SaaS をはじめとして、何かしらのプロダクトを提供する場合、ヘルプセンターを用意することが一般的です。ヘルプセンターを見ずとも操作方法を理解できるのが理想とはいえ、それは現実的ではありません。 本記事では、わかりやすいヘルプセンターの作る上で基本となる3つのポイントをご紹介します。
1. 探している情報を見つけやすくする
多くのヘルプセンターには、記事の検索機能があります。数十、数百ある記事の中から自分が知りたい情報を見つけるために、ユーザーは検索機能を活用します。
しかし、何かしらの検索ワードを入力して検索しても、ヒットする記事がなければ、ユーザーは自己解決できません。結果として、メールや電話窓口に問い合わせを行い、有人サポートを必要とすることになります。 ユーザーの自己解決を促し、サポートコストを軽減する目的でヘルプセンターを設けても、疑問を解決してくれる該当の記事が見つからなければ意味がありません。
わかりやすいヘルプセンターを構築する上でまず欠かせないのは、情報を見つけやすくすることです。 そのためには、電話対応などの有人対応を通してユーザーがよく使う言葉を知る必要があります。 また、ヘルプセンターツール側での検索ワード分析機能や、Google Analytics 側での検索ワード分析機能を活用し、どういったワードで記事を検索しているのかを把握しなければなりません。
ユーザーがどういう言葉で記事を検索するのかを意識し、そのワードを記事のタイトルや文中に含めることで、検索ヒット率が向上します。結果として、探している情報が見つけやすくなります。
2. 文章を読むのに労力をかけさせない
プロダクトによって前提となる概念や法令部分の説明など、ヘルプセンターの記事内で説明する内容が多いこともあります。また、設定完了までのステップが多く、どうしても文章が長文になってしまうこともあるでしょう。
しかし、ユーザーによっては、文章量が多いために内容を正しく理解できなかったり、読むのを諦めてしまったりすることがあります。
こういった課題を解決するためには、必須ではない言い回しを使っているようならそれらを削除するといった対策が必要です。例えば、「お手数ですが」「恐れ入りますが」といった言葉を使っているようであれば、それらを削除して少しでも文章を短くしましょう。 加えて、記事の冒頭部分に目次を用意し、これからどんな内容をどういった順番で説明するのかを端的に示すことが重要です。この記事によって何がわかるのかが不明なまま、記事を読み進めるのには大きな労力がかかります。
記事の全体像を示し、興味ある部分だけを読み進められるように工夫することが重要です。
3. わかりやすい言葉、文章にする
「1.探している情報を見つけやすくする」でご紹介した通り、ユーザーが普段からどのようなワードを使うかを把握することが重要です。ユーザーに馴染みのない専門的な用語を使っても、ユーザーは意味を理解できず、課題解決できません。
ヘルプセンターを作成・修正する担当者がカスタマーサポートの現場で顧客対応に従事していない場合も考えられるため、専門用語を使ってしまっているという意識がないこともあります。そのため、カスタマーサポート担当者が中心となって、ヘルプセンター内で使われているワードを精査し、現場との乖離がないかをチェックすることが大切です。
また、「一文を短くする」というのも大切です。一文の中に複数の主語述語があると、文章の意味が理解しづらくなります。一文一義を心がけましょう。
おわりに
今回は、わかりやすいヘルプセンターを作るポイントを3つピックアップして、ご紹介しました。
いずれも基本的なポイントとはなりますが、これからヘルプセンターを構築する方や既存のヘルプセンターを改めて見直したい方は参考にしてみてください。 プロダクトがアップデートされるたびに新規の記事を追加する必要があったり、既存の記事を修正したりする必要があるため、知らず知らずのうちに運用ルールが忘れられ、わかりにくいヘルプセンターになってしまうこともあります。
毎月ユーザーがどういったワードで記事を検索しているのかを振り返る習慣を作りましょう。そして、ヘルプセンターの記事作成ルールを明文化し、社内に周知徹底することが重要です。