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NPS®の結果を分析して、業務改善に生かそう

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アップルやナイキなどの企業を中心に導入が進んでいる顧客ロイヤルティを測るための指標「NPS®」*1。本記事では、NPS®を業務改善に生かす上で大切にしたいことについて書きました。

NPS®とは?

NPS®は、Net Promoter Score®(ネット・プロモーター・スコア)の略で、顧客ロイヤルティを測るための指標です。

企業は顧客に、「この企業あるいはこのサービスを友人や同僚に薦めますか?」というシンプルな質問を投げかけます。その質問に顧客は0~10までの点数をつけて回答します。そして、0~6の回答者は「批判者」、7~8の回答者は推奨も批判もしない「中立者」、9~10の回答者は「推奨者」とスコアに応じて顧客を3種類に分けます。NPS®は、この「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値のことを指しています。

企業はこの数値を算出することで、自社サービスを活用している顧客がどの程度好意的な印象を持っているかということを把握することができます。また、良い口コミが起こりやすい状態なのかどうかも把握することができるでしょう。

しかし、こうした数値を算出して現状を把握するだけでは意味がありません。NPS®の結果を分析して、どうやったら顧客の再購入につなげられるかなど具体的なアクションを起こしてこそNPS®は意味のある指標となるのです。

では、NPS®を活用する上ではどのようなことに注意しなければならないのでしょうか?

NPS®を業務改善に生かすために大切にしたいこと

1. まず小さく始める

まずは会社としてNPS®の導入が決まらなければ活用も何もできません。NPS®は、アメリカなどに比べて国内ではまだまだ導入が進んでいないのが現状です。そのため、カスタマーサポート担当者がその有用性にいち早く気づいたとしても、なかなか会社として導入まで至らないケースがあります。そこで、まずは特定の部署・サービス単位で構わないので、素早く試してみるようにしましょう。

2. 顧客タイプごとに結果を分析する

“無料プラン利用中の顧客”と“有料プラン利用中の顧客”とでNPS®の結果に違いはあるかといったことを分析しましょう。また、利用期間に応じて結果に差はあるかなどを振り返ってみたり、他社のNPS®がわかる場合は他社と比較してみるのもいいでしょう。

3. 社内で共有する

仮にひどい結果だったとしても、社内で共有するようにしましょう。ひどい数値になってしまった要因を組織全体で探し出すことができなければ、改善策を策定することができません。反対に、結果を真摯に受け止め、改善策を考えることができれば、より良い顧客体験の提供への一歩を踏み出したことになります。

4. 具体的なアクションを決める

なぜ顧客は自社サービスを推奨してくれるのか、なぜ周囲に推奨してくれないのかといったことを振り返ったら、具体的なアクションを決めましょう。明日からどのようにして改善していくのかということを具体的に落とし込んでこそ意味があります。もっと多くの顧客が推奨者として自社サービスを推奨してくれる状態を目指しましょう。

5. 継続的に計測、改善

一回だけNPS®を計測して、改善策を講じてみてもすぐに結果につながるわけではありません。粘り強く計測を続け、改善を繰り返してこそ目に見える結果となってくるはずです。できることなら重要な経営戦略として位置付けて、継続的に実践できる体制作りを目指しましょう。

おわりに

今回は、NPS®を業務改善に生かす上で大切にしたいことについて書きました。NPS®を導入し、具体的な成果につなげるまでにはある程度時間がかかるでしょう。ただそれでもNPS®を導入し、継続的にサービスやサポートを改善をしようと決意を固めることが重要です。もちろん、NPS®︎が全ての問題を解決してくれるわけではありませんが、ひとつの有用な指標になることは間違いないと思います。 今回を機に社内でNPS®の活用を考えてみてはいかがでしょうか。

*1:NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの 登録商標です。