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メールのサポート運営を改善し続けるために実施したいこと

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カスタマーサポートといえば、日々の問い合わせに対応するだけで精一杯という手当たり次第的な運用をされているところが見受けられます。効果的に改善するために必要なことは何でしょうか。

仮説・実行・検証・仕組み化 のループを回す

楽天のブランドコンセプトの中に、"仮説→実行→検証→仕組化"という言葉があります。この行動はまさに改善そのものであり、カスタマーサポートにもこの行動を実現できないか、考えてみましょう。

さて、仮説と実行は "アイディアを出して実行してみる" ということでやる気があれば誰でもできます。そのあとの検証をどのようにしてやるのかが大事なポイントです。検証というからにはやったことが正しかったのかを判断する必要があり、何かしらの良かった・悪かったの判断基準が必要になります。

そこで必要なのが "実行の数値化" です。

カスタマーサポートにおける検証

カスタマーサポートではどんなことが数値化できるでしょうか。その数値を基準にして仮説・実行すれば、検証ができることになります。貯めた数値はエクセルなどで管理すれば月毎で改善できたかできなかったかが判断できます。

数値化の案の第一に返答速度があげられます。メールの場合はいかに早く返信するかによって顧客満足度が大きく左右されるためです。毎回返信するまでにかかった時間を計測すれば良いだけなので、実行に移しやすいというメリットがあります。しかし、ただ単に速いだけで質問が解決できなければ意味がありません。そうした意味では他の指標を検討するべきです。

第二に課題解決までに至ったメール送信回数です。何回メールを送ったことで顧客が満足して問い合わせを終了したかを計測します。この値が少なければ少ないほど、質の良い返答ができたことになります。返答速度と合わせて数値化すれば、より確実な指標として利用できるでしょう。

第三に問い合わせ件数そのものです。最終的な理想はサービスや商品を使って問い合わせする必要のないほど洗練されたプロダクトであれば良いことになります。つまり、問い合わせの数そのものを減らすことができれば、カスタマーサポートによるプロダクトへの反映がうまくいっていて、会社全体が前進していることにつながります。ただ商品の売り上げが下がってきたですとか、シーズンによってユーザーの利用頻度が変わったりすることがありますので、一概にこの数値が正しいと言えるわけではありません。

第四にユーザー継続率や退会率です。カスタマーサポートが顧客の継続利用を左右する重要な立ち位置であることは言うまでもありません。また、ユーザー数の変化はサービスに携わる全ての部署において共通の大切な項目です。カスタマーサポートもサービスの一部としての認識を強め、全体でサービスをよりよくしていきたいという場合に部署を超えた共通の目標があると便利です。

検証からの仕組み化へ向けて

実際に数ヶ月間かけて数値化し、データが集まったとします。そこでいよいよ検証ができる段階に入ります。うまくいかなかったことを洗い出し、"こうすればうまくいくのではないか" という仮説を新たに立てます。

例えば、メールの返答が遅くなっている場合。それはカスタマーサポートの知識不足で確認に時間がかかっているのか、メールに気づくスピードが遅いのか、返答を書くスピードが遅いのかなどあらゆる原因が考えられます。その原因を特定し実行に移すことができれば、改善の一歩を踏み出したことになります。

決して管理者の思いつきでの改善ではなく、数値化した根拠のある改善をすることで、確実に良いカスタマーサポート体制が整います。

こうした数値化の設定や管理が難しいというのであれば、最近のカスタマーサポートツールである Zendesk などを利用することで、統計機能から比較が簡単にできるようになります。しっかりと使いこなせば、改善を繰り返すことのできる素晴らしいメールサポート体制が出来上がることでしょう。