問い合わせに対して即答することが返って逆効果になることもあります。そのようなケースを紹介し、実際に回答を遅らせることで有効に顧客と連絡が取れる方法をご紹介します。
問い合わせがきたらすぐに対応しなければならない。 顧客はすぐに回答が欲しいために問い合わせをしてくるのであり、時間をわざと置いて返信するのは仕事を怠けているだけだ、と思われるかもしれません。
これはほとんどの場合、正解です。しかし、問い合わせ対応にすぐに対応することが、時に正解ではない時があります。特に、お客様からの問い合わせに対する回答が、"否定的なもの"である場合に問題が生じます。
お客様「〜などをすることはできますか?」
回答者「いいえ、できません。」
本来であれば、この回答の続きに「〜まではできます」といった回答も添えるべきです。ただ、今後もまったく提供する予定のないようなお客様からの質問の場合、どうしても否定的な回答だけで終わらなければならないこともあります。この場合、お客様はどう思うでしょうか。
お客様「上に相談してから回答してください。」
このような回答をもらうことがあります。カスタマーサポートは社内の中で権限が低いものだと思われている傾向が強く、"あなただけで即決できる話ではないでしょう"と思われてしまうためです。この場合は時間をわざと置いてから、以下のように答えることがテクニックの1つです。
「社内に持ち帰って検討しましたが、あいにくご提供することができないという運びとなりました。」
このようにしっかりと話し合ったということを伝えれば、お客様も「仕方がない、他の方法を探そう」と思ってくれる率が高まります。
クレーム対応にも先延ばしは有効
クレームというのは、一時的にお客様が不機嫌である場合に発生することが多いと言われています。具体的にはそのサービスの問題ではないけど、上司に嫌味を言われて気分が悪いなどの日頃のストレスによるものです。そんな時も一時的に間を置いて、お客様の心が和らいでいる時に後で連絡をし直すなどの対応が効果的となります。
先延ばしと言っても1週間以上待たせてはもちろんいけませんが、しっかりと適度に「忘れていませんよ」とアピールできる 2~3日を目処に再度コンタクトを取ってみるようにしましょう。
基本は即決であることをお忘れなく
問い合わせ対応の基本は即決です。そのために対応者は豊富な知識と相手の気持ちを汲み取る姿勢が必要です。この基本は揺るぐことがありません。
本記事で紹介した遅らせるテクニックは、あくまで例外的な即決したように思われるとかえって不都合になる場合にだけ使うこのとできる方法です。ぜひ時と場合に応じて適切な対応をとるようにしましょう。