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コンタクトセンターにおけるコーチングに必要な5つの要素

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カスタマーサポートの人員規模が大きくなってくると、オペレーターを管理するスーパーバイザーが必要となってきます。本記事ではスーパーバイザーに求められるスキルのうち、コーチングに焦点を当てて必要な要素を解説します。

コーチングとは

コーチングとは、「スーパーバイザーがオペレーターの対応を観察し、オペレーターごとに適切な指摘や助言をすることにより、オペレーターのパフォーマンスを向上させること」を指します。

とりわけコンタクトセンターに新しく配属されたオペレーターは、基礎を学んでいたとしても実務経験が乏しい状態です。そこで、実務を通して適切なコーチングをすることでサポート品質の安定化を図ることができます。
また、指摘を受けたオペレーターも、「正しく仕事を教えてくれる」という安心感を得ることができます。 優秀なオペレーターの行動をモデル化して社内に共有しておくことで、コーチングの際により説得力を増して説明することが可能になります。

コーチングのポイント

コーチングにおけるポイントについてご紹介します。

タイムリーである
電話やメール対応後すぐにコーチングをすることで、オペレーターの記憶にも残りやすく、改善の意識を持ってもらうことができます。

具体的である
アドバイスをするにしても、具体的にどの部分を改善すべきなのかが曖昧だとアドバイスの意味がなくなってしまいます。コーチングをする場合には、最終的に何を意識して実践すべきかをオペレーターに対して明確に説明する必要があります。

否定に偏らせない
悪い点ばかりを指摘してしまうと、オペレーターは自信を失ってしまうと同時に、そのアドバイスを聞く意欲も失ってしまいます。ただ闇雲に欠点を指摘するのではなく、そのオペレーターの良い点を含めて説明することで、アドバイスを受けて入れてもらいやすくなります。
また、コーチングはあくまで「欠点を指摘するのが目的ではなく、スタッフの成長を目的としたもの」です。いつの間にかオペレーターに対して文句しか言わないような形になってしまうようだと、そもそものスーパーバイザーとしての役割を満たしていないことになります。

各個人の目標に合わせる
入ってきたばかりのオペレーターに対していきなり高度なアドバイスをしても実践は困難です。オペレーターごとに適切な目標を設けて、その目標に対してのアドバイスを行いましょう。結果、オペレーターの改善意欲も高まります。

データを集める
必要であればスーパーバイザーの主観だけでない数値的な材料を用意しておくと説得力を増すことができます。例えば、対応を早く終わらせようと早口になってしまったり、逆にお客様を満足させられずに長時間通話してしまっている傾向は、オペレーターごとの通話時間のデータを集計することで対応できます。他のオペレーターと比べて明らかに短い/長い などの説明ができれば、オペレーターを納得させる一つの材料として活用できます。

より効果的なコーチングを実現する方法

既にオペレーターのコーチングを行っていたり、これから始めようとする場合に、どのような点を意識するとより効果的なコーチングができるかについてご紹介します。

達成すべき目標を明確に
先ほども説明した通り、オペレーターごとに適切な目標を設定しましょう。最近のコンタクトセンターシステムでは、オペレーターごとに様々な数値を集計することができるようになっています。これらの数値をベースに目標設定し、達成に向けた具体的な行動までをスーパーバイザーとオペレーター間で認識を合わせておくといいでしょう。
また、達成可能である目標が設定されているかどうかにも注意しましょう。最初から達成不可能な目標を無理に強いると、オペレーターは最初から諦めてそもそも努力しなくなってしまいます。

コーチ自身がプロフェッショナルに
コーチ自身がオペレーターとして模範的な行動を示せるようにしましょう。オペレーターのスーパーバイザーに対する信頼が薄いと、コーチングをしてもアドバイスとして受け入れてくれません。そこで、定期的にスーパーバイザーも電話やメール対応を率先して行い、模範になることを意識します。そうした積極的な姿勢が、オペレーターのスーパーバイザーに対する信頼を生み、それぞれが快適に働ける環境作りに繋がっていきます。

終わりに

今回は人員規模が大きいコンタクトセンターで必要となってくる「コーチング」に関する内容をご紹介しました。

もし、既に人員規模の大きいコンタクトセンターを運用しているにも関わらず、スーパーバイザーの役割がいない場合には、本記事を参考にスーパーバイザーを置くことを検討してみてください。

本記事は以下のスーパーバイザー向けの書籍を参考にしました。大規模なコンタクトセンターの運営に興味のある方は一読されることをお勧めします。

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