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自社のヘルプセンターを有効活用するために実施したいこと

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ヘルプセンターは、数あるカスタマーサポートチャネルの中で唯一の"自己解決" 型のサポートチャネルです。 顧客がヘルプセンターを効果的に利用できるように、サポート担当者が実施したいことについてまとめました。

記事は単なる答えではなく、ストーリーを書くことを意識しよう!

ヘルプセンター を FAQ と同じように捉えることは禁物です。単なる質問と答えだけが列挙されたページ(FAQ)の場合、顧客は質問の答えしか知ることができず、その背景や関連知識などの有用な内容を知ることができません。したがって、顧客は何度も “答え” だけを探し続けなければならなくなり、ページを行ったり来たりする面倒が発生してしまいます。

ここでいう"ストーリー"とは、質問に対する答えというよりも、もっと全体的なサービスの流れや概念について解説するページのことを言います。例えば、ある機能の設定方法について記述する場合、まずは大きな全体像を伝えた上で個々の設定方法を一通り解説します。こうすることで単なる答えが載ったページではなく、記事になります。顧客はその記事の内容を通して俯瞰的に機能を理解することができ、単なる FAQ では得ることのできなかったより体系的な知識を得ることができます。

ただし、あまりに1つの記事が長すぎても顧客は読むことを諦めてしまいます。そこで 2,000字以内を目安に、図や箇条書きなどを効果的に利用して読むのを飽きさせないようにする工夫が必要です。読んでも最終的に答えが見つからなかったというケースが起きることのないよう、タイトルと内容を正確に一致させることに気をつけてください。

では、なぜ従来の FAQ と呼ばれるコンテンツは “質問”と“答え”しかないシンプルなものになったのでしょうか?背景には、システム面での仕様の問題があると筆者は考えています。ヘルプセンターの内容を"検索"する機能を実装することは、今までは非常に手間のかかることでした。そのため、質問と答えをカテゴリ分けして一括で見れるようにすることが最も開発として手早く実現できたのです。

しかし、最近は Zendesk のヘルプセンター構築などを利用すれば、記事を書くだけでその記事の内容まで検索で引っかかるようになります。これは大きな技術の進歩で、私たちは顧客に知りたい内容を検索ボックスに入力してもらうだけで良くなりました。つまり、記事一つ一つの内容を多く書いたとしても、顧客は求める回答を見つけ出すことができるのです。

ヘルプセンターを構築する場合は、例えば Zendesk ヘルプセンターのような記事の検索機能もついたものを選ぶと良いでしょう。

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顧客が簡単にアクセスできるようなリンク設計をしよう

ヘルプセンターへのリンクはどこに設置していますか?

よくある方法としては、ホームページのヘッダーやフッターにリンクを貼る方法です。しかし、例えば同じページ内に問い合わせフォームや、電話番号などがあれば、顧客はヘルプセンターに行く前に他の手軽な方法を選択するでしょう。

せっかくヘルプセンターの記事を書いても、顧客がその記事にアクセスをしなければ何の意味もありません。

まずはヘルプセンターで自己解決できるようにリンクの配置を設計しましょう。

ヘルプセンターでも解決できない場合は、気軽にメールやチャット、電話問い合わせをしていただくような流れを設計にします。ここでわざと見えづらいところにメール問い合わせフォームを設置したり、電話番号を掲載すると顧客は不信感を募らせてしまいます。ヘルプセンターの記事を優先的に出しながらも、失礼のないような形でコンタクト情報を公開することが重要です。

ヘルプセンター経由でのお問い合わせに対し、より意味を持たせるような工夫も検討しましょう。例えば、顧客が検索したワードやアクセスした記事を、問い合わせ時に CS 担当者が把握できるような仕組みが考えられます。事前に顧客が該当の記事を読んだとわかった上でサポートができるようになるため、より素早い課題の解決につながります。ヘルプセンターと電話/チャットなどの他チャネルが融合したサポートは、顧客にサービスの強い一体感を与えることができます。

おわりに

今回はヘルプセンターの有効活用の方法として、「ストーリーを書く」と「ヘルプセンターのリンク設計」についてご紹介しました。ヘルプセンターのコンテンツを充実させるのは当然のこととして、ヘルプセンターをより活用してもらうための設計を正しく行いましょう。そうすれば、サポートの負担を大きく低減する事ができます。

この機会に自社のヘルプセンターの運用について改めて確認してみてはいかがでしょうか。