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SVに求められる5つの役割。それぞれの内容と、役割を果たすための心得を解説

コールセンターにおいて、SV(スーパーバイザー)は重要です。SVの仕事ぶりはコールセンターの良し悪しや、オペレーターの定着率に大きな影響を与えます。仕事は大変ですが、やりがいのある職種といえるでしょう。

SVに課せられる役割には、さまざまなものがあります。ここではSVが担う役割と、職責を果たすために必要な心得について解説していきます。

SVが担う5つの役割

SVには、さまざまな役割があります。「コールセンター白書2018」によると、SVの主な業務内容として以下のものがあげられています。

オペレーターの指導や教育、二次対応が主な役割となっているものの、それ以外にも多様な役割を求められていることがわかります。もっともこれ以外にも、SVには重要な役割があります。ここでは5つに分けて、SVが担う役割を解説します。

勤怠管理やシフト作成

コールセンターは人が重要な役割を担う以上、オペレーターの管理は重要です。このためSVには、勤怠管理やシフト作成が重要な役割の1つとなっています。勤怠が悪い方が出てくると運営に支障を生じるおそれがありますから、早めに本人と面談し、その理由をヒアリングしなければなりません。

また、シフト作成は多くのオペレーターにとって重要な関心事の1つです。通年営業のコールセンターはシフト制となるため、オペレーターごとに休みも異なります。もし特定の日に休みの希望が集中した場合は、シフトの調整に頭を悩ませることとなります。

コールセンターの品質管理や、業務改善の検討・提案

コールセンターの品質管理も、SVが担う重要な役割の1つです。「インバウンドのコールセンターで追うべき KPI を徹底解説」で解説の通り、KPIをチェックして応答品質や業務効率、顧客満足度に問題がないか探ることがあげられます。これらの数値はSVの目標として管理されますから、なかなか達成できないと上司から叱責を受ける場合もあり、つらさを感じるところです。

あわせて業務改善の方法を考え、センター長やマネージャー、クライアントに提案することも重要な業務です。コールセンター業務の分析結果やクライアントに対する要望などをまとめ、報告文書を作成する場合もあります。

オペレーターへの教育やスクリプトの作成

問い合わせ客はコールセンターに対して、しっかり対応してもらえることを求めていますが、担当するオペレーターを選べません。そのため新人・ベテランを問わず、どのオペレーターでも十分な対応を行うための教育が欠かせません。新人オペレーターは事前に教育を受けている場合が多いですが、現場でもコールセンターの目標に従い、ヒアリングやトークスキル、クレーム対応などの教育を行う必要があります。

加えてオペレーターの品質を一定に保つことも、SVの仕事の1つです。たとえばベテランのオペレーターだからといって、ルールを逸脱した対応が許されるわけではありません。このためトークスクリプトの作成やチェックも、SVに課せられた重要な役割となります。もちろん完成したスクリプトは、全オペレーターに周知徹底する必要があります。

応対のモニタリングやオペレーターのフォロー

オペレーターの会話をモニタリングし必要に応じてフォローすることも、SVの重要な役割です。会話の内容を確認することで課題が見え、効果的な教育と指導につなげることが可能です。

モニタリングには、オペレーターを効果的にフォローする効果もあります。最近のコールセンターシステムには、オペレーターだけに聞こえる声で指示や助言を行う「ウィスパリング(ウィスパー・コーチング)」機能を持つものがあります。この機能を活用することでオペレーターが適切な回答を行えるとともに、SVに回ってくる件数を減らせる効果があります。

クレームに対する最終対応や、特別な対応を行う

コールセンターに電話してくる方のなかには、以下のようにオペレーターでは対応しきれない場合もあります。

  • 経験豊富な知識が必要
  • クレームや苦情が強い
  • VIP対応など、特別な対応が必要

このような場合、複数のオペレーターで交代しつつ対応することは「たらい回し」と思われます。そのためオペレーターが対応できない場合は、SVが代わって電話対応を行います。SVは最終の対応者であるため、確実なクロージングが求められます。

SVの役割を果たすために必要な心得

ここまで解説したとおり、SVにはさまざまな役割があります。単に仕事ができるだけでは務まりませんから、オペレーターとは異なる心構えが必要です。以下、SVの役割を果たすために必要な4つの心得を解説していきます。

明快な指示を行えるコミュニケーション能力は必須

SVは、オペレーターに指示を行う場面がよくあります。「ウィスパリング」のように、問い合わせを受けている最中にオペレーターに指示を出す場合もありますから、明快な指示を行えることは必須です。日ごろからわかりやすく説明するスキルを身につけておきましょう。

また、人の話をよく聞き理解するスキルも、状況を把握し正しい判断を行う上では欠かせません。もし「あの人は話を聞かない」という評価をされてしまうと、重要な内容でも報告されないおそれがあります。これはSV本人の評価を下げることはもちろん、トラブルの頻発やコールセンターの評価を落とす原因となりますからよくありません。

統率力や人間性も欠かせない

SVにはリーダーとして、チームを統率する力や人間性も求められます。オペレーターとして仕事ができることは、信頼される条件の1つです。好き嫌いに関わらず、オペレーターに対して公平に接することも重要です。

加えてオペレーターを気遣うことも、SVに求められる役割の1つです。普段から話しかけやすい雰囲気をつくり、気軽に悩みを聞いてもらえるSVになると、トラブルを未然に防止できるため評価が高まります。また、職場の雰囲気をよくする努力をすることも、重要な役割です。

最終的な対応者として、どんな事態にも逃げない姿勢が求められる

問い合わせに対して最終的な対応を行うことも、SVに求められる重要な役割の1つです。苦情を真正面から受け止めるため、神経をすり減らすつらい役割であることは確かです。しかし、問い合わせ客から解決を求められている以上、その要望や質問に応えなければなりません。従ってどんな事態にも逃げず、顧客と真摯に向き合う姿勢が求められます。もちろん豊富な業務知識を持っていることは、適切な回答をする上で欠かせない条件です。

オペレーターの失態は自分の責任でもある

SVは、部下であるオペレーターをマネジメントする責任も負っています。オペレーターが何か大きなミスをした場合は、責任を問われる立場となることを忘れてはいけません。普段からオペレーターに対してきちんと指導・教育するとともに、コミュニケーションを密に取ることがミスを防ぐ重要なポイントです。

SVにはさまざまな役割が求められるが、やりがいのある仕事

SVには、実にさまざまな役割が求められます。大変な仕事ではありますが、その多くは他の業種でもリーダー職の方が行っている業務ですから、特別な仕事というわけではありません。経験と知識、そして心構えは必要ですが、やりがいのある仕事といえるでしょう。

SVを経験した方はメンバーの統率経験とともに、数あるトラブルを解決した方という評価がされますから、キャリアアップにも有利に働きます。ご自身の経験値を積むためにも、しっかり働き評価をアップするよう努めましょう。

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参考: 月間コールセンタージャパン編集部: コールセンター白書2018. リックテレコム, 東京, 2018, pp.28-29,55-58.
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