社内のあるメンバーが“カスタマーサポート”や“カスタマーサクセス”の重要性に気づいても、経営者がその重要性を理解していない場合があります。そして、そのメンバーが経営者をうまく説得できないがために、いつまで経ってもCSに力を注げないこともあるでしょう。ステークホルダーへの説得力を高めるために取り組みたいことをいくつかまとめました。
理解されにくいCSの重要性
一般的な営業活動は、短期的に結果が出やすく、売上といったわかりやすい形で確認することができます。そのため、経営者自身もつい短期的でわかりやすい事ばかりに重きを置いてしまうのです。一方で、顧客満足度向上といったCSに関する取り組みは、結果が出るまでに時間がかかることも多く、わかりやすい形として確認できないために、後回しになってしまっているケースをよく見かけます。このようにCSに取り組んだことでどのような成果を得られるのかということが想像しにくい点が、CSの重要性に対する理解が進まない理由とも言えるのではないでしょうか。
しかし、だからといってあなた自身がCSの重要性をすでに知っているのなら、上司や経営者を説得することを簡単に諦めてしまってはいけません。ぜひ説得材料を増やし、あなたの手で素晴らしいカスタマーサポートを実現していってください。 以下に、あなたがCSの重要性を理解していない経営者を説得するために準備しなくてはならない3つのことについてまとめました。
CSの重要性を理解してもらうために
1.現状のままのCS体制だったら、失ってしまう収益を計算する
トラブルに遭遇する顧客の割合を算出し、トラブルに遭遇した顧客がどれだけの割合で解約などの損失につながっているかを割り出します。そうすることで、現状のCS体制のままだったら、どれだけの収益を失うことになるのかを理解しやすくなります。CSの重要性を理解していない経営者は、もしかしたら自社のCSは十分素晴らしいものだという勘違いをしている可能性もあります。そのため、まずはこのままだと損失が生まれ続けてしまうということを知ってもらうことから始めましょう。
2.顧客満足度を向上させた際の収益を計算する
CSに力を入れて、顧客満足度を向上させることで、どれだけの収益が生まれる可能性があるかということを算出します。例えば、満足度が50%の顧客は年に1回のペースで製品を追加購入する傾向にあるが、満足度が80%の顧客は年に4回ほど製品を追加購入する傾向にあるということがアンケートなどの調査によって判明すれば、顧客満足度を向上させることで増加しうる収益を推測することもできるでしょう。また、顧客の満足度を高めるための取り組みはお金をかけずともできることが多々あるので、ちょっとした創意工夫で大きなリターンが得られるかもしれません。
3.クレームを積極的に受け付けた際の収益を計算する
電話窓口を設けない理由の一つに、クレームなどの問い合わせへの対応コストがかかってしまうからというものがあります。しかし、電話窓口開設にかかる費用よりも、電話対応をすることによって満足度が向上し、解約リスクが軽減したり、再購入率が高まることによって得られる収益の方が大きいのであれば、電話窓口を開設しない理由はありません。クレームなどの問い合わせを受け付けることでどれだけの顧客満足度向上が見込め、結果的に収益増加につながるのかということを算出してみるといいでしょう。
まとめ
今回は、「経営者がCSの重要性を理解していない場合はどうしたらいい?」ということについて触れ、説得力を高めるために取り組みたいことを3つご紹介しました。 まずは、現状のトラブル発生率や解約率を算出してみることをお勧めします。そして、これらの割合を低くすることによって生まれる収益性について上司や経営者と話してみてください。 CS部署を一人で立ち上げる際に本記事のタイトルのような課題に直面するCS担当者の方もいるかと思いますが、諦めずにCSの重要性について発信していきましょう。
本記事はもちろん、本メディアをきっかけにCSの重要性に一人でも多くの人が気づいてくれることを願っています。