問い合わせをした際にたらい回しにされ、自らの用件が解決されるまでに時間がかかった場合、皆さんはどう思うでしょうか。本記事では、用件が1回の電話で解決するということの重要性について書きました。
一次解決率とは?
コールセンターにおける“一次解決率”とは、転送やコールバックされることが全くなく、顧客からの1回目の入電で問題を解決することができた件数の割合を意味します。 また、一次解決率を測る上では、“どの状態を解決と定義するのか”ということをあらかじめ決めておく必要があります。もし、企業にとっての「解決」と、顧客にとっての「解決」の定義が異なっていれば、意味をなさない指標となってしまいます。一次解決率を測るためには、顧客視点での「解決」という状態について考える必要があります。
用件解決状況と満足度
一次解決率の重要性を知る上で欠かせないのが、用件解決状況と満足度の関係です。 コールセンター白書2015によれば、“1回の電話で用件が解決した場合の満足度”は686点/1000点満点で、“2回以上電話をしなければならなかったが解決した場合の満足度”は556点/1000点満点となっています。たった1回程度しか問い合わせ回数が変わらないにも関わらず、満足度には130点もの差が生まれています。
このような調査結果からも、用件の解決状況と満足度には密接な関わりがあることが見て取れます。
一次解決率を高める重要性とは?
ここまでの内容ですでにお分かりの方も多いでしょうが、コールセンターにおいて一次解決率を高めることは「顧客満足度向上」を実現する上では欠かせません。そのため、コールセンターはもちろん、電話窓口を設けている企業にとっては、一回の電話で用件を解決できるように努力することが必要不可欠だということになるでしょう。
念のため、以下に一次解決率を高める重要性についてまとめます。
1. 顧客満足度向上のために
コールセンターにおいて一次解決率を高めることは、顧客満足度向上に繋がります。顧客満足度を向上させたくないという企業はいないでしょうから、現状の用件解決状況について見直してみる必要があるでしょう。その上で、電話サポートのフローが複雑で、用件の解決までに時間をかけてしまっているようであれば、早急に改善できるように今日から行動を開始しましょう。
2. 解約リスク軽減のために
一次解決率が向上し、顧客の満足度が向上することによって、解約リスクの軽減にもつながるでしょう。顧客は、何回も電話問い合わせしないと用件を解決してくれない企業より、1回の電話で用件を解決してくれる企業から製品を買いたいと考えるはずです。
3. 売上向上のために
一時解決率を高めることは、ひいては売上向上につながるでしょう。顧客満足度が向上し、解約リスクも軽減されれば、余計な損失を防ぐことにも繋がります。素晴らしい顧客対応は既存顧客からの新規顧客紹介にも好影響を与えるはずです。
おわりに
今回は、用件が1回の電話で解決するということの重要性についてご紹介しました。電話サポートを通して顧客に素晴らしい体験を与えるためには、一次解決率の重要性についても理解しておく必要があります。そして、それを理解し、素晴らしいサポートを実践することによって、ビジネスを成長させる機会を手にすることができるようになるのです。
本記事をきっかけに、「解決」について定義し、1回の電話で顧客の用件を解決できるようにサポート力を向上させてみるのはいかがでしょうか。