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IVR機能を適正化!顧客満足向上を目指すために必要な視点とは?

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コールセンターなどでは、音声自動応答機能(IVR)を活用し、用件に応じて効率よく着信を振り分けています。しかし、長すぎるガイダンスに抵抗感を感じる顧客がいるのも事実です。本記事では、そんなIVR機能を有効活用して、顧客満足向上を実現するために必要な視点について書きました。

IVRとは?

IVRとは、企業の電話窓口で音声によるガイダンスを再生し、発信者のプッシュ操作に合わせてあらかじめ録音してある音声を自動的に再生したり、発信者の求める適切なオペレータへ着信を転送するシステム(機能)のことです。 通信販売での受注や予約、企業への資料請求、懸賞やキャンペーン応募の受付などで使われることが多いシステムです。 みなさんも、「再配達をご希望の方は1と#を押してください・・・」といったガイダンスを聞き、それに応じたプッシュ操作をした経験があるのではないでしょうか。 IVRは、顧客の目的に応じた最適な担当者に電話を着信させることができるため、余計な電話取次ぎの手間が軽減され、電話応対業務の効率化に役立ちます。また、音声ファイルを再生するだけで問い合わせ対応が完結するような場合(キャンペーン応募など)では、オペレータの人件費を0にすることも可能です。

こういったメリットがあるIVRですが、一方でIVRによって案内される顧客はIVRに対して抵抗感を抱いる事実があります。

なぜ顧客はIVRに対して抵抗感を抱いているのでしょうか?

顧客にIVRが敬遠される理由

コールセンター白書2015の調査によれば、「自動応答サービスについての感想」で「あまり使いたくない」、「絶対に使いたくない、もしくは使わない」という回答は約50%を占めました。また、その理由を尋ねると「音声メニューを聞くのに時間がかかる」という理由が55.8%でした。 つまり、顧客はIVRを利用すると、“待たされる”と感じるため、敬遠しているということでしょう。 たしかにプッシュ操作の選択肢が多いIVRを設定している電話窓口もあれば、ガイダンスを聞き終わるまでプッシュ操作ができない場合もあり、「IVR=待たされる、面倒」という認識になっていても不思議ではありません。

しかし、本当にIVRそのものが電話窓口のシステム(機能)として問題のあるものなのでしょうか。 IVRが有効活用されれば、顧客にとってもとりあえずオペレータに電話がつながったはいいが、転送を繰り返され、最適な担当者につながるまでに余計な時間がかかるということがなくなるため、有意義な仕組みとなりえるはずです。 このように考えると、どうもIVRそのものが電話窓口のシステムとして不適合なものとは考えられないのです。

適正化されていないだけ

従来のIVRシステムの導入には、高額な必要がかかり、導入にも手間がかかっていました。また、導入後に最初に決めた応答フロー(音声ガイダンス)を変更する必要性が生じても、その都度業者に変更依頼を出す(場合によっては変更費用を支払う)必要があったため、顧客の問い合わせ目的に応じてIVR設定を適正化していくというのが困難だった側面もあります。 「とりあえず現状の応答フローでも電話はつながるし、業者との面倒なやりとりや変更費用をかけてまで応答フローを適正化しなくていいか」というのが、少なからずIVRシステムを導入している企業にはあったのではないかと私は考えています。 そして、いつしか「IVR=待たされる、面倒」な仕組みという認識が顧客の中に広がっていってしまったのではないでしょうか。

本来、IVRは顧客の利便性や企業の電話対応の効率化を考慮した仕組みです。しかし、顧客の移り変わる問い合わせ目的に合わせて、ガイダンス設定が柔軟に変更されないままだったため、わかりにくい、ストレスの溜まる仕組みとなってしまっています。

では、本来のIVRの価値を最大限発揮させるためにはどういった視点や工夫が必要なのでしょうか。

IVRを有効活用するために

1.問い合わせ目的を集計し、応答フローを適正化する

自社の顧客がどういった用件・目的で電話問い合わせをしてきているかということを分析しましょう。問い合わせ用件の傾向を把握することができれば、現在の応答フローが最適かどうかを検討しやすくなります。プッシュ操作の選択肢を数多く作っておいても、ある操作番号は一切選択されていないのであれば、不必要な選択肢ということです。そういった不要な選択肢、ガイダンスを削除し、応答フローを簡潔なものにできれば、顧客に待たされているという感覚を与えずに済みます。

2.IVRの設計・設定が容易なシステムを利用する

IVRを適正化するためにも、IVRの設計・設定が柔軟かつスピーディに行えるシステムを利用しましょう。導入初期に設定した音声ガイダンスや応答フローを変更するのに、余計な連絡コストや変更費用がかかるシステムを選んではいけません。自社サービスの成長に伴い、顧客から寄せられる問い合わせ内容も変化していきます。そういった変化に応じて、スピーディにIVR設定も変えていく必要があります。でなければ、IVRで顧客は余計に待たされ、不満を抱えてしまいます。

3.最適な応答フローになっているか顧客に聞く

ユーザーとのミートアップなど、顧客と触れ合う機会を作り、自社のIVR設定、応答フローが顧客にとって最適化されているかをヒアリングしましょう。顧客満足度調査を行っている企業であれば、自社のIVR設定に関する感想を拾うような質問を設けてもいいかもしれません。IVRは、企業側にとっては効率的な電話対応を実現するためのものですが、顧客にとっては自分の疑問にすぐに答えをくれる担当者と繋がるためのものです。顧客の利便性がIVRによって高まっているかを顧客に聞きましょう。

おわりに

IVRへ抵抗感を抱く顧客もいるでしょう。しかし、IVRの設定・変更が容易なシステムを導入し、問い合わせ目的の傾向に応じてIVRを適正化していくことができれば、きっと顧客にとっても便利な仕組みへと変わっていくはずです。これまではIVR設定の変更のしづらさなどがあり、適正化されないまま多くの企業でIVRが運用されてきました。ただ現在では、CallConnect をはじめとしたクラウド電話システムでIVRの設定や変更が容易になっているため、顧客の利便性と企業側の電話応対業務の効率性を同時に高めることも可能です。 問い合わせ傾向に応じたIVRの設定を適宜行っていくことができれば、スムーズな電話対応が実現できるでしょう。

IVRを適正化し、顧客満足向上に役立ててみてはいかがでしょうか。