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サポートチャネルとしてなぜ“電話”が選ばれるのか?

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皆さんの会社では電話でのカスタマーサポートを実施していますか?本記事では、サポートチャネルとしてなぜ“電話”が選ばれるのかということについて考察します。

電話番号を掲載している SaaS 企業

世界中で利用され、現在でも着実な成長を遂げているサービスのウェブサイトを見てみましょう。 多くの見込み客や既存ユーザーから問い合わせが来るはずなのに、なぜこれらの企業は一見サポートコストがかかると思われる電話窓口を設け、 電話でのサポートを実施しているのでしょうか?

・Salesforce

SaaSの王者とも形容され、世界中に多くのユーザーを抱える「Salesforce」。ヘッダーに電話番号を掲載し、電話サポートを行っています。 f:id:h-omata:20171222140410p:plain

・Marketo

世界6000社以上が採用するマーケティングオートメーションツール「Marketo」。TOPページの事例紹介下部に電話番号を掲載し、電話サポートを行っています。 f:id:h-omata:20171222141017p:plain

・HubSpot

無料のCRM機能も提供しているマーケティング統合管理ソフトウェア「HubSpot」。ヘッダーに電話番号を掲載し、電話サポートを行っています。 f:id:h-omata:20171222142236p:plain

・Zenefits

人事管理サービスとして急成長を遂げている「Zenefits」。ヘッダーに電話番号を掲載し、電話サポートを行っています。 f:id:h-omata:20171222141709p:plain

・kissmetrics

顧客行動分析ツールとして注目されている「kissmetrics」。フッターに電話番号を掲載し、電話サポートを行っています。 f:id:h-omata:20171222143946p:plain


上記でご紹介したのは、サイトのTOPページというわかりやすい場所に電話番号を掲載し、積極的に電話サポートに取り組んでいると考えられる SaaS 企業の一例です。

なぜ企業は電話窓口を設けるのか

では、上記の企業も含め、なぜサポートチャネルとして電話が選ばれるのでしょうか? 顧客と企業がコミュニケーションを取る上ではメールやチャットといったサポートチャネルもあります。そのため、電話でのサポートは実施しないという判断をしたとしてもおかしくありません。

ここで興味深い調査結果を共有します。
Zendesk社の調査によると、顧客が企業への問い合わせ手段として好んで使うツールは、電話が79%、メールが33%、チャットが12%と、電話が問い合わせ手段として好んで使われているという結果が出ています。

また、同社の別の調査を見てみると、チャネル別の満足度は電話が91%、チャットが85%、メールが82%と、顧客は電話でのサポートによって高い満足度を得ているということもわかります。

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その他にも、Google社が独立した調査機関に依頼して行った「オーガニック検索と有料検索の検索結果内での Click to Callに関する消費者の傾向」に関する調査も非常に興味深い内容となっています。
調査によれば、 商品購入した3000人のモバイル検索ユーザーの内、70%が Click to Call を使用しており、消費者にとって電話は重要なチャネルであることがわかりました。

これらの調査結果から、企業が電話サポートに取り組むのは、顧客の問い合わせ手段に対するニーズを満たそうとしている結果であり、電話サポートによって顧客の満足度を高める狙いがあるからと言えるのではないでしょうか。

なぜ顧客は電話で問い合わせするのか

では、そもそもなぜ顧客は電話での問い合わせを好むのでしょうか?

ここで顧客が企業のカスタマーサポートに望むことについて調査したデータを見てみましょう。
ある調査によると、調査対象者の69%が「課題が迅速に解決されること」を優れた顧客体験に必要な要素として挙げています。続いて、65%が「サポート担当者が親切であること」、63%が「一回のやりとりで課題が解決されること」という要素を挙げています。

上記の調査から、顧客は自らの課題が迅速に解決されること(スピード)を期待しているのがわかります。 そういった中で、顧客が“電話”を好んで使うのは、「課題を迅速に解決したい」という自らの願望を満たす上で“電話”が一番有効な手段だと認識しているからに他なりません。

電話というチャネルが持つ特性として、相手との同期性があります。顧客とサポート担当者は場所は違えど同時に電話口にいる必要があります。電話であれば、1回の会話の中でリアルタイムに回答が得られるため、今でも好んで使われているのではないでしょうか。

おわりに

今回は、電話サポートに取り組む SaaS 企業のウェブサイトを紹介しつつ、企業が電話窓口を設ける理由、顧客が電話での問い合わせを好む理由についての考察をお届けしました。

依然として顧客の“電話”というチャネルへのニーズも高い中で、改めてどういったサポートチャネルを設けるのが適切か考えてみてはいかがでしょうか?