顧客体験を向上させるためには、それ相応のコストがかかります。しかし、全ての企業が必ずしも潤沢な資金、人的資源を持っているわけではありません。本記事では、コスト削減と顧客体験の向上を同時に達成させる方法についてご紹介します。
顧客に労力を割いてもらう
それ相応のコストをかけないと、顧客体験の質を向上させられないかというと必ずしもそうではありません。顧客を教育し、顧客に働いてもらうことで、企業はコストを削減しつつ、顧客体験の質を向上させることができます。その良い例が、セルフサービスです。
例えば、食料品を買いにスーパーに行った際、私たちは自分で商品を見比べ、好きな商品を自由に手に取ることができます。この体験は私たちにとって苦痛ではなく、むしろ楽しい体験といえます。 しかし、店員のいるカウンターの後ろに商品が置かれていたとしたら、私たちは都度店員に頼んで商品を取ってもらわなければなりません。これでは企業側の人件費もかさみますし、顧客体験としても面倒なだけで望ましい状態とはいえないでしょう。 私たちの身近にあるこのようなセルフサービスは、従業員が働く代わりに顧客に働いてもらうことによって、コストを削減し、顧客体験を向上させた事例といえるでしょう。
しかし、全てのセルフサービスがコスト削減と顧客体験の向上を同時に達成している訳ではありません。企業側のコスト削減だけに重点が置かれ、顧客にとってはストレスを感じるだけのセルフサービスの例もあります。スーパーの例で考えれば、セルフレジがこれに該当するのではないでしょうか。
重要なのは、顧客を教育し、顧客が率先して行動したくなるような仕組みを作ることです。これによって、企業はコストを削減できるだけでなく、顧客体験を向上させることができるのです。
コスト削減と顧客体験の向上を同時に達成するために必要な2つの視点
まず、セルフサービスの導入によってコスト削減を実現するためには、一番コストのかかっている部分を明確にすることです。一番コストのかかっている部分を特定し、うまくセルフサービスを導入することができれば、それだけの削減効果が見込めます。
次に重要なのが、顧客が望んでいる体験や現状の顧客体験を悪化させている要因を明確にすることです。障害となっている部分を特定し、セルフサービスの仕組みを導入することによってうまく解決できないかを考えるのです。
この2つの視点を持つことが、企業と顧客双方にメリットのあるセルフサービス導入の第一歩です。 コスト削減と顧客体験の向上を同時に実現できる部分を徹底的に探す必要があります。この努力を怠ってしまうと、顧客にとっては面倒なだけのセルフサービスが導入され、顧客体験が悪化することになってしまうでしょう。結果として、売り上げが減ってしまえば意味がありません。
おわりに
今回は、コスト削減と顧客体験の向上を同時に達成する上で大切にしたいことをご紹介しました。
現在あなたが提供する製品やサービスにおいて、コストがかかっている部分はどこでしょうか? また、顧客体験を悪化させている要因は何でしょうか?
これらをセルフサービスを導入することによって解決することができないか、考えてみてはいかがでしょうか。