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NPS®︎を有効活用するために意識したいこと

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顧客ロイヤルティを計測する際に活用されるNPS®︎(ネット・プロモーター・スコア)ですが、運用を始めたものの、うまく活用できずにいる企業も多いのではないでしょうか。本記事では、NPS®︎を有効活用するために意識したいことについてご紹介します。

NPS®︎とは?

NPS®は、Net Promoter Score®(ネット・プロモーター・スコア)の略で、顧客ロイヤルティを測るための指標です。

企業は顧客に、「この企業あるいはこのサービスを友人や同僚に薦めますか?」というシンプルな質問を投げかけます。その質問に顧客は0~10までの点数をつけて回答します。そして、0~6の回答者は「批判者」、7~8の回答者は推奨も批判もしない「中立者」、9~10の回答者は「推奨者」とスコアに応じて顧客を3種類に分けます。NPS®は、この「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値のことを指しています。
企業はこの数値を算出することで、自社サービスを活用している顧客がどの程度好意的な印象を持っているかということを把握することができます。

NPS®︎を有効活用するために意識したいこと

NPS®︎計測サービスの「Wootric」などを活用し、NPS®︎の計測を始める企業も多いでしょう。しかし、計測するだけで終わってしまい、NPS®︎を事業成長にうまく活用できていないケースもあるのではないでしょうか。そこで、NPS®︎を有効活用するために意識したい点を3つご紹介します。

1.NPS®︎の経済性を明らかにする

NPS®︎を高めることで、どれだけの収益向上に繋がるのかを把握することが重要です。顧客ロイヤルティを高める上では、それ相応の投資を行う必要があります。良質なサポートを提供することによって、顧客からの信頼が獲得できるとなれば、当然サポート担当者の育成などにコストがかかります。NPS®︎の経済性を明らかにしない限り、会社としてもNPSの重要性が正しく認識できず、必要な投資ができないでしょう。

そこで、顧客の平均的なLTV(顧客生涯価値)を算出し、推奨者、中立者、批判者というセグメントごとにLTVの違いを明らかにします。 それぞれのセグメントによってLTVの違いが明らかになれば、中立者を推奨者に変えることにどれだけの価値があるのかを理解することができます。結果として、積極的にそのための投資を行うことも可能になるでしょう。

2.フィードバックを直接現場に伝える

CS部門などの特定の部門がNPS®︎の調査結果をまとめ、現場や経営層に報告する体制になっている企業も多いでしょう。 ロイヤルティを低下させる根本的な課題を発見するためには、フィードバック全てを誰もが把握できる体制を作る必要があります。前向きなフィードバックは現場のモチベーションを高めることに繋がり、批判的なフィードバックは顧客とより真摯に向き合う姿勢を生み出します。

そこで、社内のチャットツールなどにフィードバックのひとつ一つが届くような体制を作ってみてはどうでしょうか。 もちろん、顧客からのフィードバックが日々数百数千とある場合は全てに目を通すのは難しいですが、少しでも顧客からの生のフィードバックに触れられる体制を作る努力が必要です。

3.収益とのバランスを取る

NPS®︎を向上させるためには、日々顧客のフォードバックと真摯に向き合い、根本的な課題を解決するために何ができるのかと考えることが重要です。しかし、推奨者を作ることばかりに集中しすぎると、企業の収益を減少させる結果を招くこともあります。 例えば、推奨度を高めるために大幅な値引きや無料プレゼントを実施すれば、短期的にはスコアは向上するでしょう。しかし、ロイヤルティ低下の根本的な課題を発見し、それに対処しない限りは長期的には意味がなく、企業の収益を減少させることになります。 NPS®︎の向上を考える上では、企業の収益とのバランスを取ることを意識する必要があります。

おわりに

顧客一人ひとりがSNSなどを通じて良い口コミも悪い口コミも拡散できる現代だからこそ、顧客とどのような関係性を築くかがあらゆる企業において重要になってきています。顧客ロイヤルティを高めることで、熱狂的なファンが生まれ、既存顧客が新たな顧客を連れてきてくれることもあります。企業は今こそ顧客ロイヤルティの向上を最優先事項として位置付け、積極的な投資をしていく必要があるのではないでしょうか。

NPS®︎を導入する際には、ぜひNPS®︎を高めることの価値を明らかにし、全社的に取り組みやすい環境を整備してみてください。