CHS という指標をご存知でしょうか?本記事では、カスタマーサポート担当者なら知っておきたい CHS という指標についてご紹介します。
CHS とは?
CHS とは、Customer Health Score (カスタマーヘルススコア)の略で、顧客がサービスを使い続けてくれる可能性を予測するための指標です。 継続利用してもらうことが重要なSaaS企業は、早期に顧客の変化を感じ取り、解約に至らないように事前対策を講じることが大切です。カスタマーヘルススコアを活用することで、早めに顧客のアカウントで何が起こっているかについて気づきを得ることができます。
算出方法は?
ヘルススコアには、算出するための定式がありません。 では、どのようにヘルススコアを算出するかというと、まずは顧客維持に関係しそうな指標を集め、その指標を元に独自の式を作るのです。
例えば、ログイン回数やメンバー招待の有無、チャットサービスなどであればメッセージ送信数などの数値を指標として収集し、サービスの利用状況によってヘルススコアを100点満点で算出してみるのです。
<例>
・ログイン回数 なし:0点 5回未満:10点 5〜10回:20点 11回以上:30点
・ログイン頻度 1ヶ月以上なし:0点 1週間に1回:10点 1週間に4回:20点 毎日:30点
・メンバー招待 有:10点 無:0点
・メッセージ送信数 なし:0点 5回未満:10点 5〜10回:20点 11回以上:30点
このように顧客アカウントの健康状態を採点し、可視化することで、解約リスクが高くなった顧客に対して適切なサポートが実施できるようになります。
ヘルススコアを有効活用するために
1. 計算式を継続的に調整する
ヘルススコア算出の定式はないため、各企業ごとに「継続利用の傾向が強い顧客はどんな使い方をしているか?」ということを考え、独自にヘルススコアを算出しなければなりません。当然、当初の式で算出したヘルススコアが高得点でも、2〜3ヶ月したらそれらの企業が軒並み解約してしまったという事態も起こり得るでしょう。利用継続に関係あると思っていたログイン回数がほとんど関係のない要素だったということもあるのです。少なくとも6ヶ月ほどは当初の計算式を変えることなく、式の妥当性を検証する必要があるでしょう。
2. 通知、確認の仕組みを整える
ヘルススコアが低く、解約リスクが高いと考えられる企業がいる場合、直ちに対応策を考え、実行しなければなりません。しかし、そのためにはヘルススコアが低下している企業がいることを知る術を持っていなければなりません。例えば、ヘルススコアが20を切った企業が出た場合は、普段使っているチャットツールに通知が飛ぶようにしたり、1週間毎に顧客のヘルススコアを確認する習慣を作る必要があるでしょう。
3. 顧客の状態に応じた行動を取る
ヘルススコアの低い企業(解約リスクの高い企業)がいた場合、まず「どうしてヘルススコアが低いのか?」「ヘルススコアが高い企業との差は何か?」ということを考える必要があります。その上で継続利用してもらうために必要な対策を講じましょう。重要なのは、算出されたヘルススコアを元に行動を起こすことです。
おわりに
今回は、カスタマーヘルススコアについてご紹介しました。 CHS という指標を活用し、できる限り顧客アカウントを良好な状態に保てるように取り組んでみるといいでしょう。解約リスクが高まらないように事前対策を講じるとともに、危険水域に入った場合には早急に対応できる体制づくりが重要です。