カスタマーサポート担当者は、会話やメールを通して顧客との信頼関係を構築していかなければなりません。本記事では、顧客との関係性を良好にするために使えるある心理テクニックをご紹介します。
親密度を高める「バックトラッキング法」
まず、バックトラッキング法とは何かについてですが、バックトラッキング法とは、「相手の言葉を繰り返すこと。いわゆるオウム返し」のことを言います。多くの人が否定的な意見よりも、自分への賛同であったり、理解を求めているものです。
そこで、こちらが顧客の言葉を繰り返すことによって、顧客に「この人はしっかりと理解してくれているな」という印象を持ってもらえるようにするのが、バックトラッキング法の狙いです。 仮に、顧客の意見とは異なる意見を自分が持っていた場合でも、すぐに反論するのではなく、顧客の言ったことをオウム返しして、一旦受け入れ、それから自らの考えや正しい利用方法を伝えた方が円滑なコミュニケーションになりやすいでしょう。
3つのバックトラッキング法
バックトラキング法は、大きく3つに分類されます。
- 顧客が言ったそのままの言葉を言い返すパターン
- 顧客の話のポイントを要約して、言い返すパターン
- 顧客の「感情」を汲み取って、言い返すパターン
顧客の話を聞く中で、顧客の勘違いが原因でトラブルが発生していることが判明したとします。そういったときに、話を遮って、正しい説明をしたくなったとしても、話が終わるまでじっと待たなくてはなりません。顧客の話を聞いた時に、「いや…」とか「でも…」といった逆接の表現をすぐに使ってしまえば、どうしても対立構造になってしまいます。
そのため、仮に反論する場合でも、一旦受け止める姿勢を示した方が良いでしょう。 そのあとにこちらの意見を伝えればいいのです。
人は理解され、受け入れられたい。
自分の考えや意見を否定されることは、あまり気持ちのいいことではありません。 できることなら、多くの人と心の通い合った会話をし、信頼関係を築いていきたいと感じるものでしょう。
日常会話でもそうですが、カスタマーサポートの現場では特に、相手に気分良く話をしてもらうことが重要です。 そうすることで、相手の本音も出やすくなるからです。
顧客の本音を知ることは、顧客が抱えている本質的な課題を知るということにも直結します。
そのため、相手に気分良く話してもらう環境はカスタマーサポートの役割を担う人が、特に意識して作りあげていくべきものと言えます。
まとめ
今回は、バックトラッキング法という、「相手の言葉を繰り返すこと。いわゆるオウム返し」をすることで、相手との親密度を高めるテクニックをご紹介しました。
カスタマーサポート担当者は、色んな方と接する機会が多いかと思います。 もちろん、明らかに考えや意見の違う方、一方的に話をしてくる方と出会うこともあります。 そうした時に、すぐに逆接の言葉を用いて自分の意見を伝えるのか、一度相手の意見を繰り返して確認し、受け止めてから伝えるのかでは、大きな違いが生まれることでしょう。
そのため、ぜひ意識的に相手の言葉や感情をオウム返しで伝えることで、「理解してますよ」という姿勢を相手に示すことをオススメします。