こちらの記事をご存知だろうか? マイクロソフトベンチャーズにいらっしゃったTakaaki Umadaさんのslideshareだ。
www.slideshare.net
スタートアップについて、重要なサポートに関する記事が書かれている。
タイトルにあるように、サポートによって、顧客の不満を取り除くだけでなく、顧客の事業を成功させることを意識してサポートすることで顧客満足度を高め、製品もより良くしていくことができる。
サポートをすることで、製品に関するフィードバックが得られ、サービスのバグやUXを改善しつつ、顧客が何を欲しがっているか考察することで、顧客が本当にほしいものがわかる。 サポートの声をPDCAを廻すサイクルに取り入れることで、顧客にもっと良いものを提供できるようになる。 というのは理にかなっていると考えられる。
実際に多くのシリコンバレーのスタートアップ企業の創業者は自分でカスタマーサポートをやっていた。という話は印象的である。 日本人は礼儀作法や接客が丁寧であることは世界的に有名ではあるが、リソースの限られたベンチャー企業でサポートにリソースを強くのは一般的には難しいと考える経営者もいるかもしれない。 しかしAirbnbや、Slackといった企業は驚愕するほどのサポートを実践しながらグロースしてきた。世界を席巻するシリコンバレーで、サポートに重きを置いているというのは見習うべきところがある。
馬田さんの資料では、そこの事実だけではなく、ではどうしたらという話に言及している。
①コアのターゲットを決める
リソースの限られたスタートアップにとって、顧客をすべてにおいて満足させるのは難しい。ターゲットとする顧客と顧客の成功を定義して、本当にその顧客が求めているサービスだけにフォーカスする。
②顧客満足度を高める
サポートによって顧客満足度を高めることはより収益につながる。これはサポート含めた良いサービスを提供することができれば、契約を継続している可能性も高まり、アカウント数を増やしてくれたり、新規顧客を紹介してくれたり、SNSやブログで紹介してくれる。 これはNPS®︎*1(顧客ロイヤリティの指標)が高い企業は業界平均の2.3倍の成長率という話もあるが、買い切りのサービスではなく、今日多くのサービスで取り入れられているSaas(利用した分だけ払う)形式の多くの製品にとって継続してもらうことが生命線であり、ますます重要視されてきているのは言うまでもない。
③フィードバックを求める
最初のローンチの状態は不完全であることが多い。顧客と話すことでプロダクトに何が足りないかを考察することができる。またローンチ直後は利用者も少ないので、顧客からの反応を待っていてはフィードバックを得るのに時間がかかってしまう。自分から会いにいったり、アンケートを送ったり具体的にアクションすることで顧客はプロダクトの成長にとって必要なフィードバックを定性的に得ることができる。
自分達でもやってみて
上記の3つはスタートアップとしている私達にとって重要なことだと感じでいる。 特に②に関しては無料の顧客にも会いに行くようにし、どこに不満があるのか、どこを気にいっているのかといった内容を聞くということをしている。 顧客の満足度が高まることで、実際に他の顧客を紹介してくれたり、ライセンスを追加してくれたり、SNSやメディアで紹介してくれるということがあった。
熱狂的な顧客を見つけるのが大事だという話はいろんな本や人が言っているかと思うのだが、本当に重要だというのが身をもって体験できた。馬田さんの日本のスタートアップを応援したいという、思いのつまった資料は実際にスタートアップを体験してみて本当に重要なことが書かれていると実感している。 スタートアップや新規事業に興味ある方は是非一読しておくことをオススメする。
*1:NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの 登録商標です。