カスタマーサービスの品質を評価するために様々な指標が用いられます。しかし、具体的な改善に繋げられるような指標を追わなければ意味がありません。本記事では、追うべき指標を決める際に気をつけたい3つのことについて書きました。
品質評価に用いられる様々な指標
電話であれば、“平均通話時間”や“保留率”。 メールであれば、“返信速度”や“課題解決までの時間”。
どのようなサポートチャネルを利用しているかによっても異なりますが、上記のような指標を追うことで品質改善のきっかけを掴もうと考えている企業も多いのではないでしょうか。中には、“顧客満足度”を重視し、定期的にアンケートを取ることで品質評価を行っている企業もあるでしょう。
指標を用いることで、曖昧なサービス品質を数字として客観的に評価することが可能になります。
しかし、なんとなくで追うべき指標を決めてしまうと、具体的な改善に役立たないこともあります。 また、具体的な行動に繋がる指標でなければ、数値化することだけが目的になり、計測に無駄な時間を費やすことになります。
では、追うべき指標を決める際にはどのようなことに気をつけなければならないのでしょうか。 以下に、追うべき指標を決める際に気をつけたい3つのことをご紹介します。
追うべき指標を決める際に気をつけたいこと
1. 目的に紐づいていること
今、カスタマーサービス部門で追っている指標は、自分たちが成し遂げたいこと(目的)に紐づいた指標でしょうか?コスト削減ばかりに意識が向き、本来重視すべき顧客満足度向上に繋がらない指標を掲げ、追ってはいませんか? 指標を用いる時は、自社の大目的に関連しているかどうかという点に気をつけるといいでしょう。
2. 意味があること
今、追っている指標はサービスの具体的な改善に役立っていますか?なんでもかんでも数値化すればいい訳ではありません。 例えば、顧客満足度向上がCS部門における大きなテーマだった時に、“平均通話時間”を指標として追っているとします。計測し始めてしばらくして、平均通話時間が長かろうが短かろうが顧客満足度向上にはなんら影響がないということが判明しました。このような場合、わざわざこの指標をこれからも計測する必要はないでしょう。 現在、指標として扱っているものが意味を成しているかどうか、常にチェックが必要です。
3. 理解しやすいこと
指標は、自らの行動をより良くするために用います。そのため、わかりづらく、具体的な改善行動がイメージしづらい指標では意味がないのです。部門のメンバーがパッとその指標を見た時に意味が理解できる方が望ましいでしょう。難解な指標を追っても、その指標が示唆していることを理解できず、具体的な行動に繋がらなければ、指標を計測する意味がありません。
おわりに
今回は、追うべき指標を決める際に気をつけたいことについてご紹介しました。
カスタマーサービスの品質を評価するために、企業ごとに様々な指標を計測していることでしょう。どの指標を追うべきかというのは、企業ごとに異なります。というのも、企業ごとに成し遂げたいことや重視している点が異なるからです。そのため、安易に他社の真似をするのではなく、自社に最適な指標を日々模索し、継続的に計測していく姿勢が必要となるでしょう。
本記事をきっかけに、現在追っている指標が具体的な改善行動に役立っているか、振り返ってみるのはいかがでしょうか。