顧客満足度の向上や顧客サポート業務の効率化などを目的に、コールセンターのアウトソーシングを考える企業もあるでしょう。本記事では、コールセンターをアウトソーシングする際にまず最初に考えたいことについての考察を書きました。
アウトソーシングが増加
コールセンターの運用モデルには、いくつかあります。例えば、電話設備や人材も自社で管理・運用するインハウス型や電話設備や人材の管理・運用を外部に業務委託するアウトソーシング型です。中には、これらを組み合わせた運用形態もあります。 そうした中で最近では、コールセンター業務をアウトソーシングする企業が増えているようです。 では、なぜコールセンター業務をアウトソーシングする企業が最近になって増え始めているのでしょうか?
アウトソーシングする理由
コールセンター白書2015によれば、企業がコールセンターをアウトソーシングする理由のTOP3がこちらです。
- 業務量の変動にフレキシブルに対応するため
- 自社採用だけでは必要な労働力が確保できないため
- 人件費の削減
コールセンターでは、入電量に合わせて最適な人材配置を行わないと、余分な人件費が垂れ流されてしまいます。そのため、季節変動などに柔軟に合わせて運用しやすい外部への業務委託を選ぶのでしょう。
また、コールセンター業界は慢性的な人材不足です。そのため、自社で運用する際に最適な人材が確保しづらいといった課題から、外部の専門企業へアウトソーシングしているといえます。
アウトソーシングする際に考えたいたったひとつのこと
人材が確保しづらいなどといった理由から、コールセンターをアウトソーシングする企業が増えています。 そこで、現在もしくは今後、コールセンターをアウトソーシングすることを考えている場合、ぜひこのたったひとつのことをまずは考えてみてほしいです。
「あなたたちにとってコールセンターは、コストセンターですか?それとも、プロフィットセンターですか?」
もし、コールセンターをコストセンターとして捉えれば、当然アウトソーシングする際にも、できるだけ安いところを探そう、人件費はどんどん削ろうといったことばかりを考えざるを得ません。もちろん、その中でもしっかりと対応してくれそうな業務委託先を探すのでしょうが、コールセンターをコストセンターと捉えているうちは、コストを削ることばかりを追求するしかありません。
しかし、逆にコールセンターをプロフィットセンター(利益を生み出す部門)だと捉えたらどうでしょうか。もちろん、コストは最小限にできるように努めるでしょうが、利益を生み出すために必要な投資も同時に行うはずです。コストを削ることばかりに注意が払われ、お客様が期待する応対品質が著しく下がってしまっては元も子もありません。
企業ミッションを反映したコールセンター運営を
もちろん、コストはかからないに越したことはありません。しかし、安かろう悪かろうでは意味がありません。むしろ、企業の顔としてお客様と日々コミュニケーションを取るスタッフの対応が悪ければ、企業へのマイナスなイメージがあっという間に広がっていきます。
コールセンターをアウトソーシングしてしまえば、多くの場合、業務委託先のスタッフの教育や指導には直接関わることができません。そうしたリスクも踏まえた上でアウトソーシングするならしないといけないでしょう。 丸投げではいけないのです。
もし、アウトソーシングするのであれば、企業ミッションもしっかりと共有し、戦略立案まで含めてアウトソーシングしなくてはなりません。コールセンターをコストセンターとして捉えてしまっていては、より良い顧客体験の創造にフォーカスできるはずもないのです。
より良い顧客体験を創造し、自社の熱烈なファンを獲得できるかどうかは、企業経営上コールセンターをどういった位置付けにするかにかかっているのです。
コールセンターをアウトソーシングする際にはぜひこのことについてまずは考えてみてはいかがでしょうか?