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顧客セグメントに応じてサポートの優先度を決めよう

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顧客をうまくセグメントすることができれば、各セグメントに応じた適切なサポート方法を検討し、実践することができます。本記事では、顧客のセグメント方法やそれに応じた適切なサポート方法について考察します。

まずは売上でセグメントする

一般的には売上貢献度の高い(LTVの高い)顧客にはハイタッチなサポートを提供し、貢献度の低い顧客にはテックタッチなサポート、真ん中くらいの顧客にはロータッチなサポートを提供する方法が考えられます。

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もちろん、サービスの単価が高く、顧客数も少なければすべての顧客にハイタッチのサポートを提供できる可能性もあります。
しかし、売上貢献度が高くても手間がかかる顧客もいれば、文句ひとつ言わない顧客もいます。さらに貢献度も低く、手間ばかりかかる顧客もいるでしょう。 売上で顧客をセグメントすることも重要ですが、それだけでは十分なセグメントとはいえません。売上以外の他の軸を取り入れることで、顧客セグメントに応じた最適なサポート方法を検討することができるでしょう。
売上以外の軸でも、顧客をセグメントすることを考えてみます。

複数の軸でセグメントする

まずは売上貢献度をひとつの軸にします。
そして、もうひとつの軸を成長させるためのコスト(ニーズ対応の難易度)にしてみます。一定以上の売上になるまで自走してくれるのか、サポートやオンボーディングに大きなコストがかかるのかどうかで分けてみましょう。

顧客を大きく4つに分類したのが以下のようなマトリックスになります。

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出展:CRM―顧客はそこにいる 東洋経済新聞社より

金の成る木

売上貢献度が高く、要求レベルの低い顧客は理想的と捉えることができ、ハイタッチなサポートの対象となります。しかし要求レベルが低いということは、他のサービスでも代替ができる可能性もあります。優良顧客だと思っていたら、ある日急に解約の申し出があるということも考えられます。実際の満足度や利用率はどの程度なのか調査し、不満を抱えている可能性のある顧客には連絡を取り、不満の解消に取り組むようにしましょう。

金の苗木

売上貢献度が低く、要求レベルも低い顧客の場合、一見売上が少ないため、サポートを軽視してしまうこともあるかもしれません。しかし、今後の成長が見込めるかどうかを冷静に分析する必要があります。成長を支えることで、将来のロイヤルカスタマーになってくれる可能性があります。

知恵の成る木

売上貢献度が高く、要求レベルが高い顧客は、労力のかかる顧客といえます。 しかしながら、要求レベルが高いということは、他の会社とは違う何かしらの理想像を持っていることを表しています。顧客のやりたいことを見極め、もしその背景に納得できたのであれば、丁寧に向き合うといいでしょう。プロダクト改善を大きく前進させることができるかもしれません。

実験場

最後に、売上貢献度が低く、要求レベルが高い顧客です。このセグメントに属する顧客に対してコストを問わず徹底的に向き合うというのは、身がもたないでしょう。しかし、要求の中には成長のきっかけが隠されているかもしれません。 実験場として捉え、他のセグメントで行おうとしていた施策を試すのに最適です。また、顧客教育によっては、成長性の高い顧客に変えていくことができるかもしれません。



売上順に並べて上から優先順位をつけるのではなく、多面的に見ることで、優先対応すべき顧客がどのセグメントなのかをより具体化していくことができます。

終わりに

今回は、売上貢献度とニーズ対応の難易度で顧客をセグメントした例をご紹介しました。その他の軸を使うことで、違った捉え方をすることもできます。様々な軸を使って顧客をセグメントし、セグメントごとのサポート方針や優先度を決めてみましょう。現時点で売上が低い顧客でも今後の成長性が見込めれば、コストをかけてでも向き合う価値があります。 こういった分析を繰り返すことで、かけたコストに見合うリターンが得られるでしょう。

アクセンチュアの村山 徹さんの著書「CRM―顧客はそこにいる」では、顧客セグメントの方法に関して詳細な記載があります。ぜひ顧客セグメントの方法に興味のある方は手にとってみてください。

CRM―顧客はそこにいる (Best solution)

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  • 作者: 村山徹,三谷宏治,アクセンチュア,CRMグループ,戦略グループ
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