顧客感動を生むようなカスタマーサービスを実現するには、カスタマーサポート担当者の主体性が欠かせません。本記事では、CS担当者が主体性を持つ重要性について触れ、どうやったらCS担当者に主体性を持たせることができるかについてご紹介していきます。
CSの現場で主体性はなぜ重要か?
主体性は、創意工夫を生み出します。言われたことをただこなすだけで済むような現場では、創意工夫は生まれず、場面に応じた最適な対応も実践できません。
特にカスタマーサポートの現場では、マニュアルだけでは対応しきれないような場面も多くあります。普段からカスタマーサポート担当者が自分の頭で考える習慣がなければ、突発的なトラブルに迅速に対応することは非常に困難になります。結果として、顧客を余計に怒らせてしまうことになるかもしれません。
一辺倒なマニュアル対応だけでは、顧客感動を生むこともできません。顧客感動は、カスタマーサポート担当者が顧客のことを第一に考え、その時その時のベストを追求する主体的な姿勢から生み出されるのです。 迅速かつ柔軟な顧客対応を実現するには、CS担当者の主体性が欠かせません。
では、どのようにしたらカスタマーサポート担当者に主体性を持たせることができるのでしょうか?
主体性の持たせ方
カスタマーサポート担当者に主体性を持たせる最もシンプルな方法は、「任せる」ことです。権限を委譲することと言い換えてもいいでしょう。 細かい指示ばかり出し、CS担当者に物事を考える余地すら与えなければ、CS担当者は思考停止状態に陥るでしょう。これではいけません。 主体性を持たせるために、自分で判断し行動する権限を与えるのです。これによって、CS担当者は状況に応じた最適な対応を考えるようになります。
こうした「任せる」ということをうまく実践している企業の例をご紹介します。
<ザ・リッツ・カールトンの例> 一般的な従業員の上司にあたるマネージャーは、従業員の判断を支援することが主な仕事となります。従業員の個性や創意工夫を阻害することは許されないそうです。また、従業員は上司に相談することなく、2000ドルを顧客対応に使用することができるそうです。
こうした「任せる」姿勢が生み出した有名なエピソードもあります。
ザ・リッツ・カールトン大阪に宿泊した顧客がホテルにメガネを忘れて、東京に戻ってしまったそうです。しばらくして、顧客から「メガネがないと不便なのでできるだけ早く届けて欲しい」との連絡が入ります。
すると、連絡を受けた従業員は東京まで新幹線を利用してメガネを届けに行ったそうです。後日宅配便で届けても問題はない対応だったかもしれません。しかし、その従業員は「顧客が喜ぶ対応」を自分で考え、行動に移したのです。
こうしたエピソードも、従業員の主体性があったからこそ、生まれてきたものでしょう。任せることがいかに主体性を持たせるのに役立つかが簡単に見て取れます。
現場が主体性を発揮できないのは、環境のせいかもしれない
カスタマーサポート部門のマネージャーが仮に現場スタッフの主体性のなさを嘆いているとしましょう。しかし、それは本当に現場スタッフだけの問題なのでしょうか。もしかしたら、自分で考え行動する余地を現場に与えていないことがそもそもの原因かもしれません。
マネージャー達は、現場スタッフの主体性のなさを嘆く前に、現場スタッフに「任せる」ことができているか、今一度振り返ってみましょう。もし、任せるということができていないのであれば、少しずつでも現場スタッフに任せることを覚え、権限を委譲する必要があります。
現場のカスタマーサポート担当者は、任せられることで仕事への責任感を強め、創意工夫によって素晴らしい顧客対応を実現してくれるはずです。
おわりに
今回は、カスタマーサポート担当者に主体性を持たせる方法について紹介しました。
簡単なようでなかなかできない「任せる」ということ。皆さんの会社ではどうでしょうか?
ぜひ「任せる」ということを通して、より良いカスタマーサービスを目指してみてください。
今後も本メディアではカスタマーサポートやカスタマーサービスに関連した情報を発信していきます。