電話サポートを提供する企業において、一次解決率をいかに高めるかは喫緊の課題と言えるでしょう。本記事では、一次解決率を高めなくてはならない3つの理由についてご紹介します。
一次解決率を高めなくてはならない理由
1. 顧客満足度の向上のため
コールセンター白書2015によれば、「オペレータに最も求めること」として、“求めたことへの適切な回答”が58.5%、続いて“転送や保留のない迅速な対応”が12.5%となっています。この調査から、多くの顧客が迅速かつ適切な対応をオペレータに望んでいることがわかります。
つまり、1次解決率を高めることができれば、顧客の期待を満たすことができるということです。結果、顧客の満足へと繋がっていくでしょう。
2. サポートコストを抑えるため
もし、初回の電話対応で課題解決に至らなければどうなるでしょうか。そのあとにフォローコールをすることになるでしょうし、複数名のスタッフを巻き込むことになります。もちろん、然るべき時にはそのような対応も必要です。しかし、このような対応フローが当たり前になってしまってはいけません。なぜなら、その分課題解決に多くの時間がかかることになり、結果としてサポートコストが上がってしまうからです。必要なお金や時間はかけるべきですが、オペレータのスキルアップによってこれらの問題が解決できるのであれば、それに取り組まない手はありません。
3. 自信ややりがいを生み出すため
顧客の課題をオペレータ自身の知識とスキルだけで解決できるようになれば、どのような効果が得られるでしょうか。問い合わせが来る度に取り次ぎや保留を行い、課題解決までに時間がかかっていた時に比べて、仕事に対するやりがいや自信を持つようになるはずです。自ずと電話対応のプロとしての自覚も養われるでしょう。これは、ただ電話取り次ぎ役になってしまっていた時には得られないものです。 1次解決率を高めることは顧客にとって良いだけでなく、対応するオペレータにとっても自信を深める良い機会になるのです。
1次解決率を高めるために
1次解決率を高めなくてはならない理由について、上記で触れました。 では、どうしたら1次解決率を高められるのでしょうか。そのためには、まず何より“徹底したトレーニング”が必要でしょう。トレーニングを通して自社が提供する製品やサービスに関する豊富な知識はもちろん、課題を的確に把握するヒアリング力や解決方法をわかりやすく説明する力を身につけなくてはなりません。これらが備わって初めて迅速な対応が実現できます。
1次解決率を高めるためにも、十分なトレーニングを積んだオペレータが電話対応を行うように設計しましょう。 電話対応は新人の仕事だと決めつけて、課題解決に導けない新人に任せてしまってはいけないのです。 実際の通話録音データを研修教材として活用し、トレーニングを積むのも良いでしょう。
おわりに
今回は、電話対応における1次解決率を高めなくてはならない理由について書きました。 1次解決率を高めることは、顧客の満足度向上に繋がるだけでなく、企業にとってもサポートコストの削減に繋がります。 自社の保留率や取り次ぎ率を計測するなどして、1回の対応でどれだけ顧客の課題を解決できたか、振り返ってみると良いでしょう。 また、その際に重要なのは「解決された状態」とはどんな状態かを定義することです。
今後もより良いカスタマーサポートを実現するために必要となるノウハウや視点について、本メディアを通して発信していきます。