7月20日、フリマアプリでお馴染みの、メルカリ@東京オフィスでCS JAMの第3回目が開催されました。 第2回のレポートにもあるように、美味しいビールが飲めるということと(笑)、なかなか集まることのない複数の企業のCS担当者が六本木ヒルズに集まるということで今回も取材に伺いました。
メルカリ東京オフィスは、六本木ヒルズにあります。
ドラえもんがなぜかいっぱい。場所柄何かしら、イベントがやってるのも楽しいですね。
オフィスに入ると、屋台形式でフードが。凝ってます!
始まる前からゆるく飲んでます。
司会はメルカリCSの岩田さん。
開始時間になり、立ち上がっての乾杯。
メルカリ菅野さんの良い笑顔。
パネルディスカッション
乾杯とともにまずはパネルディスカッションが行われました。
ディスカッションのトークテーマは
「スタートアップにおけるインハウス運用とアウトソース運用」
与えられたお題に対して、エウレカの安信さん、FiNCの田口さん、そしてメルカリの中野さんの3人によるディスカッションが行われました。
3人ともコールセンターやテレマーケティング会社での豊富な経験があり、スタートアップに転職してCSの立ち上げやリーダー・育成をされています。
アウトソース(業務委託)のメリット・デメリットって何?
(中野/メルカリ)
アウトソースのメリットはスピーディであることです。
インハウスでサポートをしようとする場合は、採用→面接→育成と時間がかかってしまいます。
メルカリのサポートはインハウスが基本で、サポートは大きくCX=お問い合わせ対応、RM=監視や通報など健全化を推進する部門と2つに大きく分かれています。
そのRMの一部をアウトソースしています。夜間対応をお願いしていて、社内ですとリソースや雇用の問題もあり、アウトソース側にそのノウハウがあるのでお願いしています。
(田口/Finc)
アウトソースは時期によってお問い合わせが少なければ、コストを抑えるなど、固定費を変動費化できるのが良いと思います。
デメリットは、最新の技術やシステムには、対応してもらいずらいことがありますね。
現状は内製化をしておりますが、将来を見越して、ベンダーを使うという選択肢も検討しています。
(安信/エウレカ)
アウトソースは専門的かつ客観的な視点で一定品質のレポートを上げてくれるのはありがたいですよね。
エウレカではpairsというサービスを日本と台湾で提供していますが、特に台湾においては言語の問題もあり、現在両国ともにアウトソースを活用しています。
ただ、「よりスピード感を持ってユーザーからの改善要望をサービスへ反映したい」、「不具合検知から解消までのリードタイムを短縮したい」と考えた時、今の運営形態にとらわれずにインハウス化も含めてあるべきCS体制を模索するべきだと思っています。なぜならサービスの成長スピードに合わせることが最も重要だと考えるからです。
VOC(Voice Of Customer)の拾い方
(3者共通)
自分達が使っているツールをアウトソーサーにも使ってもらうことで、情報共有がしやすくなります。
コストで選ぶ時代ではなくなった?!
(3者まとめ)
インハウスと違うのは、そのサービスに愛着があって会社に入ったわけではないので、サービスを使って好きになってもらいたいと考えています。
一昔前はベンダーを振り回して、コストを抑えて、後はおまかせみたいなこともありましたが、それはもう終わりました。
発注側とアウトソーサーのどちらが上とか下とかでなく、アウトソーサーは自分達の顧客に対応してくれる仲間という意識で捉えています。より良い対応してもらうために、サービスへの思いやコンセプトに共感してもらうよう、コミュニケーションを継続的にとっていくことで、対応も変わってくると思います。
質問者の中には現在はスタートアップで働きながらも、以前はアウトソース側で働いていた経験のある方の質問もあり、依頼する側にそういうことを考えてもらえるようになったんだなあという生々しい感想も聞け、サポート業界が変わりつつあるのをこのパネルディスカッションで感じ取ることができました。
ワークショップ
パネルディスカッションの次はグループディスカッションが始まりました。
6チームに分かれて、アイデアを考えました。
アパレルECサイトで3ヶ月の改善期間で購入回数をアップさせるには何をする?
自分もチームに加わり、議論中。
発表内容の紹介
その1
アウトソース利用で、初回特典でまず新規のユーザーをつかみ、次回24時間以内の購入だと送料が無料になる仕組みにする。
ECサイトにおいて、送料がユーザーのネックになっているところに目をつけたとのこと。
その2
コンシェルジュサービス
サポートをコンシェルジュに例えて、チャットでキメの細かい対応を行う。
その3
出張店舗。
時系列に合わせてより良い対応をしていく。
その4
攻めのCS。
3ヶ月のうち、研修期間も入っていて具体的な提案でした。チャットでサジェストなどもするとのこと。
まとめ
今回でTOKYO CS JAMは第3回目でしたが、毎回抽選になるほどの人気ぶりです。
ワークショップの発表でもあったように、受けから攻めのサポートをしよう!というアイデアがいくつかのグループからでてきていました。
スタートアップを中心にサポートのあり方をもっと考えよう、変えていこうという意思を感じとれます。
一方で、グループディスカッションをしていて、施策のアイデアが出てきた時に、そこはCSではなく、販促やマーケティングの仕事ではという意見もありました。
最近のチャットツールでは、サイトを訪れているユーザーに対して、サポート側からメッセージやディスカウントを送るようなアクションもできるようなものが出てきています。
実際にツールをサポート担当が使いこなし、マーケティングの領域に踏み込んでいるような担当者がいる会社も最近は見かけます。
経営者が今以上にサポートの重要性に気付き、権限を与えることができれば、サポートが活躍できるステージは今後ますます増えていくでしょう。
顧客の生の声を誰よりも近く、誰よりもたくさん聞いているのはサポート担当者なのですから。
サポートタイムズでは今後こういったイベントなどの活動を通して、サポートの重要性が認知されるよう、引き続きレポートをお届けしていきたいと思います。
次回のTOKYO CS JAMは8/18(木)予定とのこと。CS担当者は是非参加することをオススメします!