電話サポートを提供しようとするスタートアップの中には、電話サポート業務を外注しようか、自社で取り組もうか、迷っているスタートアップもいるでしょう。本記事では、スタートアップに焦点を当て、スタートアップにおいてはコールセンター業務や電話サポート業務を内製化した方が良い理由について書きました。
顧客に必要とされるプロダクトを作るために
スタートアップによって新しく生み出されたばかりのプロダクトは、本当に人々に必要とされるプロダクトであるかどうかは定かではありません。そのため、スタートアップの多くが事業を進める中でプロダクトを検証し、最適なプロダクトへと改善していくことを余儀なくされます。
そして、これらの改善を行うためには、初期の顧客と過剰なまでに関わりを持ち、顧客の声を聞くことが欠かせません。 もし、顧客の声を聞かず、プロダクトやビジネスモデルの検証もしないまま進んだらどうなるでしょうか。おそらく、その企業を数年後に見かけることはできないでしょう。 初期の顧客と過剰なまでに関わることで、より素早くプロダクトを改善することができます。
そういった中で、今回のテーマである電話というチャネルを活用し、顧客とより密接な関わりを持とうとする企業も多いでしょう。 しかし、せっかく電話サポートの重要性を認識しているにもかかわらず、電話サポート業務の外注化を真っ先に考えてしまうスタートアップもいます。
以下になぜスタートアップにおいては電話サポート業務やコールセンター業務を内製化した方が良いのかをまとめましたので、今後の参考にしてみてください。
外注することで失ってしまうもの
電話サポート業務やコールセンター業務を外注することで失ってしまうものとは何でしょうか?
1. 改善のクオリティ
外注するということは、自社メンバーが顧客との電話を通した直接的なコミュニケーションを放棄するということです。自社メンバーではなく、委託先スタッフが代わりに電話対応を行うため、顧客からの改善要望なども全て又聞きのような形になります。これでは、伝え聞いた内容から表面的な改善はできたとしても、顧客の本質的なニーズを把握した上での改善が困難になってしまうのではないでしょうか。特にスタートアップはこれまでになかったプロダクトを提供しているケースが多いため、委託先スタッフがサービスについて深く理解できておらず、適切に課題をヒアリングできない場合もあるでしょう。
2.改善の速度
外注先を経由して顧客の声を知るため、課題の認識スピードはもちろん、改善スピードも落ちるのは致し方ないことでしょう。スタートアップにおいては、改善スピードが非常に重要であるにもかかわらず、電話サポート業務を外注してしまったがために肝心のプロダクトを改善するスピードが落ちてしまうのです。自社メンバーが顧客とコミュニケーションを取る方が圧倒的にスピーディでしょう。
3. 危機感
時に緊急性の高い問い合わせや不満に満ちた問い合わせも顧客から寄せられます。しかし、それを委託先スタッフが自分に代わって対応することで、少しそうした問い合わせへの危機感が薄れることもあるでしょう。直接電話口で顧客とコミュニケーションを取り、好意的な声も不満に満ちた声も聞くことで、サービス改善の原動力を得ることもできます。外注化が当事者意識を希薄にしてしまう恐れもあるのではないでしょうか。
おわりに
今回は、コールセンターを外注することで失ってしまうものについて触れ、スタートアップにおいては内製化した方が良い理由について書きました。
スタートアップの初期では、多くのことが自らの手で行えます。もちろん、電話対応もです。そして、電話での顧客とのコミュニケーションを通してプロダクトを改善するための気づきを得ることもできるのです。スタートアップにおいて一番大切な部分を自ら手放してしまってはいけません。初期のユーザーと徹底的に向き合うことで、成長するために必要な気づきや学びを得ることができると筆者は信じています。
今回を機に顧客との向き合い方に関して振り返ってみるのはいかがでしょうか。