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エンジニアとサポートが歩み寄るためのアイデア

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技術的なサポートが必要な場合を考慮して、サポートとエンジニアは密な連携を取れるような間柄である必要があります。本記事では両者が歩み寄るためのアイデアをご紹介します。

サポートとエンジニアが密にならなければならない理由

そもそもなぜサポートとエンジニアが密に連絡をやりとりする必要があるのでしょうか。それはエンジニアがサービスの仕様を事細かに把握しており、それがバグなのか正しい挙動なのか、調査が必要なのかを判断できるためです。もちろん提供するサービスにもよりますが、技術的で専門的な質問がよく来るようなサポートデスク(テクニカルサポート)の場合は特にエンジニアがサポートできる環境を用意しておくべきでしょう。問い合わせの中で、エンジニアの調査や分析が必要な質問が 2割 を超えるようであれば、エンジニアを側に置いておく必要があります。なぜならば、エンジニアがいないとその分の待ち時間が必ず発生してしまい、お客様の満足度を下げる要因になるためです。エンジニアが必要な問い合わせというのは概してあまり好ましくない問題であることが多々あります。それらを最優先で対応できるような環境を意識してチーム編成を組むようにしましょう。

異なるスキルを持った人でチームを組むと、一人一人の仕事に対するモチベーションを上げる要因にもなることもあります。このチームのサポートは私にかかっている。そのようなマインドで各担当者が仕事に打ち込めれば、良いプロダクトが生まれることでしょう。一般的には仕事において、「属人的な仕事を無くすべき」とはよく言われる話です。誰が休んでも、退職してもそのあとに同等のオペレーションができるような組織作りがマネージャーには求められています。ただ、属人化の排除の先に待っているのは「誰でもできるような仕事、やりがいのない仕事」なのです。マネージャーは属人性の排除と導入をバランスよく保つよう考慮する必要があります。

ここまででサポートとエンジニアが近づくことのメリットをご紹介しました。それではどのようにして両者が歩み寄っていけばよいのでしょうか。

サポートとエンジニアの距離を物理的に近づける

もっとも単純であり、効果的な方法です。エンジニアはエンジニア、デザイナーはデザイナー、サポートはサポートといったように職種ごとでグループ分けをするのではなく、プロダクトごとにエンジニア、デザイナー、サポートといったようにプロダクトでグループ分けをする方法です。

この方法をとれば、否応なしにサポートからの声はすぐにエンジニアに届き、今すぐサポート対応すべきか、後ででもいいのかを判断できます。プロダクト単位でチームを組めば、顧客の声を迅速にデザインや技術に反映できます。本来のスタートアップでは当たり前の光景ですが、これが組織が大きくなれるにつれて職種ごとに分けてしまいがちになります。職種ごとに分けるのにもメリットはありますが、よりスピードを高めるのであればプロダクトごとにチームを分けるべきです。

それを今すぐに実現するには困難という場合には、定期的にエンジニアがサポートの席の近くで仕事をするような環境を用意してみてはいかがでしょうか。そこには最低限一人だけエンジニアがサポート担当と一緒に話し合うことのできれば良いだけであるため、手軽な方法だと言えます。日ごとにエンジニアが入れ替わって話し合うようなチームだと良いでしょう。

サポートエンジニアという職種

サポートとエンジニアが組み合わさった"サポートエンジニア"という職種で活躍されている方もいらっしゃいます。個人的な予想ではありますが、顧客を意識しながらサービスを改善することのできるエンジニアは今後ますます価値を高める存在だと感じています。

サポートエンジニアに求められるのは、テクニカルサポートのスキルです。サービスや製品の仕様はもちろんのこと、必要であればデータの調査や変更などもできる能力が求められます。その上で顧客と対話をしながら問題を解決し、場合によってはプロジェクトマネージャーやデザイナーに使用感のフィードバックまでを行います。

サポートエンジニアが サポートチームの中に入れば、あらゆる問い合わせに対しての返答速度が劇的に向上します。わざわざエンジニアに聞かなくても対応できる状態になるためです。

ただこのようなスーパーエンジニアともいえる存在は、どの部署でも欲しがるような素敵な人材であるため、他の部署や企業への引き抜きなどに注意したいところです。

終わりに

うまく組織立てられていない部署では、サポートから見てエンジニアは「いつもコンピュータを覗いて話しかけづらい人たち」、エンジニアから見てサポートは「集中している時に緊急とか言って話しかけてくる人たち」のような関係になってしまっているかもしれません。これでは良いサービスや製品を提供することはできませんよね。

より良いサービスを維持するために、今一度エンジニアとサポートの関係について考えてみてはいかがでしょうか。