顧客メッセージプラットフォーム Intercom では、顧客とチャットする際に、より詳細な情報を把握することのできるカスタム属性の機能を提供しています。本記事では Intercom におけるカスタム属性の設定方法と活用方法についてご紹介します。
カスタム属性とは
英語では “Custom Attribute” と呼ばれる本機能は、チャットする際の顧客情報に任意の追加情報を付与することのできる機能です。例えば、チャットをしてきた顧客の名前やメールアドレスだけでなく、自社サービスの契約しているプランや登録日、利用状況などを把握することができるようになります。Intercom では以下のような情報をカスタム属性にする例が挙げられています。
- プランの料金
- 購入の量
- プラン名
- 追加したチームメイトの数
- 再生した歌の数
- 定期購読の終了日
Intercom では、このようなカスタム属性をいくらでも追加することができます。(100以上は非推奨) 顧客の全てを把握した状態で顧客とチャットを開始することが可能になります。いちいちチャットサポート担当が「契約状況を確認しますので~~を教えていただけますか」といったアナウンスをする必要は一切ないですし、管理ツール上でメールアドレスから該当ユーザーを探すといった手間からも解放されます。
カスタム属性が役立つのは、サポート時だけではありません。Intercom には顧客管理をする機能が標準で搭載されていますので、対象の属性を持つ顧客が現時点で何人いるのかを簡単に把握することができます。この顧客検索の条件に独自で作成したカスタム属性で絞り込むことができるのが大きな魅力となっています。例えば、プランの料金が10,000円以上の優良顧客のみを一覧表示したり、その数を集計したりすることができます。
また、Intercom Engage を利用すれば、その絞った顧客に対して一斉にメッセージを送るようなことも可能です。顧客をよりエンゲージメントするための施策として、カスタム属性は大いに役立つことでしょう。
カスタム属性の設定方法
それでは Intercom のカスタム属性はどのように定義すれば良いのでしょうか。ここからは HTML の知識が必要となります。Intercom を埋め込んだエンジニアの方がいれば、その方にお願いしてみましょう。
普段、Intercom の設定ではメールアドレスや名前などの標準項目を JavaScript に埋め込むことになっています。
window.intercomSettings = { email: "bob@example.com", user_id: "123", app_id: "abc1234", created_at: 1234567890 }
この intercomSettings
には自由なキーと値を埋め込むことができます。これがカスタム属性です。
window.intercomSettings = { email: "bob@example.com", user_id: "123", app_id: "abc1234", created_at: 1234567890, "subdomain": "intercom", // テキスト文字は "" で括ります "teammates": 4, // 数字は ""で括りません "active_accounts": 12, "last_order_at" : 1350466020, // 日時は Unix タイムスタンプで、キー名が "_at" で終わるようにします。 "custom_domain": null // 対象属性が存在しなければ null とします }
たったこれだけで、 Intercom 側では対象ユーザーにカスタム属性が追加され、さらにユーザー一覧で対象のカスタム属性によってフィルタリングすることができるようになります。
終わりに
本機能の英語記事は、以下となります。
Send custom user attributes to Intercom
Intercom は単なるチャットサービスではなく、Web システムと密に連携した顧客管理ツールとしても大きく役立ちます。もしチャットだけを埋め込んでいるような使い方をしていた場合には、今回のカスタム属性で何が追加できるかを考えてみてはいかがでしょうか。