継続課金を前提としたサービスでは解約(チャーン)を防ぐことで、収益が安定し、継続的にビジネスを成長させることができます。本記事では、“解約”を減らすためには、どのような視点も持って業務改善に乗り出す必要があるかということについて考察します。
3つの視点から振り返る
やみくもに解約原因を探り始めても、的確に原因を把握できるとは限りません。そこで、以下の3つのポイントに着目し、それぞれのフローにおいて問題がないかを振り返るようにしましょう。
・セールス
企業向け製品を提供している企業においては、自社のセールス担当者が見込み顧客と商談を行い、製品の特徴や導入メリット/デメリットを伝えていることでしょう。解約が増える原因、もしくはなかなか減らない原因は、自社のセールスフローに問題があるからではないでしょうか?
例えば、セールス担当者が単月ごとに売上の目標数字がある場合、その数字を達成するために多少強引にでも製品の導入を推し進めてしまうケースもあります。製品の本来のユースケースではないにも関わらず、数字達成をしたいがために“製品のメインターゲットではない顧客”に製品を売ってしまうのです。 もしこれが常態化している場合、顧客を獲得したとしてもその顧客は製品を長く使い続けてくれません。
解約が増えている場合は、セールス担当者が正しく自社製品の価値を把握し、正しい利用方法を伝えられているか、振り返ってみるといいでしょう。
・オンボーディング
次に確認したいポイントは、オンボーディングのフローです。オンボーディングとは、製品をスムーズに使い始めてもらうための手ほどきを意味します。セールスが正しい顧客に製品を販売できていても、製品の使い始めの段階でつまづいてしまうと解約に繋がる可能性も高まります。
製品の操作に慣れ、活用方法を把握してもらうのは導入から早ければ早いほどいいですが、遅くとも導入1ヶ月以内には適切なオンボーディングの実施を目指す必要があります。 導入後、できるだけ早いタイミングで製品の価値を体感してもらえているか、操作方法を理解してもらうのに時間がかかりすぎていないかということを振り返ってみましょう。
・プロダクト
最後に確認したいポイントは、自分たちが提供している製品(プロダクト)です。 もし上記の2つのポイントを改善し、特に問題がないとしたら、提供している製品自体に根本的な問題があるのかもしれません。 顧客の課題を解決するのに十分な製品ではない可能性や、操作方法が複雑で使いづらい製品になっている可能性もあります。 製品のコアな価値は何なのかということがわからなくなってしまえば、自然と製品の魅力も減っていき、顧客が離れていきます。
そこで、利用中のユーザーに、製品のどこを気に入っているのかヒアリングし、改めて製品の強みを整理してみるのもいいでしょう。 製品の強みを洗練させると共に、使いやすいシンプルな設計を心がけます。
おわりに
今回は、解約を減らすためには、どのような視点から業務を振り返る必要があるのかということについて書きました。
解約が増えている場合、収益も減り、自然と焦りが生まれてきます。その焦りによって解約原因を探る際に見落としも生まれやすくなります。そんな時こそ、今回紹介した3つの視点から解約原因を探り、解約と向き合っていきましょう。