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顧客の感動を生む言葉はマニュアルからは生まれない

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マニュアル通りの回答。それは無難に答えを返すというだけであり、より良いサポートを目指すのならばマニュアルではなく、個々の意識改革が必要不可欠です。本記事では感動を生むサポートを実現する手法を考察します。

マニュアルでのサポートの大きな欠点

そもそもなぜ"マニュアル"というものが存在するのでしょうか。それは、管理者がオペレーターの"質"を均一化したいためです。マニュアル通りに動いてくれれば、最低限のことはどんな人がオペレーターとして任せてもやってくれる。しかもそのマニュアルをどんどん良いものに更新していけば、すべてのオペレーターの品質が上がる。その改善を繰り返せば完璧だ。というのがマニュアル化を好む企業の一般的な考えです。

この考え方は合理的なように思えます。ただし、サポートではなかなかマニュアル化の適用が難しいことがあります。それはお客様の問い合わせ内容は千差万別で、どれもマニュアル通りに対応するのは不可能であることがあります。強引にマニュアル通りに対応することになると、お客様にとって理解不能な行動をとりがちになり、それがかえって不信感につながってしまいます。また、感情的な話になりますがマニュアル通りの対応には気持ちがこもりません。マニュアルを用意してしまうと、マニュアル通りに動くことがオペレーターの目的となってしまい、顧客の課題解決が目的として見えにくくなってしまいます。

よくあるマニュアル化の失敗は次のような形です。お客様が問い合わせをして、すぐに回答を得たい場合でしかもそれがすぐにできることだとわかっているような場合に、マニュアル通りの対応では、対応する前に確認のフローなどが入ってしまいがちです。それはより確実に対応するためといったことがマニュアルにはあるのですが、お客様にとってはなぜそのような面倒な形ですぐ解決できないのか不信感を募らせる結果となります。「なぜすぐにやってくれないのか」を聞いたところで、「そのように(マニュアルで)決まっているからです」という回答をするしかオペレーターもできません。よくあるマニュアル化の失敗は意外と身近に潜んでいます。

マニュアルのないヘルプセンター

そこで、あえてマニュアルを設けないヘルプセンターを考えてみます。初めはマニュアルがないとオペレーターは不安になることでしょう。管理者のやるべきことは、オペレーター一人一人に自信を与えることです。先ほどの返答のここが良かった。ここをもっとこうすれば良くなる、とアドバイスしましょう。オペレーターがより良いサポートを実現するのに必要なことは、自信を持つことです。それが顧客への信頼感につながり、自発的に行動するオペレーターを育成することにつながります。時に誤った自発的な行動をしてしまうかもしれませんが、しっかりと理由を説明し、改善していけば良いのです。

確かに、マニュアルをパッと渡してあとはこれ読んでやってね、というやり方は管理者としては楽です。しかし、その楽な代償として、顧客やオペレーターの満足度の低下、ゆくゆくはお問い合わせ窓口の品質低下は免れません。

本当によい問い合わせ窓口を開設したいのであれば、オペレーターに自由と自信を与えるようなマネージャーのあり方を考えてみてはいかがでしょうか。