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カスタマーサポートやコールセンターのテレワーク化の可否

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近年、「テレワーク」や「リモートワーク」などの言葉を聞く機会が多くなりました。本記事では、カスタマーサポートやコールセンターのテレワーク化の可否について考察します。

テレワーク/リモートワークとは?

テレワーク/リモートワーク (以降、テレワークに統一) とは、場所に捉われない新しい働き方のことを指します。今までは書類や各機種を扱うために、会社という一つの場所に従業員が集まって働く必要がありました。しかし、今やIT業界を中心にパソコンとインターネットがあれば仕事ができる時代になってきています。そういった背景から自宅や海外など、場所に縛られない働き方が注目されるようになりました。

テレワークの最大の魅力の一つとして、今まで働きたくても働けなかった人が、場所を問わず働けるようになる点があります。子育てや介護で家にいなければならないけども、「働きたい!」といった人が多くいる中で、自宅でも働けるようになる仕組みは多くの雇用を生み出す可能性を秘めています。 また、地震や災害時などでも事業を継続するための仕組み(BCP対策)としても注目されています。大雨や大雪の際に無理して電車で通勤しなければならないような体制では、従業員の働く意欲も低下していくでしょう。

では、このテレワークという働き方がカスタマーサポートセンターやコールセンターで働く人にとっても可能な働き方なのかどうかについて検討してみましょう!

テレワーク実現への課題は取次ぎ率

カスタマーサポートやコールセンターの現場では頻繁に他の従業員とのコミュニケーションが求められます。特にエンジニアや他の担当者に取り次いで、質問への回答を確認することが多い場合、サポート業務のテレワーク化はとても難しいものとなるでしょう。なぜなら、テレワーク化によって「社内メンバーと対面で話す」ということが完全に遮断されることになるためです。このことが業務においてクリティカルに影響が出る場合は、テレワークの導入を検討する前に、サポート担当者の一次解決率を高める必要があるでしょう。サポート担当者の教育をせずにいきなりテレワーク化を進めてしまうと、「テレワークはダメだ」という認識になりかねません。テレワークがダメなのではなく、その体制がテレワークに向いていなかったというだけの話なのです。

サポート担当者1人1人が自立してしっかりとしたサポートができるようになれば、一般的なコールセンターでいうところの「スーパーバイザー」的な役割もそこまで必要ではなくなります。サポート担当者の問題解決力が高いか低いかが、テレワークでも機能する体制になるかどうかの分かれ目になるでしょう。

また、本格的にテレワークを実施する前に、サポート業務で利用するツールも選定しなおす必要があるでしょう。専用のソフトウェアやネットワークが必要な場合、テレワークの実現を困難にさせます。この場合はセキュリティを考慮した上でログインして利用可能なクラウドサービスを検討してみてください。最近はメールだけでなく、チャットや電話も全てクラウドツールを活用すればできる時代になってきています。これら最新ツールをうまく組み合わせて活用することが、サポート業務のテレワーク化成功のポイントです。

サポート業務がテレワーク化した未来

そこまでしてテレワーク化を推進する必要はあるのでしょうか?この点は各企業によって考え方が変わってくることでしょう。ただ、一つ確実に言えることは、先ほどもお伝えしたようにテレワーク化によって、今まで働き続けることが困難であったサポート担当者が仕事を続けることができるようになるという点です。特にこれはサポート担当者の"教育コスト"の視点からとても有意義です。昨今では、優秀なサポート担当者を採用することがますます難しくなってきています。サポート担当者は専門知識がいる上にコミュニケーション能力も求められる難しい職種です。このような職種だからこそ一人のサポート担当者にできるだけ長く働き続けてもらうことが必要となります。

サポートツールの"クラウド化"、つまり Web 上ですべての業務を行えるようになる時代がすぐそこまで来ています。特にインターネットサービスの発達したアメリカでは、ほとんどの企業がクラウドを通じてサポート業務を行うようになりました。日本でも、低コストで高品質なサポートが提供できるようになるサポート業務向けのクラウドサービスはますます増えていくことでしょう。

そしてゆくゆくは、オフィスにいなくてもテレワークで働くサポート集団が、より良いサポートを提供できるようになっていくと考えられます。

終わりに

本記事では、カスタマーサポートやコールセンターのテレワーク化について考察しました。

まだまだ日本ではサポート業務のテレワーク化は実験段階と見られる傾向が強いですが、今後ますます増えていくと思われます。ぜひご自身のサポート業務もテレワーク化できないか、考え始めてみてはいかがでしょうか。