近年のコールセンターの発展により、さらなるコールセンターの効率化が求められます。そこで登場したワークフォースマネジメントについて解説します。
ワークフォースマネジメントの背景
コールセンターは一般的に繁忙時間の差が激しいものとなります。例えば、何かしらのトラブルが起きた時に集中して電話がきたり、CMを打った間に電話が急増したりといったことです。突発的な要因でなくとも、特定の曜日は時間によって問い合わせが多くなるということが分かっていれば、あらかじめ適切な人員を配置しておく必要があります。また、入電数の少ない時間帯にたくさんの人員を配置することは不要なコスト増加につながります。
今まではこうした人員配置の課題をマネージャー(SV)が経験と勘によって解決していました。しかし、それをシステムがビッグデータを用いて、より正確で効果的な人員配置を目指すものが「ワークフォースマネジメント」なのです。簡単に言えば、シフト表の自動生成と言い換えられるでしょう。
利用に適切な環境
では、ワークフォースマネジメントはどんな組織や企業に向いているのでしょうか。それは、専任のコールセンターのオペレーターが複数人いるような本格的な窓口を持っていて、かつオペレーターを管理できるマネージャーを配置できる組織であると言えます。反対に言えば、業務の合間に電話対応をしているような中小規模のコールセンターではそこまで必要とされない機能とも言えます。
コールセンターにおけるオペレーターのシフト表生成は、何かと時間がかかったり、経験が必要なケースが多いです。 そのような場合に利用を検討してみてはいかがでしょうか。
考察
本メディアではカスタマーサポートに焦点を当てておりますので、その観点からワークフォースマネジメントについて考察します。
まず、人件費の節約のためにコールセンターのオペレーターをできる限り減らすという考え自体がそもそも危険です。いつどこで電話が来るか、それはある程度予想はできても完全ではないのです。その中でより重要なのは、サポートの一つとしてコールセンターがあるという認識と、誰もが電話対応できるような柔軟な組織作りなのです。
カスタマーサポートは電話対応だけすれば良いというものではありません。電話が来ていない間はFAQを更新したり、サポートの質を向上するために常に勉強を続け、顧客の声を自ら聞きにいくという姿勢が求められています。アルバイトのコールセンタースタッフを雇うというよりは自らが顧客の声を聞き、製品に反映する姿勢が必要です。
つまり、電話対応が忙しい時期はオペレーターを増やすというよりかは普段電話の受電業務をしないような社員が協力するという姿勢が求められるのではないでしょうか。それを自分の仕事ではないといって拒否することは、顧客との貴重な接点を自ら断つ行為に他なりません。全員が自社の顧客の声を聞けるようなオープンな環境が、より良い製品開発に活きてくるのです。
コールセンターとカスタマーサポートはそもそも土俵が違うかもしれませんが、コールセンターではこのようなことも行われているということを知っておくことは有意義だと考え、本記事の掲載に至りました。