最近、チャットをベースとした顧客コミュニケーションツールである「チャネルトーク」に注目が集まっています。本記事では、多くのチャットサポートツールを利用してきた筆者の視点から、チャネルトークならではの特徴について解説します。
チャットサポート中心の機能設計
チャネルトークは、顧客とのやりとりをチャットをベースに行う設計になっています。
まず、利用開始時に自社のWebサイト上にチャネルトーク側で生成された HTML をコピーして貼り付けます。その生成された HTML 内に、必要に応じて顧客情報を事前に記述しておくことができます。 また、チャネルトークでチャットを始めた直後に顧客情報の入力を受け付けることも可能です。顧客情報は、チャネルトークで用意されている名前や携帯電話番号、メールアドレスだけでなく、カスタム(独自)データも指定できます。
<!-- Channel Plugin Scripts --> <script> (function() { var w = window; if (w.ChannelIO) { return (window.console.error || window.console.log || function(){})('ChannelIO script included twice.'); } // .... 省略 ChannelIO('boot', { "pluginKey": "e6cf8f1b-c604-497a-b98d-aaaaaa", "userId": "999", "profile": { "name": "テスト太郎", "mobileNumber": "080-1111-2222", "custom_data": "1" } }); </script> <!-- End Channel Plugin -->
<チャットウィジェットのイメージ>
Webサイト上に埋め込まれたウィジェットから顧客がメッセージを送ると、チャネルトークの管理画面内に通知が届きます。そこで顧客とのチャットのやりとりが進んでいきます。 ここまでは Zendesk Chat や Intercom といった他のチャットツールと似た動作、機能です。
しかし、チャネルトークにはいくつかの特徴的な機能があります。
・SMS送信
導入企業側がチャットを返した時に顧客がWebサイトを離れていた場合でも、携帯電話番号宛に SMS 通知を届けることができます。顧客はその SMS に記載された URL をタップすることで、チャットウィジェットに遷移し、やりとりを再開できます。
・LINE連携
チャネルトークは LINE との連携を公式で提供しています。顧客が LINE 内で問い合わせをした場合でも、チャネルトークの管理画面内でチャットやりとりが可能です。
・チャットボット
チャネルトークではチャットボットの活用も可能です。よくある質問に対して、顧客はボットとのやりとりを通じて最終的に回答を見つけ出すことができます。Zendesk や Intercom では、専用のヘルプセンターを導入企業側で事前に用意し、顧客に検索を通じて回答を探してもらう流れが中心となっています。
顧客管理やマーケティング機能の拡張
チャネルトークでは CRM(顧客管理) の機能も提供しており、特定の条件で絞り込んだ顧客に対して、一斉にメールを配信することができます。また、今までのやりとりを数値で評価/管理する統計機能も提供されているため、サポート品質を振り返りやすくなります。
前述したカスタムデータの登録を行えば、この顧客管理機能やマーケティング機能をさらに有効活用できます。 例えば、特定プランに契約している顧客に限定してメールを送信したり、登録から100日後にメールを送ることができるようになります。 今まで特定のタイミングで特定の顧客に対してメールを送るには、自社内でデータベースから該当顧客を検索し、メールを送信するといった自前での実装作業が必要でしたが、チャネルトークはこの手間を解消してくれます。
開発者向けの機能も提供
他のチャットサポートツールと同様、チャネルトークでも REST API や Webhook などの開発者向け機能を提供しています。開発者はこれらの機能を使うことで、自社システムとより深く統合させることができます。
また、チャネルトークには、日本語でのサポート体制があり、国内にエンジニアもいるため、的確なサポートを受けることができます。これは他の世界中に展開する チャットサポートツールと比べた時の大きな利点といえるでしょう。私自身、他の海外サービスで多くのサポートを受けてきましたが、時差の影響でチャットのやりとりが1日おきに必要となってしまうなど、解決までに時間がかかった経験が多くあるためです。
本記事の執筆時点でも大きな API のアップデートがあったりと、積極的に開発が続いているようです。本記事では開発者向けの内容を深くは記述しませんが、実際に利用した経験を元に別の記事として公開できればと考えています。
おわりに
本記事では、他のチャットサポートツールと比較した際のチャネルトークの特徴についてまとめました。 日本でも Web サイト上にチャットウィジェットを設けて、そこでカスタマーサポートを完結させる事例が増えてきています。
本記事をきっかけに、チャットサポートのツールとして「チャネルトーク」を検討してみてはいかがでしょうか。