こんにちは!セルフリーの畠です。
本日は7月28日(木)に開かれた、Fablicさんの「CS FES '16 Jul.」のレポートをお届けします。
Fablicさんと言えば、フリマアプリの「フリル(FRIL)」が有名ですが、最近フリマアプリ初のチャットサポートの試験運用を開始したことでプレスリリースを出されていて、話題になっていましたね。チャットサポート自体は色んなサービスで見かけますが、CtoCのようにユーザーを多数抱えるようなサービスがチャットを始めるというのは、珍しいので、よく踏み切ったというのが最初の印象でした。
そしてCS FESは今回が記念すべき第一回目ですが、どんな内容だったのでしょう?
開始5分前にFablicに到着。
4周年ケーキがお出迎え。
司会はフリルの藤本さん。初司会とのこと。
トークセッション
今回は下記のトークテーマについてゲストが語る形式でした。
①採用のポイントは?
一人目のゲストは電警の西海さん
ECサービスなどのリスク対策や、インターネットのセキュリティ対策などを行っているそうで、
気をつけているポイントはQに対してAで返してくれるとのこと。
確かに質問に対して答えているようで答えが入ってなかったり、逆に質問が返ってきて、ストレスになるような経験はありますよね。
続いてフリルのCSマネージャーの須賀さん
Fablicに入る前は、スープの専門店のSoupStockTokyoで店長をされていたそうです。
フリルは現在40名程度が在籍中とのことで、CSは大きくお問い合わせ、チャット、パトロールの3つのグループに分かれています。
アプリの中で採用をかけている!
Fablicではサービスへの愛着を重要視していて、ユーザーからスタッフを採用しているそうです。 また、面接の段階でどういったフリルの使い方をしているか、サービスを使ってみて感じたことはないか等を確認しているとのこと。
②教育
(西海)
仕事の中でサポートなどの支援業務が決まった時は毎日1時間くらいサービスを使ってもらいます!
サービスを使ってもらうことでユーザーがどういう使い方をするかを体感してもらうようにしています。
一旦お客様に振り切る!
サービスの都合も会社の都合も、いわゆる大人の事情もすべてすっ飛ばして、お客様にとって何が良いかを最初に考えてもらいます。それによって出てきた方法が、全員に対してはできないでしょ?といった話にはなってくるのですが、じゃあ最大限何ができるんだろうというところに落とし込むようにしています。お前はどっちの人間だ?みたいになるのですが(笑)、最初から会社都合で考えるのではなく、お客さまの視点から始めて、落としていくことで、マインドが育まれると考えています。
(須賀)
教育に関しては、サービスを使ってもらってる前提で採用をしています。
そうすることで、OJTが少なくて済むというメリットがあります。
試しに、全くフリルを使ったことのないユーザーと、使いこんでいるユーザーを同時に採用してみてところ、一人前になるまで1ヶ月ほどの差がでました。
そういった意味で教育制度に関してより良くできたらと考えていて、画像付きのwikiを作るなど、入社後も能力を伸ばしていけるようにケアをしています。
自分達がサービスを使っているので、ユーザーがどういう時につまずくポイントかを把握しています。“その時ユーザーにはこういう感情が生まれるよね?” といった部分を話してマインドを育成できるような教育を行っています。
③チームマネジメント
(西海)
モチベーションという言葉を禁止しています。管理する側の視点でいうと“仕事”であり、モチベーションが低いというのは、言い訳になってしまうように感じます。その代わりにテンションという言葉を使うようにしています。
脱面談
面談はあまりしていません、本当の事を言わなかったりするので。それよりは机を横に並べて仕事をしながらコミュニケーションとるようにしています。こんなメールが来たんだけどどう思うとか、どうしたらいいかな?といったように、実際の業務を通して一緒に考えていくことで、信頼関係が築けると考えています。
(須賀)
現在のメンバーは40名程度ですので、1ヶ月あれば全員に面談することができます。
確かに面談は属人化してしまう部分もあると感じているので、スタッフの声を吸い上げるために実名のアンケートフォームを利用しています。何をストレスに感じている?とか、どういう部分をフリルや会社の中で変えていきたいのかといったことを聞いています。
④ファン作りの方法
(須賀)
ファン作りに重要なのは、①サービス自体の向上、②サポートなどによるブランド力の向上の2つがあると考えています。
サービスの向上は、ユーザーファーストのチームはCSとは別に社内に設けています。
POやPMを中心に開発サイドがCSに近い位置にいて、ユーザーから上がってきた声をサービスに反映させています。
サポートに関しては、イレギュラー対応などは、各企業がやっているかと思いますが、カスタマーサポートのマネージャーをやりながらも、ハンドメイドや広報関係イベントに積極的に参加しています。
ユーザーと実際に会うことができるので、作家さんに直接話すと”実はこういうトラブルがありまして”といった話を聞くことができます。フリルのCSの方が近い距離にいてくれるので、何かあったらすぐに報告できるという安心感を持って、もっと出品してもらえるのではないかと思っています。
イベントなどで出会ったユーザーに名刺を渡すこともあります。実際に連絡がきて、問題を解決できた場合や、採用の場面で須賀さんと話したことがあって応募しましたといったこともありました。
VOC(Voice Of Customer)に関しては “FMK=フリルの未来は君が作る”というGoogleプラスのコミュニティを作っていて、アルバイトや社員など形態に限らず、誰でも意見を投稿できるようにしています。
懇親会
トークセッション後の懇親会では2つにテーブルを分けて、1つはコミュニティマネジメントに関して、もう1つは、トラブルクレームに関する話題に関しての話し合うようなレイアウトになっていました。
CSに関して真剣に話しています。
なんとお寿司の提供が!
CS JAMの主催者の小川さん(メルカリ)と、須賀さん
まとめ
今回はFablicさん主催のイベントでしたが、他の参加者を見てみると、BASEやメルカリ、Wantedlyなどスタートアップのサポート担当者が多い印象でした。
主催者の藤本さんが今回のイベント開催を決意したのは、社内のコミュニケーションツールでポエムのようにイベントを開きたいということを書いていったら、すごいいいね!がついたからとのこと(笑)
須賀さんのように実際にイベントでユーザーに会いにいって、店番を手伝ったりもするという、通常のサポートの枠を超えた活動をされているのを聞いて、こういった活動ができるのがスタートアップでCSをすることの魅力であり、会社の強さになるんだなと感じました。 また、一旦顧客の立場で振り切って落とし所を考えるという西海さんの話も、マニュアルや人に聞いてしまいたくなる対応方法を、スタッフが自分で考えるにはどうしたら良いかを与える、とても“良い問い方”だなーと自社のサポートを考える上で参考になりました。
サービスの内容としては競合と言えるような会社同士であっても、同じサポートとして悩みを共有したり、より良いものをユーザーに提供しよう、CSを盛り上げようという意識で会社横断の仲間のような接し方をされていて、とても良い雰囲気のイベントでした。
Fablicさんは今後もCSイベントを行っていく予定とのことでしたので、今回参加できなかった方は次回のCS FESでお会いしましょう!
以上CS FES '16 Jul. のレポートでした!