顧客の事前期待を把握し満たすことで、顧客満足は実現できます。しかし、現状で顧客満足を達成できているからといって、今後もそれが続くとは限りません。本記事では、テクノロジーの進化に伴った顧客の事前期待の変化について筆者の考察を書きました。
テクノロジーの進化に伴った事前期待の変化
テクノロジーの進化に伴って、普段私たちが使っているあらゆるカスタマーサポートツールも進化していきます。それによって、カスタマーサポート業務も効率化され、より高品質なサービスを顧客に届けることが可能になるでしょう。これは企業と顧客双方にとって歓迎すべきことです。
しかし、ここで注意すべき点が一つあります。 それは、テクノロジーの進化に伴って、顧客の事前期待も変化していくという点です。企業はこの点を見逃してはなりません。
「電話」を例に考えてみましょう。 多くの企業が従来の電話機を利用してサポート業務を行っている(CTIなどの電話システムを導入していない)場合、顧客が企業に求めるのは「早く電話に出てくれること」や「取次のない対応」です。仮に電話をかけた際に企業担当者が自分の情報や直前の問い合わせ内容を把握していなくても、そこまで問題になりません。なぜなら、現状ではそういった対応をしてくれる企業は稀であり、顧客も企業に対して期待するまでには至っていないからです。
しかし、テクノロジーの進化に伴い、着信時に顧客情報が確認できる電話システム(CTI)などが低価格で手に入るようになった場合、顧客の事前期待はどう変化するでしょうか? こうした電話システムが普及すれば、当然多くの企業において着信時には顧客情報を把握しているのが当たり前になっています。結果として、顧客も電話をかけたら基本的な情報や前回の問い合わせ内容を再度説明することなく、すぐに本題に入れるのが普通と思うようになります。
つまり、テクノロジーが進化することによって、顧客の事前期待は変化し、要求レベルが高くなっていくということです。
それにも関わらず、従来型のツールを利用し続けていればどうなるでしょうか? これまでは問題にならなかったかもしれませんが、時間が経つにつれ、顧客の事前期待を満たすことは難しくなるでしょう。
企業はテクノロジーの進化に伴った顧客の事前期待の変化を見逃すことなく、常に満足させられるように取り組まなければなりません。
では、どうしたら変化する顧客の事前期待を満たし続けることができるのでしょうか? 以下に変化する顧客の事前期待を満たし続ける上で重要な心がけや取り組みをまとめました。
顧客満足度を高く保つために
1. 新しいテクノロジー(ツール)を積極的に取り入れる
新しいテクノロジーや最新ツールに臆病になってはいけません。積極的に新しいツールに触れ、より良いサービスを追求しましょう。現状のやり方やツールに固執するがあまり、顧客にストレスを与えてしまっては元も子もありません。
2. 変化を良しとする文化を築く
文化を築くということは簡単なことではありません。しかし、日頃から何かを改善することや新しい取り組みを推奨する雰囲気を作っておくことが重要です。やがてそれが企業の文化となり、柔軟な変化を可能にします。きっと顧客の事前期待の変化にも柔軟に対応していくことができるでしょう。
3. 情報収集を怠らない
最新のツールやテクノロジーに敏感になり、常にアンテナを立てておくことが重要です。早め早めに情報をキャッチアップすることができれば、その分余裕を持って検討していくことができます。自分なりに情報収集先をいくつか見つけて、定期的に情報を得るように習慣づけるといいでしょう。
おわりに
今回は、テクノロジーの進化に伴った顧客の事前期待の変化について筆者の考察をお届けしました。
電話サポートに限らず、メールやチャットサポートにおいてもテクノロジーの進化に伴い、顧客に提供するサービス品質は今後ますます高まっていくことでしょう。それに伴い、当然顧客の事前期待も変化し、要求レベルが高まっていきます。いち早くそうした変化を感じ取り、最新のツールやテクノロジーを活用することで、顧客満足度を高く保ち続けられるようにしましょう。
まずは、変化に臆病にならないことが大切ではないでしょうか?