本記事では、ビジネスチャットツール「ChatWork」とクラウド電話システム「CallConnect」を連携することで実現する、顧客の声をサービス開発に生かす体制作りについて書きました。
「ChatWork」とは?
チャットワークは、業務の効率化と会社の成長を目的とした、 メール・電話・会議に代わるコミュニケーションツールです。
ブラウザだけではなく、デスクトップ、スマートフォンやタブレットなど様々な環境で利用可能で、導入企業数も95,000社を突破しています。
ChatWork:http://www.chatwork.com/ja/
「CallConnect」とは?
CallConnectは、ブラウザ上で電話の受発信や通話履歴の管理、通話録音などが即日可能になるクラウド電話システムです。
ビジネスフォンの代わりとして使えるのはもちろん、顧客管理機能や分析機能もあるので、サポートデスクの立ち上げやコールセンターシステムとしても最適です。
CallConnect:https://www.callconnect.jp/
より良いサービス開発には顧客の声が必要
より良いサービス開発、そして企業の成長には、“顧客の声”が欠かせません。顧客を満足させる良い製品を、適切な市場に出しているという状態(プロダクトマーケットフィット)を作ることなしに成長は難しいといえます。
そのため、私たちは“顧客の声”に耳を傾けなければなりません。あらゆるサポートチャネルを通して日々寄せられる顧客の声にいざ耳を傾けてみると、製品/サービスに関する重要な気づきが得られる場合も多々あります。 それによって、サービスのバグを発見することもあるでしょうし、UIの改善につながることもあるでしょう。また、そもそも顧客が本当に求めているものを知ることだってできるかもしれないのです。
そこで、Chatworkを導入し、メールなどで寄せられた顧客の声やインタビューして得た顧客の声を社内の各部門へと共有するように取り組んでいる企業も多いかもしれません。 しかし、こと“電話”に関して言うと、未だそうした社内の情報共有ツールとは切り離されていることも多く、電話での顧客対応を通して得ることのできた顧客の声を開発部門などへ効率的に共有できているケースは少ないのではないでしょうか。
ChatWorkとCallConnectを連携すると、どうなる?
この2つのサービスを連携すると、CallConnectを活用して顧客と通話した際に、通話録音データやメモした内容がChatWorkへ自動通知されるようになります。
通話が終了するとChatWorkに通知が流れるので、顧客からのフィードバックを開発部門の人間がリアルタイムで把握することもできるようになります。
仮にその内容がサービスの使い勝手に関するクレームであったり、こうした使い方はできないのかといった質問であれば、開発部門の人間は月一回のカスタマーサポート部門からの定期的な報告を待たずに、すぐに生きた顧客の声を把握することができるわけです。
CallConnectからChatWorkへ通知される情報は、以下の通りです。
- 発信元電話番号(顧客名)
- PC上でメモした内容
- 通話録音データのURL
- CallConnect上に登録されている顧客情報へのURL
こういった感じで通知されます。
どうやって連携するの?
ChatWork 連携を実施するには、まずChatWorkでAPI利用申請をしていただく必要がございます。ChatWork API のページより、APIの利用申請をおこなってください。数日待つと、APIが利用できるようになります。
API トークンの取得
利用申請が通った後、Chatwork内の動作設定よりAPI発行のタブを選択し、そのAPIトークンをコピーします。
Room IDの取得
CallConnect からのメッセージをどこに投稿するかを選択します。それには、ChatWorkのRoom IDを取得します。
ChatWork のチャット画面のWebページのURLを見ていただくと、https://www.chatwork.com/#!rid1111111のようになっていますが、このrid以降の数字がRoom ID です。この数字をコピーします。
実行タイミング
CallConnectの実行タイミングについての記事をご参照ください。
CallConnectでの連携
CallConnect の管理->連携より ChatWork を選択し、APIトークンとRoom IDそれぞれを貼り付けて連携します。
以降、CallConnectでのPC電話が終了するたびにChatWorkへ通話内容をこのように投稿するようになります。
顧客の声をサービス開発に生かす体制を構築しよう!!
電話を通して顧客とコミュニケーションを取ることは、会話を介して顧客の声を深堀りできるというメリットがあります。 また、カスタマーサポート部門はそうした顧客とのやりとりを通じて得た自社サービスへのフィードバックを社内全体もしくは開発部門などへ共有する必要があります。
しかし、なかなか現場の温度感ごと各部門へ共有するのは難しいでしょう。であれば、実際の顧客とのやりとりを録音した音声データごと開発部門の人間に聞いてもらうことで、その問題がどのくらい顧客にとって重要な課題なのかを理解することも容易になるでしょう。 社内の人間から伝え聞くよりも、実際に顧客の生の声を聞くことで、わかることもあるはずです。
CallConnectとChatWorkの連携は、顧客の声をサービス開発に生かしやすい体制構築を容易にしています。
これにより、顧客の声がスムーズに各部門へ共有され、より良いサービス開発が可能になると私は考えています。