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主観を客観に。CS担当者が身に付けたいデータ分析の基本とは?

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サービス品質などを正しく評価するためには、データに基づいた客観的な結論が必要です。本記事では、カスタマーサポート担当者が身につけておきたいデータ分析の基本について書きました。

CSの現場におけるデータ分析の重要性とは?

顧客の声を元に改善策を検討・実施するにあたって、「なんとなくこう思う、こう感じる」という主観的な感想だけでは周囲を上手に巻き込むことや本質的な改善を行うことは難しいでしょう。なぜなら、周囲の人間はその意見に対して「それって本当なの?」という疑問を抱くからです。これでは、せっかくの顧客からのフィードバックも社内に広く共有されることもなければ、具体的な改善に繋がることもなく、無駄になってしまいます。

このような事態を防ぐために重要なのが、カスタマーサポート担当者自身がデータ分析の基本を知り、客観的かつ論理的に考え、行動することです。これによって、意見や行動の曖昧さがなくなるばかりか、今までは気がつかなかった新しい事実にデータを通して気がつくことだってできるかもしれません。

データ分析の基本

1. 目的を明確にする

稀にデータ(数値)を見ることばかりに夢中で、そのデータを使って何をしたいのかという目的を見失っている場合があります。データ分析を行う際は、「そのデータを何のために使うのか」という目的を常に意識するようにしましょう。これが明確にならない限り、収集すべきデータが明確になることはありません。例えば、「サポート業務の効率化を図りたい」という目的意識を明確に持つことができれば、自ずとどのような業務にどれだけの時間がかかっているかをデータを通して把握しようとするでしょう。

2. 使うデータを選択する

例えば、「顧客満足度を高めたい」という目的があった場合、どのような指標が必要でしょうか。パッと思いつくのは、顧客満足度に関する直接的なデータでしょう。しかし、このようなデータが必ずしも手元にあるとは限りません。そのような場合には、顧客満足度と関連性の高そうな“利用継続率”や“クレーム数”と行った別のデータから分析をしてみます。重要なのは、仮説でも構わないので試行錯誤することを通して定量化を目指すことです。

3. データの分解・集約方法を考える

データを上手に分解することで、結果に影響を与える要因について気づきを得ることができます。データを分解する時は、エリア別や性別、利用プラン別など、差異が出やすそうな切り口でデータを分解してみることが大切です。
また、手元にあるデータが限定的で顧客全体の傾向を把握するには不十分な場合、他の時期や支店のデータも含めることで全体の傾向を掴めるようにしましょう。

事実を客観的に伝えてみよう

まずは主観的な意見を客観的な意見として伝えられるように取り組んでみてはいかがでしょうか。
例えば、特定の機能に関する顧客からの問い合わせが“多かった”と感じる時があったとしましょう。このような場合に、「多かった」と伝えるのではなく、「前月は10件しか問い合わせがきていないにも関わらず、今月は100件も問い合わせがきた」と伝えてみるのはどうでしょうか。これによって、事実をわかりやすく周囲に伝えられるようになるだけでなく、「なぜそうなったのか」という客観的な事実の裏にある原因について考えるきっかけが作れるはずです。

おわりに

今回は、データ分析の基本についてご紹介しました。
データ分析を行う上でまず重要なのは、目的を明確にすることです。そして、関連性のありそうなデータを仮説でもいいので選択し、必要に応じて分解・集約してみるのです。この一連の流れや基本を抑えることができれば、データ分析の第一歩を踏み出せたと言ってもいいでしょう。

本記事をきっかけに、データ分析思考を日頃から持てるように取り組んでみてはいかがでしょうか。