今日では多くの企業がカスタマーサービスの重要性を認識し、日々一生懸命に取り組んでいることでしょう。本記事では、競合他社と差別化しづらくなりつつあるカスタマーサービスをちょっとした工夫でより良くするためのアイデアや考察について書きました。
当たり前に望まれることをやるのは当然
製品が仕様どおりに動き、顧客が望んでいる価値がそこから得られるというのは当たり前のことです。また、問い合わせをしたら、それに対して返答がくるといったように、基本的な部分が確実に行われるのは企業として当然のことといえます。ましてや、カスタマーサービスに力を入れようとしている企業であればなおさら出来ていなければなりません。 もしも、こういった基本的な部分が確実に行われないとしたら、ただその企業は淘汰されていくだけでしょう。 まずは、基本的なカスタマーサービスが正しく提供されているかを確認する必要があります。
では、その上で競合他社と一味違ったカスタマーサービスを実現したい場合はどうしたらいいのでしょうか。
カスタマーサービスにプラスαを!
基本となるカスタマーサービスに、プラスαの要素を付けるように工夫しましょう。プラスαとは、役に立つ情報を提供するなどといった基本となるサービスに付帯されるものを指します。
例えば、地産地消の野菜をネットで販売しているような場合、鮮度のいい野菜が期日どおりに届き、それがおいしいというのは当たり前です。これでは、同じようなネットショップと一線を画すことはできません。 では、どのようにしたらいいのでしょうか。
アイデアとしては、例えば生産者に手書きのメッセージカードを書いてもらい同封するであったり、その食材を使った料理レシピを同封してあげるといったことが考えられます。 こうしたちょっとした工夫や心遣いは、誰が考えるかによっても違いが生まれるでしょう。そのため、その企業や担当者のカラーが反映されやすく、その企業らしさを顧客へ届けることにもつながるでしょう。
顧客に喜ばれるプラスαを付けることができるかどうかは、その企業の創造性にかかっています。
本当に顧客の立場に立って考えているか。
素晴らしいカスタマーサービスを実現したいとは誰もが思うことでしょう。しかし、その素晴らしいカスタマーサービスの定義が企業側の一方的な自己満足ではいけないはずです。 常に顧客の立場でいなければ、本当に素晴らしいカスタマーサービスは到底実現できません。 また、短期的にみればこうした工夫やレシピを同封するといった取り組みは他社に真似されうることかもしれません。
しかし、本当に大切なのは、こうした工夫を顧客視点に立って考え実行するという会社の文化であり、思考の習慣です。 これがない限り、常に他社の真似しかできません。そして、こうした思考の習慣がなく、形式的な部分を真似しているだけでは、しばらくすれば細かい違いが浮き彫りになり、ボロが出てくることでしょう。
つまり、私たちがカスタマーサービスをより良くしていくためには、顧客のことを考え、顧客が喜ぶことを創り出す習慣が必要ということでしょう。
おわりに
当たり前に求められるであろうことを当たり前にクリアしていることは大前提です。その上でより良くするにはどうしたらいいのかということについて考察を書きました。形式的にプラスαの部分を真似することは簡単かもしれません。 しかし、それらのちょっとした工夫を自ら創り出し、実行し、継続していけるかは、“本当に顧客のことを大切だと考えているか”にかかっていると思います。 顧客の期待を超えて、感動を生み出すようなカスタマーサービスを提供するためには、まずは顧客を想うことから始めなくてはならないのだと私は考えています。
本記事を機会に、顧客が喜ぶちょっとした工夫を考え、実践してみてはいかがでしょうか。