素晴らしいカスタマーサポートを実現するためには、応対品質を向上させていく継続的な努力やそれを可能にする仕組み作りが必要です。本記事では、通話を録音することに注目し、その重要性について書きました。
コールセンターにおける通話録音システムについて
コールセンター白書2015によれば、コールセンターにおける通話録音システムの導入率は95.3%となっています。電話対応のプロといえるコールセンターのほとんどが導入しているからには、それ相応の理由があるはずです。 そして、その理由について知り、一般企業においてもコールセンター同様の運用ができれば、他社にはない強みとなる電話対応が実現できるのはないでしょうか。
では、なぜこれほどまでに通話録音システムを導入しているコールセンターが多いのでしょうか。
通話録音システムの利用目的
コールセンター白書2015によると、通話録音システムの利用目的は以下のようになっています。
<通話録音システムの利用目的(複数回答あり)>
- クレーム対策 95.1%
- オペレータの教育や評価のため 91.7%
- コンプライアンスの観点から 41.5%
また、最も活用頻度の高い通話録音システムの用途としては、オペレータの教育や評価が59%、クレーム対策が29%、コンプライアンス遵守が8%となっています。 これらから見て取れるように、実際に通話録音が生きている場面というのが、オペレーターの教育や評価という場面だということです。
電話対応のプロといえるコールセンターが通話録音を生かして、応対品質を向上しているということであれば、一般企業でこれから電話対応に力を入れたいと考える人たちがそれに倣わない手はありません。
では、具体的に通話録音したデータをどのように活用していけばよいのでしょうか?
通話録音をどう生かすか?
1.研修教材として活用
オペレーターの電話対応が褒められたケースやクレームに繋がったケースをピックアップし、教材として活用しましょう。具体的な事例を把握し、こういった場合にはこう切り返したらいいのかということを理解することができれば、応対品質向上に役立ちます。
2.顧客トラブル時のエビデンスとして活用
メールなどと違い、通話録音されていなければ、顧客と言った/言わないといった水掛け論のトラブルにもなりかねません。そんな時に通話がしっかりと録音されていれば、エビデンスとして活用することができます。オペレーター側が誤解を招くような発言、業務上不正な発言をしたのか、それとも顧客が言いがかりをつけてきているのかがはっきりします。
3.聞き逃し対策として活用
電話は、相手の声の大きさやイントネーションによっても聞き間違いが起きやすいツールです。もちろん、重要な事項に関しては復唱して確認する必要がありますが、「そういえばなんて言っていたっけ?」といった事態が起きないわけではありません。そんな時でも通話録音がされていれば、万が一聞き逃しても音声データを確認すれば把握することが可能です。
電話応対品質を高めるには、通話録音は必須
応対品質を向上させるためには、現状の応対方法にどういった課題があるのかを知らなければなりません。何気ない言葉遣いはもちろん、サービスの説明方法など改善点はオペレーター自身が思っている以上にあるかもしれないのです。それを通話録音システムを導入し、音声データとして記録しておくことで、客観的に応対を振り返ることが可能です。これにより、継続的に応対品質を高めることが可能になるでしょう。
また、オペレーターの発話をスポット的に録音するだけであれば、スマートフォンのボイスレコーダー機能を活用すれば良いでしょう。しかし、継続的に応対品質を向上させ、エビデンスとしても顧客の発言を保存したい場合には何かしらの電話システムの導入が必要です。本格的なコールセンターシステムにはデフォルトの機能として通話録音機能がついている場合もあります。また、ビジネスフォンなどの固定電話機でもオプション機能で通話録音機能がある場合もあります。予算に応じて最適な電話システムの導入を検討してみるのもいいでしょう。ちなみに、クラウド電話システム「CallConnect」はデフォルト機能として通話録音機能を全プランで提供しています。
おわりに
今回は、通話録音の重要性について触れました。電話サポートの品質を向上させたい場合には、通話録音ができるシステムを導入し、オペレーターのスキルアップに役立てる必要があるでしょう。また、顧客が電話をかけてきた際に、あらかじめ通話録音する旨をガイダンスで伝えておくといいでしょう。 ログの残りづらい電話というツールだからこそ、通話録音という機能を活用してログを残すことで、応対品質向上を実現してみてはいかがでしょうか。