれません。

このため、ワンクリックや1回の操作で済むサービスを選ぶことがベストです。選定する際には顧客の側にも立ち、使いやすいか検討することをお勧めします。

安定稼働は必須条件

万が一サポート中に接続が切れると、苦情につながります。このため安定稼働は必須条件といえるでしょう。事前に動作環境をチェックして、必要な機器を揃えることが重要です。

また、万が一に備えて、システム提供会社からの充実したサポートが受けられるかどうかを基準に選ぶこともおすすめです。

コストも重要

「良質なサービスを、できるだけ低価格で」という方向性は、Web会議システムの選定にもあてはまります。無保証という点を割り切れれば、無料のサービスを使うことも1つの方法です。機能とサポート体制、コストをよく検討した上で選定するとよいでしょう。

オペレーターも「見られる」立場になることに注意

Web会議システムが電話やメール、チャットと異なる点の1つに、相手にも顔や服装が見える点が挙げられます。相手に不快感を与えないよう、以下の点に気を配ることが必要です。

  • 身だしなみ
  • 顔に現れる表情
  • 無意識に行ってしまう癖
  • 背景

このため、電話対応ほど気軽に行えるわけではありません。

オフィスの内部をどこまで見せられるか、事前に検討を

カスタマーサポート部門でWeb会議システムを活用する際は、事前に「オフィスの内部をどこまで見せられるか」という検討も行うことをおすすめします。なぜならWeb会議システムで顧客とつながった瞬間、顧客からオフィスの室内が見えてしまうためです。もし壁に機密情報が貼ってあれば、接続した瞬間に情報漏洩となってしまいます。このような事態はなんとしても防がなければなりません。

まずは、機密情報や個人情報を社内の見える位置に置かないなどの基本的なセキュリティ対策を実施しましょう。 また、その他の余計な社内情報が見えてしまう場合は、席を移動したり、座席のレイアウトを再検討する必要もあるでしょう。

Web会議システムの導入は、メリットやデメリットをチェックした上で検討を

カスタマーサポートにWeb会議システムを導入することで、確実な情報提供と顧客への安心感を与えることができます。顧客の手間がかからないことも見逃せません。信頼されるカスタマーサポートを提供する上で、有効な手段の1つといえるでしょう。

もっとも、すべてのカスタマーサポートにWeb会議システムが向いているわけではありません。メリットやデメリットをチェックした上で、もし向いているようなら導入の検討を行うとよいでしょう。提供するサービスに合ったサポートチャネルを選ぶことが重要です。

参考:
総務省「令和2年 情報通信白書のポイント 第2部 基本データと政策動向 第2節 ICTサービスの利用動向 2 電気通信サービスの提供状況・利用状況 (1)提供状況」:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd252210.html
ビッグローブ「接続の種類と回線について」:https://support.biglobe.ne.jp/knowhow/knowledge/net/connect.html
ベルフェイス『bellFace使い方動画』:https://www.youtube.com/watch?v=WFZKWXXyzOc
ネオラボ「Calling」:https://www.calling.fun/
Microsoft「距離が理由で、今度のホリデー シーズンをあきらめる必要はありません。"今すぐ会議" を活用しましょう!」:https://www.skype.com/ja/free-conference-call/